糖尿病の女性は味噌汁を飲むと筋肉が減りにくい

今日もご覧になっていただきありがとうございます。

臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。

糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、

日本糖尿病学会厚生労働省も述べるように、

糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。

今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝へします。

 

はじめに

先日は「痩せ型の若い女性で糖尿病が増えている」という研究結果をご紹介しました。

筋肉は血糖の調節に重要な働きをしており、

筋肉量が減ると糖の利用が減少して血糖値が上がるのです。

 

今日のお話は、味噌汁と食べると筋肉量が減りにくいというのです。

 

 

味噌汁をよく飲む糖尿病の女性では、

血糖値が低く筋肉量の減少も少ないというのです。

 

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味噌汁をよく飲む糖尿病の女性は筋肉が減りにくい

上にも書きましたが、血糖の調節には筋肉が大きな働きをしており、

筋肉量がへると糖の利用が低下して血糖が下がりにくくなってしまうのです。

 

糖尿病の患者ではサルコペニアといわれる加齢性筋肉減少症に陥りやすく問題になっています。

サルコペニアというのは、「加齢に伴う骨格筋量と骨格筋力の低下」のことで、

老化によって骨格筋の量が減少し、筋力や体力の低下が起こることをいいます。

 

最近よく聞かれるフレイルも同じようなことで、

  • サルコペニア : 筋力の低下
  • フレイル  : 虚弱状態

サルコペニアとフレイルは互いに関連し合っています。

 

前置きが長くなってしまいましたが、

京都府立医科大学の内分泌・代謝内科の福井教授らの研究グループは、

  味噌汁をよく飲む糖尿病の女性は筋肉が減りにくい

という論文を発表しました。

 

Habitual Miso (Fermented Soybean Paste) Consumption Is Associated with a Low Prevalence of Sarcopenia in Patients with Type 2 Diabetes: A Cross-Sectional Study

 

詳しく見る ⇒ Nutrients 2021, 13(1)

 

研究グループは、

糖尿病患者を対象にした多施設共同多目的コホート研究のデータをもとに、

  • 筋肉量と筋力
  • 味噌汁を飲む習慣

について解析したのです。

 

その結果、

味噌汁を飲む習慣がある女性では、

  1. BMIが低い
  2. 体脂肪率が低い
  3. 血糖値(HbA1c)が低い
  4. サルコペニアの有病率が低い

ということが判明したというのです。

 

 

残念ながら、

  • この関連は女性のみで認められ男性では見られなかった
  • この関係はタバコを吸う女性ではこの関係は見られなかった

ということです。

 

研究グループは、

味噌の摂取が脂肪の蓄積を抑え脂肪誘発性の炎症反応が低下して筋肉の委縮が抑えらた可能性や、

大豆に豊富に含まれる不飽和脂肪酸もが筋肉量の維持に働く可能性などを挙げています。

 


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筋肉量を増やして糖尿病を改善しよう

人は誰でも年をとると衰えますが、この加齢による体の衰えが老化なのです。

人の骨格筋の量は20~30歳代で最大となり、以後には年間に1~2%ずつ減少を続け、

80歳頃まには若い時の30~40%もの筋肉量が失われます。

 

これがサルコペニアで、サルコsarcoはギリシャ語の「肉・筋肉」、ペニアpeniaは「減少・消失」を意味しますが、サルコペニアは「骨格筋肉量の減少」と「筋力の低下」による「身体機能の低下」を指しています。

 

筋肉の減少で糖尿病のリスクが上がる

筋肉はエネルギーの貯蔵庫でもありますが、血糖値の調整では重要な働きをしています。

食事により血液中に増えたブドウ糖は、筋肉、肝臓、脂肪組織に取り込まれます。

筋肉に取り込まれた糖はエネルギー源として使われるため、

筋肉の量が減ると筋肉のブドウ糖消費量が減って血糖値が上がりやすくなるのです。

 

前に、

握力が弱い人は糖尿病のリスクが高い

握力が弱い糖尿病患者では死亡率が高い

という論文を紹介しましたが、体の筋肉量の減少は握力の低下と関係があるからです。

 

援助の必要なく、要介護状態でない健康寿命を延ばそうという取り組みが国を挙げて行われています。

サルコペニアやフレイルを防ぐには、

  • バランスの良い食事
  • 適切な運動

が第一です。

  • 筋肉の素となる栄養素、特に良質の蛋白質やアミノ酸を積極的に摂取し
  • 筋肉に適度な負荷をかけたレジスタンス運動を行う

ことが効果的であることが分かっています。

 

 

今回の研究で有用性が明らかになった味噌は良質の蛋白質やアミノ酸が多く含まれた大豆食品であると供に、

発酵性大豆食品であることからインスリン感受性や抗酸化作用を高める働も期待できるのです。

 


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まとめ

味噌汁は、味噌汁は血糖を下げて糖尿病の予防でお知らせしたように、

京都大学の研究グループが、

味噌汁を飲む人ではインスリン抵抗性が低い

という疫学調査結果を発表しており、血糖値が高い人にはとりわけオススメなのです。

 

最近では味噌汁をあまり摂らなくなった人も多いのですが、

大豆から作られる味噌や醤油は日本の代表的な発酵食品ですので、

血糖値が気になる人は積極的にとることをオススメします。

 

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