ビルベリーには糖尿病網膜症の予防効果がある
今日もご覧になっていただきありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。
糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、
糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。
今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えいたします。
はじめに
糖尿病網膜症は糖尿病の三大合併症の1つです。
糖尿病網膜症が進行すると失明にいたるのですが、
成人における失明の原因は1位が糖尿病網膜症、2位は緑内障で、
糖尿病網膜症により毎年3,000人が失明しているのです。
糖尿病網膜症の予防はなんといっても血糖を下げることですが、
北海道大学の研究グループは、
ビルベリーに糖尿病網膜症の発症と進行の予防効果がある
ことを明らかにしました。
ビルベリーに糖尿病網膜症の予防効果がある
糖尿病が怖いのは合併症があるからです。
糖尿病の三大合併症は、
- 糖尿病神経障害
- 糖尿病網膜症
- 糖尿病腎症
です。
これらの合併症は、いずれも高血糖により微細な血管壁が傷害されることによって引き起こされるのです。
糖尿病網膜症は高血糖により網膜の血管が障害され、新生の発生や血管の破綻による出血などにより、最悪の場合には失明に至のです。
詳しく読む ⇒ 糖尿病網膜症とは
成人における失明の原因は、
- 糖尿病網膜症
- 緑内障
と、糖尿病網膜症で視力を失う人が毎年3,000人もいるのです。
糖尿病網膜症を予防するには、
運動量が多いほど糖尿病網膜症のリスクが下がることなどが知られていますが、
なんといっても血糖値を下げることが一番なのですが、
北海道大学の尾崎 倫孝教授とわかさ生活の研究グループは、
ビルベリーに糖尿病網膜症の発症予防と進行抑制効果がある
ことを明らかにし、
2017年12月7日に開催された「生命科学系学会合同年次大会」で、
「ビルベリー抽出物の糖尿病性網膜症発症・進行予防効果に関する基礎的研究」
と題して発表しました。
詳しく読む ⇒ プレスリリース
この研究では、
糖尿病網膜症では、高血糖による細胞内酸化ストレスが細胞死を引き起こすとともに、細胞の低酸素状態が血管新生を引き起こし失明につながることが知られているのですが、
ビルベリーの抽出物が血管新生の発生を細胞レベルで抑える可能性を明らかにしたのです。
研究グループは、
糖尿病網膜症の病態を悪化させる血管新生を抑制するためには、
抗VGEF抗体の硝子体内への注射が最も有効な予防法であるが非常に高価な治療法であり、
ビルベリー抽出物が糖尿病網膜症予防に有効である可能性が確認されたと述べています。
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糖尿病網膜症に有効なビルベリーとは
今回の研究で糖尿病網膜症に有効である可能性が明らかになったビルベリーとはどんなものなのでしょうか?
ビルベリー(bilberry)は、
- ホワートルベリー
- ブルーベリー
- ハックルベリー
などともよばれるようですが、
ブルーベリーの一種なのです。
ブルーベリーには、
アントシアニンといわれる青紫色の色素が含まれ、さまざまな健康効果を持つことが分かっていますが、
ビルベリーはアントシアニンの量が最も多く含まれるブルーベリー
であり、
ヨーロッパでは医薬品として商品化されるほどの健康効果があるといわれています。
アントシアニンといえば目の健康を維持する効果
が知られていますが、
ビルベリーの健康効果としては、
- 視機能を改善する
- 活性酸素を除去する
- 血流の改善
- メタボの予防
- 腸内環境を整える
- 花粉症予防
などの効果が期待されているのですが、
新たに、
- 糖尿病性網膜症を予防する効果
も明らかになったわけです。
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ビルベリーのポリフェノールは糖尿病に良い
ポリフェノールが糖尿病に良いということは良く知られていますが、
ポリフェノールといえば多くの人はワインを思い浮かべると思います。
詳しく読む ⇒ ワインは糖尿病の血糖値に良い
ポリフェノールとは、
植物が太陽の紫外線から身を守るためのもので、
ポリフェノールには400以上の種類があります。
代表的なポリフェノールは、
- アントシアニン : 赤ワイン → 肝機能、心臓病、認知症予防
- ルチン : 蕎麦 → 血管強化、動脈硬化、高血圧予防
- カカオマス : ココアなど → 疲労回復、ストレス、ピロリ菌除去
- カテキン : 緑茶 → コレステロールの減少、血糖値の正常化
- ウーロン茶重合ポリフェノール → 脂肪吸収を抑制、メタボ解消
- コーヒークロロゲン酸 → 脂肪燃焼、代謝、抗癌作用
- イソフラボン : 大豆 → 女性ホルモン作用、美白
などが知られており、
さまざまな健康効果があるのです。
ポリフェノールは植物が、
- 昆虫や動物の攻撃を避ける
- 紫外線により生じる活性酸素からまもる
などのために植物自身が自分を守るために作り出しているのですが、
ポリフェノールの活性酸素を除去する作用は糖尿病の予防に効果的に働くのです。
詳しく読む ⇒ 糖尿病に良いポリフェノール
ビルベリーに含まれるアントシアニンは、デルフィニジン系といわれるアントシアニンで、
- 毛細血管を保護する
- 血管を強化する
働きがあるといわれています。
糖尿病網膜症では高血糖により血管壁が傷害され、
- 血管が詰まったり
- 血管が破れたり
することによって発症するので、血管を保護したり強化する働きがあるビルベリーのアントシアニンは糖尿病網膜症の予防に効果があるのでしょう。
さらに、
ポリフェノールには糖尿病の原因となる活性酸素を除去する作用がありますから、糖尿病の予防にも効果的に作用するといわれているのです。
糖尿病や糖尿病網膜症の予防はなんといっても、
血糖値を下げること
です。
血糖値を下げるには、
- 食事療法
- 運動療法
が最も重要なのです。
補助的療法として、
ビルベリーのアントシアニンを摂ることも有効だと思われますが、
ビルベリーを摂ったからといって食生活の不摂生や運動不足を解消できるものでは有りません。
糖尿病の予防や進行抑制はなんといっても食事療法です。
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