うつ病が悪化すると糖尿病のリスクが高くなる
今日もご覧になっていただきありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。
糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、
糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。
今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝へします。
はじめに
以前にもお伝えしたのですが、
といわれています。
糖尿病でうつ病になりやすい理由についてはまだ不明なことが多いのですが、
糖尿病のヒトの3人に1人はうつ病の症状がある
と報告しています。
糖尿病とうつ病には密接な関係があるのですが、
今日ご紹介するのは、
うつ病が悪化すると糖尿病のリスクが上がる
という論文です。
うつ病が悪化すると糖尿病の罹患率が上がる
韓国のソウル大学校の研究グループは、
抑うつ症状が悪化するほど糖尿病の罹患率が上昇する
という研究論文を発表しました。
詳しく ⇒ 原著論文
ソウル大学校附属病院の研究グループは、
アメリカの成人1万4,000人超の健康データを解析し、抑うつ症状の重症度と糖尿病の罹患率や病状コントロールなどとの関連を検討しました。
その結果、
- 抑うつ症状が重症になるほど糖尿病の有病率が上がる
ということが判明し、
- 抑うつ症状が重症な者では糖尿病の受診率が低く血糖コントロールが不良
であることが分かったというのです。
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うつ重症群で糖尿病有病率や自覚率が2倍以上
対象者の抑うつ状態をうつ病の診断ガイドラインによって、
- 無症状
- 軽症
- 中等
- やや重症
- 重症
の5群に分類し、糖尿病有病率を調べたところ、
- 無症状群での糖尿病有病率 : 13.6%
- 重症群での糖尿病有病率 : 22.0%
と重症群での糖尿病有病率が高かったのです。
さらに、
糖尿病の治療率を比較すると、
- 無症状群での糖尿病治療率 : 79.3%
- 重症群での糖尿病治療率 : 50.1%
であり抑うつ症状が重症の群では糖尿病の治療率が低下していることも分かったのです。
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まとめ
今まで多くの研究で、
糖尿病ではうつ病になりやすい
ということがわかっているのですが、
今回ご紹介したように、
うつ病が重症化すると糖尿病の有病率が高い
ことも分かりました。
うつ病では、
- 肥満が多い
- 喫煙者が多い
- 運動量が少ない
ということも判明し、糖尿病の発症に関与しているものと思われます。
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