持久力をつけると糖尿病を予防できる
今日もご覧になっていただきありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。
糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、
糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。
今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えいたします。
はじめに
運動は糖尿病を予防するだけでなく、
糖尿病の治療の基本は、
- 食事療法
- 運動療法
なのです。
厚生労働省は、
- 早世
- 生活習慣病
- 生活機能の低下
を予防するために、
- 健康づくりのための身体活動基準 2013
- 健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)
を公表していますが、
東北大学の研究グループは、
持久力をつけると糖尿病を予防できる
という研究報告を発表しました。
持久力をつければ糖尿病を予防できる
糖尿病の治療の基本は、
- 食事療法
- 運動療法
であることがご存じだと思いますが、
食事療法も運動療法も一時的なものではなく、継続することが必要です。
ジョギングやランニングなどにより全身持久力を高めると2型糖尿病の予防につながるということは通説になっています。
しかし実は、明確なエビデンスがなかったのですが、
東北大学の研究グループは、
全身持久力を高めれば糖尿病を予防できる
という研究報告を世界で初めて発表したのです。
詳しく見る ⇒ 東北大学プレスリリース
そして、この成果は「2 型糖尿病罹患に対する全身持久力レベルの基準値達成の重要性」とのタイトルでJournal of Epidemiologyに掲載されました。
Importance of achieving a “fit” cardiorespiratory fitness level for several years on theincidence of type 2 diabetes mellitus: a Japanese cohort study
詳しく読む ⇒ 原著論文
東北大学の研究グループは、
- 全身持久力を測定した男性2,235人を、
23年間もの長期間にわたって追跡し、
- 全身持久力と2型糖尿病の発症リスクを比較
したのです。
全身持続力の達成は厚生労働省の、健康づくりのための身体活動基準 2013と健康づくりのための身体活動指針で評価しています。
その結果、
継続的に全身持久力の基準を達成していなかった男性は2 型糖尿病の発症リスクが高いことが明らかになったのです。
さらに、
最初は全身持久力が基準に達していなくても、
その後の数年間で継続的に持久力の基準を達成できれば、
全身持久力が基準に到達しその後も継続的に到達していた男性と同様に糖尿病の発症を予防できることが明らかになりました。
持久力をつけて糖尿病を予防するためには、
一時的に持久力の基準を達成することよりも、継続的に持久力を高めることが効果的なのです。
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全身持久力を持続するには
全身持久力というのは一般的には、
- 持久力
- スタミナ
などとも呼ばれ、粘り強く長く運動を続けることができる体力のことです。
運動には、
- 有酸素運動 : 水泳、ジョギング・ウォーキング、サイクリング
- 無酸素運動 : 短距離走、筋力トレーニング、ウエイトリフティング
とがありますが、
全身持久力は、
- ランニング
- ジョギング
- サイクリング
などの有酸素運動によって高めることができます。
厚生労働省は2013年に、
- 健康づくりのための身体活動基準 2013
- 健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)
を公表しました。
これは、
将来的に各個人が予想される、
- 早世
- 生活習慣病
- 生活機能の低下
を減少させるために、
個人にとって達成することが望ましい身体活動・運動体力の基準
を定めたものです。
詳しく見る ⇒ 厚生労働省の基準
具体的には、
運動の強度によって「メッツ」として分類し、
- 3.0メッツ : とても軽い運動 、20分
- 4.0メッツ : 早歩き、15分
- 5.0メッツ : ソフトボールや野球、12分
- 6.0メッツ : ジャズダンス、10分
- 7.0メッツ : ジョギング、9分
- 8.0メッツ : サイクリング、8分
- 10.0メッツ : 水泳(平泳ぎ)、6分
などとして、
男性では、
- 18~39歳:11.0メッツ/週
- 40~59歳:10.0メッツ/週
- 60~69歳:9.0メッツ/週
女性では、
- 18~39歳:9.5メッツ/週
- 40~59歳:8.5メッツ/週
- 60~69歳:7.5メッツ/週
を行うこととしています。
なお、
身体活動は、
- 生活活動
- 運動
に分けられ、
生活活動は、日常生活における労働で、家事、通勤・通学などの身体活動を含み、
運動は、スポーツなどの体力の維持や向上のためにおこなう継続性のある身体活動のことですが、
通勤時に、
- 早歩き
- 階段を上る
というようなことを取り入れることで「運動」になるのです。
持久力をつけるには早歩きでもジョギングでもあなたに合った運動で良いのですが継続することが大事です。
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