製薬会社で20年以上、新薬の研究開発に携わった経験をもとに、科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えしています。
糖尿病治療では、日本糖尿病学会や厚生労働省も示しているように、食事療法と運動療法が基本です。

はじめに
先日は、糖尿病にならないための3つの生活習慣について書きましたが読んでくださったでしょうか?
親や兄弟が糖尿病であれば「糖尿病体質」を受け継いでいる可能性が高く、糖尿病になる可能性が高いのですが、生活習慣を改善すれば糖尿病のリスクはぐんと軽減するのです。
中でも食事や運動による減量は非常に重要なことなのですが、今日は食生活で重要な3つのポイントをご紹介しましょう。
糖尿病を予防するために守るべき食生活の3つのポイント
九州大学の研究グループは福岡県久山町で大規模な疫学調査を行っています。
この疫学調査は「久山町研究」とも呼ばれていますが、久山町の住民を対象に1961年から行われ、生活習慣と疾病について多くの知見が得られています。
早食いは肥満の原因
肥満は糖尿病の大きなリスクファクターで、糖尿病を改善する、糖尿病を予防するためには肥満を改善することが重要なのですが、久山町研究で、糖尿病でもゆっくり食べると肥満リスクが低下するということが明らかになっています。
九州大学の研究グループは、糖尿病の人では早食いが肥満のリスクを高める と発表しています。
Effects of changes in eating speed on obesity in patients with diabetes: a secondary analysis of longitudinal health check-up data
Slow eating speed may be linked to weight loss
研究グループは、2008~2013年において糖尿病の治療を受けている5万9,717人を対象に、食べる速度と体重の増減との関連を調査したのです。
その結果、食べるスピードが、
- 速い : 38%
- 普通 : 55%
- 遅い : 7%
だったのですが、
肥満(BMI25以上)の割合は、
- 普通の人では、速い人に比べ29%少ない
- 遅い人では、速い人に比べ42%少ない
ということが分かったのです。
食べるスピードがゆっくりであるほど肥満のリスクは低下し、ウエスト周囲の平均値は、
- 速い : 86.8cm
- 普通 : 82.8cm
- 遅い : 80.1cm
とお腹周りも引き締まっていることが分かりました。
ゆっくり食べると満腹感を得やすく食欲をコントロールできる
食べるスピードが速い早食いでは満腹感が得られにくくなります。
食事をして血糖値が上がれば、脳の満腹中枢が刺激され「満腹だ」と感じるのです。
そのため、早食いでは十分カロリー摂取をしたにもかかわらず、血糖値が上がるまで食べ続けることになります。
ゆっくり食べると、血糖値が上がって満腹感を感じて食欲をコントロールし、食べ過ぎを抑えやすくなるのです。
早食い、間食、寝る前の食事は最悪
さらに研究グループは、
- 他人よりも食べるのが早いか?
- 間食をするか?
- 就寝前2時間以内に食事をするか?
の3つの食習慣についても調べました。
その結果、
- 1つ当てはまる : 肥満のリスクが1.53倍
- 2つ当てはまる : 肥満のリスクが2.62倍
- 3つ当てはまる : 肥満のリスクが3.65倍
ということが判明し、この3つの食習慣がある人では肥満のリスクが3倍以上に上がることが明らかになったのです。
1つより2つが、2つより3つが肥満のリスクが高いということは、3のうち1つでも食習慣を改善すれば肥満リスクは低下するということなのです。
まとめ
短時間に多量のエネルギーを摂取する「早食い」は肥満のリスクを上げるのです。
ゆっくり食べるこにより満腹感を得やすくなり、食欲をコントロールすることができるのです。
特に、
- 早食い
- 間食
- 寝る前の食事
この3つが重なると、肥満や内臓脂肪の蓄積のリスクが3倍にも上がるのです。







