筋トレは週1回でも血糖値を下げることができる
今日もご覧になっていただきありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。
糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、
糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。
今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えいたします。
はじめに
最近、サルコペニアやフレイルという言葉をよく耳にします。
サルコペニアとは、加齢に伴って筋肉量や筋力が減少し身体能力が低下することです。
そして、高齢者が筋力や活動が低下した虚弱状態のことをフレイルというのです(日本老年医学会)。
サルコペニアやフレイルはフレイルは、糖尿病などを引き起こすだけでなく寝たきりや認知症に進行するのです。
フィンランドの研究グループは、
週1回の筋トレでも血糖値やコレステロール値が低下するという研究論文を発表しました。
週1回の筋トレでも血糖値が下がる
糖尿病の治療は、
- 食事療法
- 運動療法
が基本ですが、
日本糖尿病学会は運動療法について、
頻度はできるだけ毎日、少なくても週に3~5回、
中等度の強度の有酸素運動を20~60分間おこなうことを薦める。
としています。
詳しく見る ⇒ 日本糖尿病学会のガイドライン
忙しい勤労者では、週3~5回の20~60分間の有酸素運動をおこなうなどなかなか困難であり、運動療法が続かない理由でもあるのですが、
フィンランドのユヴァスキュラ大学の研究グループは、
週1回程度の筋トレでも血糖値が低下する
という研究論文を発表しました。
Effects of different strength training frequencies on maximum strength, body composition and functional capacity in healthy older individuals.
According to a recent research, resistance training improves the health of over 65-year-olds, and the benefits occur even when some people train as little as once per week. The benefits show in improvements in blood values, muscle strength and mental well-being.
詳しく見る ⇒ 原著論文
研究グループは、
- 65~75歳の高齢者106人
を対象に、
全身の筋肉トレーニングを、
- 週1回行うグループ
- 週2回行うグループ
- 週3回行うグループ
の3群に分けて、
- 9ヵ月間追跡調査
したのです。
その結果、
週1回の筋力トレでも、
- 血圧
- 血糖
- ステロール
- 炎症マーカー
が改善たのです。
さらに、
運動により爽快感も得られ筋トレはメンタル面にも良好な効果をもたらし、
幸福度が向上ことが分かったのです。
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基礎代謝を上げるには筋肉を増やす
筋肉量の減少や筋力の低下によるサルコペニアは血糖値が高い人では特に注意が必要です。
筋肉は血糖をたくさん消費するので、筋肉が減少すると、筋肉の糖消費量が減って血糖値が上がりやすくなるからです。
2型糖尿病では、
- インスリン抵抗性の増大
- インスリン分泌の低下
- 筋肉の減少
の3つの要因が引き金になるのです。
高齢でも筋肉を増やせば血糖値が下がる
筋肉量は年齢とともに低下していくのですが、
筋力トレーニングを行えば年齢が高い人でも筋肉を増やすことができます。
筋トレで筋肉量が増えれば基礎代謝量が増えるため糖の消費が多くなるのですが、
下半身を中心にした筋トレはより効率的に基礎代謝量を上がることができます。
体には様々な筋肉がありますが、
- 大臀筋(お尻)
- 大腿四頭筋(太もも前)
- ハムストリングス(太もも裏)
が体で大きな筋肉だからです。
筋トレで大きな筋肉を鍛えることによって基礎代謝が上がり血糖値を下げることができるのです。
血糖値を下げるための筋トレ
筋トレといってもバーベルを持ち上げる必要はありません。
中部ろうさい病院 治療就労両立支援センターでは、サルコペニアを予防する運動を挙げています。
詳しく見る ⇒ 中部ろうさい病院
大腿四頭筋の筋肉を増やす筋トレ
大殿筋の筋肉を増やす筋トレ
など、簡単で効果的な筋力アップの筋トレを紹介しています。
筋トレといっても器具も必要なく、自宅で簡単にできる筋トレです。
これなら忙しいあなたでも週1回はできるでしょう。
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まとめ
筋トレは、筋力や筋肉量を増やし基礎代謝量を上げることによって糖の消費量を増やし血糖値を下げることができるのです。
今回の報告のように「週1回の筋トレ」でも十分効果があるのです。
筋トレといってもジムに行ったり器具が必要なわけではなく自宅でと思うでしょうが自宅で簡単にできるのです。
加齢に伴う筋力や筋肉の衰のサルコペニアは寝たきりや認知症のリスクを高めるのです。
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