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    Categories: 食事で治す

糖尿病でタバコは禁煙した方が良いの?

糖尿病患者でもタバコを吸っても良いのか?

糖尿病患者ではタバコは止めた方が良いのか?

糖尿病患者では喫煙、禁煙どちらが良いのでしょうか、、、

 

 

タバコは血糖値を上げ糖尿病の病態を悪化させる

昨日もお伝えしたのですが(喫煙は血糖値に悪影響を与える)、

 

結論から言えば、

糖尿病患者での喫煙は、

  • 2型糖尿病に1.4倍かかりやすい
  • 喫煙本数が多いほど糖尿病になりやすい
  • 禁煙した人ではリスクの低下がみられる

ということが分かっており、

 

糖尿病患者では今すぐにでも禁煙に踏み切るべきなのです。

 

喫煙は、

  • 血糖値を上昇させる
  • 糖尿病の病態を悪化させる

ということは、多くの研究や疫学調査で明らかになっているのです。

 

⇒ 糖尿病での喫煙は血糖値に悪影響を与えます

 

 

しかし、昨日もお伝えしたように、2015年4月に、

「糖尿病患者が禁煙すると血糖値が上がる」

という、予想に反した論文が発表されたようなのです。

 

では、糖尿病患者では無理に禁煙をしない方が良いのか、、糖尿病患者ではタバコを吸ってもいいのか、、、。

喫煙者の糖尿病患者では気になるところですから、早速調べてみました。

 


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禁煙が血糖値を悪化させる?

喫煙は糖尿病に悪い!というのが通説なのだが、禁煙後の数年間は血糖値に悪影響を与えるという、

通説とは逆の結果がつい先日に発表されました。

 

これは、2015年4月29日に、Lancet という雑誌の、Diabetes Endocrinolのカテゴリー に発表された、「The association between smoking cessation and glycaemic control in patients with type 2 diabetes: a THIN database cohort study.」という論文です。

 

この論文では、英国のデータベースであるTheHealthImprovementNetwork(THIN)の2005年1月から2010年12月までデータを抽出し、禁煙の有無、禁煙期間、HbA1c、体重について統計解析を行ったのですが、

 

10,692人の2型糖尿患者で喫煙者の中の3,131人(29%)が最低1年間禁煙したところ、

  1. 禁煙後1年間でHbA1cが平均0.21%増加した
  2. 禁煙を続けるとHbA1cは減少し、3年後には喫煙を続けている糖尿病患者と同じレベルになった
  3. 禁煙により体重が増加したが、HbA1cの増加と体重変化とは無関係だった

というのです。

 

論文では、

  • 糖尿病患者では禁煙後3年間は体重増加と無関係に血糖のコントロール悪化と関連していた
  • この一時的な血糖値の上昇が微小血管合併症を増加させる可能性がある

と述べています。

 

この結果を単純に受け取ると、

糖尿病患者では禁煙後3年間は合併症を増加させるから喫煙を続けた方が良い

との解釈もできるのですが、

 

この大規模解析では食生活や運動などの要因については全く触れておらず

この結果を全ての糖尿病患者に当てはめるのは無理がありそうだと思われます。

 


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タバコは糖尿病性腎症を誘発する

上に紹介した論文は英国における調査報告なのだが、国内の調査結果も報告しておこう。

 

2007年にお茶の水女子大の研究グループが米国のDiabetes Care 30: 1286-1288 に発表した調査結果です。

 

この調査では、2型糖尿病の男性患者357人を3~7年にわたって、喫煙と尿中のアルブミンを追跡調査しています。

 

尿中のアルブミンの排泄量を調べれば、早期の腎異常を知ることができるのです。

357人の男性糖尿病患者では、

  1. 179人が喫煙、
  2. 74人が過去に喫煙経験が有り、
  3. 104人は喫煙経験が無かった

という内訳です。

 

7年間の追跡終了時に106人に尿中アルブミンが認められ、早期糖尿病性腎症と診断された。

  • 60人(57%) : 喫煙者
  • 23人(22%) : 過去喫煙者
  • 23人(22%) : 非喫煙者

と有意に喫煙者での腎症発症が多かったのです。

 

年齢などの要因を排除し解析した結果では、

  • 喫煙患者での腎症の発症率のリスクは2.1倍
  • 過去喫煙者での腎症発症リスクは1.9倍

という結果だったと報告されています。

 


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中高年女性ではタバコを吸う人が多い

国内における喫煙者数は年々減少しています。

 

厚生労働省の国民健康栄養調査によると、

2014年における国内の成人喫煙者数は19.3%で、

  • 男性では32.2%、
  • 女性では8.2%

と、男女ともに過去10年間で減少傾向にあることが分かっています。

 

 詳しく読む ⇒ 厚生労働省国民健康栄養調査

 

喫煙者数が20%を下回ったのは、1965年の調査開始以来初めてで、

喫煙者数はピーク時の1996年では49.4%と成人の約2人に1人が喫煙していたが、

現在は5人に1人まで減少しています。

 

JTでは、喫煙者数の減少は消費税率引き上げでたばこが値上がりしたことや、

健康意識の高まりなどが要因と見ているが、

喫煙に対する規制の強化なども大きく影響していると考えられ、

この傾向は今後も続くであろうと予想されている。

 

中高年女性の喫煙率は低下しない

喫煙者数は、ほとんどの年代で減少しているが、特に喫煙率が大きく減少しているのは20代です。

 

JTの調査では、

  • 男女別の喫煙率はともに減少しているが、
  • 男性では全年代で喫煙率が低下しているのに比べ、
  • 女性では40代、50代では横ばいで推移しており、

1990年から2000年代前半にかけて、

20代で喫煙を始めた女性が、その後も喫煙を続けている傾向がある

としています。

  詳しく読む ⇒ 吸い続けているのは中高年女性か

 

 

血糖値が高いあなた、糖尿病のあなたは今すぐ禁煙に踏み切るべきです

 

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