コロナウイルス感染で死亡した相撲力士は糖尿病だった
今日もご覧になっていただきありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。
糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、
糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。
今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝へします。
はじめに
日本相撲協会は13日、高田川部屋の三段目の力士である勝武士(しょうぶし)が、
新型コロナウイルス性肺炎による多臓器不全により死亡したと発表しました。
新型コロナウイルス感染による死者は相撲界では初めてであるだけでなく、
新型コロナウイルス感染による20歳代での死者は初めてだと言います。
体格も良く、冬でも浴衣一枚で過ごす相撲力士。
病気には強いと思われる相撲力士なのですが、
新型コロナウイルス感染で亡くなった勝武士は糖尿病だったそうです。
コロナウイルス感染で死亡した相撲力士は糖尿病
新型コロナウイルス感染で死亡した相撲力士・勝武士のプロファイルは、
勝武士 幹士(しょうぶし かんじ)
- 本名 : 大森清孝
- 生年月日 : 平成3年11月4日(28歳)
- 出身地 : 山梨県甲斐市
- 初土俵 : 平成19年春場所
- 身長 : 165cm
- 体重 : 108.6kg
- 得意技 : 突き押し
勝武士は165センチ、108kg。炎鵬は169センチ、96kgですから小型の相撲力士ですね。
中学時代には甲斐市の竜王中学校で柔道に打ち込み、県のチャンピオンになって全国大会にも出場し、
7月場所に小結に復帰した同じ高田川部屋の竜電は柔道部の1年先輩です。
竜電と同じように、中学卒業後に高田川部屋に入門し、2007年春場所で初土俵を踏み、
最高位は2017年九州場所の東三段目11枚目。
通算成績は79場所で、260勝279敗でした。
勝武士は糖尿病だった
勝武士は、
春場所が行われた大阪から3月末に帰京した後に、
4月4日から、
- 38℃台の高熱を発し
4月8日には、
- 血痰
などの症状がでたことから救急車で都内の大学病院に入院、
症状が悪化したため9日には都内の別の大学病院に転院、
4月10日にPCR検査で相撲界で初めて新型コロナウイルスに感染していることが確認されています。
その後には集中治療室(ICU)で治療が行われたのですが、
病状は回復せず、4月13日の午前0時半に多臓器不全のため息を引き取ったのです。
勝武士は糖尿病で、2014年から糖尿病による低血糖障害を患い、インスリン注射をしていました。
2016年の初場所4日目には、
取り組み前の土俵下の控えで低血糖障害の発症を起こして土俵に上がれずに不戦敗という異例の記録を残しています。
この時には取組直前に全身が赤らんで手が震え立ち上がれなかったそうです。
相撲界では勝武士の他に、高田川親方、十両の白鷹山など6人の新型コロナウイルス感染が確認されていますが、いずれも軽症で4月末に退院しています。
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血糖管理ができていれば普通の人と同じで良い
新型コロナウイルス感染と糖尿病の関係については、
などにも書きました。
世界保健機関(WHO)の発表によると、
新型コロナウイルスによる世界の致死率は2%程度ですが、
糖尿病患者は9.2%だったと報告されています。
今までの調査で、
- 肺疾患
- 心疾患
- 肥満や糖尿病
などの基礎疾患がある人では新型コロナウイルス感染で重症化することが明らかになっています。
全ての理由が分かっているわけではありませんが、
肥満や糖尿病などでは免疫力が低下していることが関係しているのではないかと考えられています。
しかし、
糖尿病でも血糖コントロールができていれば必要以上に新型コロナを恐れる必要はない
でも書きましたが、
日本糖尿病学会では、
新型コロナウイルスに罹った場合に、重症化するリスクとして、心疾患や呼吸器疾患に加えて、糖尿病もその一つである可能性があると考えられています。
糖尿病がある方は、一般的な衛生対策に加えて、不要不急の外出を避けることや人混みを避けるなどの注意をすることは、インフルエンザなどの他の感染症対策と同じです。
として、
インフルエンザなどの他の感染症対策と同じで良いとしています。
アメリカ糖尿病学会でも、
糖尿病自体が新型コロナウイルス感染を重症化するのではないと強調しています。
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まとめ
新型コロナウイルス感染では糖尿病患者で重症化しやすいことはこれまでの調査で明らかになっています。
しかし、
日本糖尿病学会も、アメリカ糖尿病学会でも、
糖尿病自体が新型コロナウイルス感染を重症化するのではないと強調しており、
糖尿病であっても糖尿病でも血糖コントロールができていれば必要以上に新型コロナを恐れる必要はないのです。
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