製薬会社で20年以上、新薬の研究開発に携わった経験をもとに、科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えしています。
糖尿病治療では、日本糖尿病学会や厚生労働省も示しているように、食事療法と運動療法が基本です。
はじめに
新型コロナのワクチン接種の優先順位がそろそろ固まってきました。
今日のテレビ報道によると、
- 医療従事者の先行接種:2月下旬から
- 医療従事者:3月中旬から
- 65歳以上の高齢者:3月下旬から
- 基礎疾患のある人:4月中旬から
高齢施設職員:4月中旬から
60~64歳:4月中旬から
という順番になりそうです。
先日、新型コロナワクチン優先接種の基礎疾患に糖尿病は含まれるのか?でもお知らせしましたが、
糖尿病は基礎疾患に含まれますが、
糖尿病患者にも優先順位があるのです。
新型コロナワクチンの接種では糖尿病でも優先基準がある
ワクチン接種では上に書きましたように優先順位が有り、一番先に医療従事者に、つづいて65歳以上の高齢者、そして次には基礎疾患のある人が優先的に接種されます。
「基礎疾患」は厚生労働省が定めている9疾患です。
詳しく見る ⇒ 厚生労働省
- 慢性呼吸器疾患
- 慢性心疾患 (高血圧を除く)
- 慢性腎疾患
- 慢性肝疾患 (慢性肝炎を除く)
- 神経疾患・神経筋疾患
- 血液疾患 (鉄欠乏性貧血、免疫抑制療法を受けていない特発性血小板減少性紫斑病・溶血性貧血を除く)
- 糖尿病
- 疾患や治療に伴う免疫抑制状態
- 8-1 悪性腫瘍
- 8-2 関節リウマチ・膠原病
- 8-3 内分泌疾患(肥満含む)
- 8-4 消化器疾患
- 8-5 HIV感染症・その他の疾患や治療に伴う免疫抑制状態
- 小児科領域の慢性疾患
糖尿病での優先基準
糖尿病の基礎疾患を持つ人は高齢者に続いて優先的にワクチンが接種されますが、糖尿病患者でも、
- 糖尿病と他の基礎疾患も併発するものと糖尿病合併妊婦
- 1 歳から高校生までの糖尿病患者
- 1,2に該当しないインスリン療法をしている糖尿病患者
に該当する糖尿病患者は優先的に接種されます。
その他の「経口糖尿病薬を服用している糖尿病患者」はその次となります。
さらに、BMIが30以上の肥満患者でも優先接種が検討されており、9つの基礎疾患のある人と合わせると、約820万人が優先接種の対象になると推計されています。
新型コロナのワクチンの種類
全世界で様々な新型コロナウイルスのワクチンが開発されています。
主なものとしては、
- 生ワクチン:活性の弱いコロナウイルスを使ったもの
- 不活化ワクチン:コロナウイルスの活性をなくしたもの
- VLPワクチン:ウイルス表面のスパイクと言われる突起の蛋白質を人工的に合成
- 組み換え蛋白ワクチン:遺伝子組換えでスパイクの蛋白質を作ったもの
- mRNAワクチン:スパイク蛋白を作る遺伝情報を伝達するmRNAを使ったもの
- DNAワクチン:スパイク蛋白のDNAを人工的に作ったもの
- ウイルスベクターワクチン:スパイク蛋白を作る遺伝子を無害なウイルスに組み込んだもの
の7種類です。
今までの一般的なウイルス感染症のワクチンは、
- 生ワクチン:風疹や麻疹などのワクチン
- 不活化ワクチン:インフルエンザなどのワクチン
その他のタイプでしたが、新型コロナでは今までに使われていない新たなタイプのワクチンが開発されているのです。
なお中国が自国や東南アジアやブラジルなどの他国で接種を進めているシノヴァク社のコロナヴァクは不活化ワクチンです。
国内で使われる新型コロナワクチン
日本独自の新型コロナワクチンはまだ開発中ですので、間もなく始まる接種では海外から導入したワクチンが使われます。
日本政府が輸入契約を済ませたとしているワクチンは下記の3種類で、ワクチンのタイプとしては、
- mRNAワクチン:ファイザー社とビオンテック社、モデルナ社
- ウイルスベクターワクチン:アストラゼネカ社とオックスフォード大
の2つです。
ファイザーとビオンテック、モデルナが開発した2つのワクチンはメッセンジャーRNAワクチンで、新型コロナウイルスのスパイク蛋白質を作る遺伝の一部を投与し、体内でスパイク蛋白質を作らせることによって免疫系を刺激して新型コロナウイルスの感染を防ごうとするものですが、メッセンジャーRNAワクチンの大規模な使用での成功例はまだありません。
アストラゼネカとオックスフォード大から導入するワクチンはウイルスベクターワクチンで、スパイク蛋白を作る遺伝子を無害なウイルスに組み込んだワクチンです。
まとめ
いよいよ新型コロナのワクチン接種が始まります。
糖尿病の基礎疾患を持つ人は優先的にワクチン接種を受けることができますが、経口糖尿病治療薬を服用している一般の糖尿病患者のワクチン接種は4月末頃になりそうです。






