炭水化物の食べ過ぎは死亡率が上がるので糖質制限を
今日もご覧になっていただきありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。
糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、
糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。
今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えいたします。
はじめに
糖質制限がブームです。
書店では糖質制限の本がたくさん並び、
と、いたるところで糖質制限の文字が目に付きます。
しかし一方では、
糖質制限は寿命を縮める
という反論もあるのですが、
今日、ご紹介するのは、
炭水化物を摂りすぎると死亡率が上がる
という論文です。
糖質制限の躊躇されている方は安心して糖質制限を始めても良いのではないでしょうか?
炭水化物を食べ過ぎると死亡率が上がる
糖質制限とは、
炭水化物をできるだけ食べない
ということです。
血糖値を上げるのは炭水化物だけだからです。
炭水化物 = 糖質 + 食物繊維
そんなことから糖質制限は、
- ダイエット効果がある
- 血糖値が下がる
ということで、糖質制限ブームなのですが、
一方では、
- 糖質制限は体に悪い
- 糖質制限は寿命を縮める
とする論文も少なくないのですが、
今日ご紹介するのは、
炭水化物を摂りすぎると死亡率が上がる
という論文です。
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この論文を発表したのは、
カナダの・マックマスター大学の研究グループで、
5大陸の18ヵ国で炭水化物の摂取量と死亡率を調べた大規模疫な研究で、
炭水化物を摂りすぎると死亡率が上がる
という結果が得られたというのです。
この論文が掲載されたのは、イギリスのLancetという科学雑誌ですが、Lancetは週刊で刊行される医学雑誌で、世界で最も評価の高い世界五大医学雑誌の一つです。
Associations of fats and carbohydrate intake with cardiovascular disease and mortality in 18 countries from five continents (PURE): a prospective cohort study.
詳しく読む ⇒ Lancet. 2017 Aug 28;
この研究では、
- 世界18ヵ国における35~70歳の135,000人、
を対象に
- 2003年1月~2013年3月まで7.5年間にわたって、
- 食事摂取量と食事摂取頻度を調査
したのです。
対象とした18ヵ国の内訳は、
高所得国として、
カナダ、スウェーデン、アラブ首長国連邦
中所得国として、
アルゼンチン、ブラジル、チリ、中国、コロンビア、イラン、マレーシア、パレスチナ自治区、ポーランド、南アフリカ、トルコ
低所得国として、
バングラデシュ、インド、パキスタン、ジンバブエ
の18ヵ国を対象にした非常に大規模な試験ですが、
残念ながら日本は含まれていません。
試験の目的は、
炭水化物の摂取量と死亡率の関係を明らかにする
ことで、
炭水化物の摂取量と、
- 死亡率
- 致死的心血管疾患
の発症率を調べたのです。
致死的心血管疾患としては、
- 心筋梗塞
- 脳卒中
- 心不全
としています。
その結果、
- 死亡率は炭水化物の摂取量が多いほど高い
- 死亡率は脂質の摂取量が多いほど低い
ということが判明したのです。
7.5年間の追跡期間中に、
- 死亡 5,796例
- 心血管系疾患 4,784例
が発生したのですが、
炭水化物の摂取量が多いほど死亡リスクが高い
ことが判明したのです。
脂質についても、
総脂質量や脂質の質によって多少の差があったものの、
総脂質や脂質の種類にかかわらず脂質摂取量が多いほど死亡率が低い
ということが判明したのです。
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研究グループは、
今回の食物摂取頻度調査は、
- 絶対的な摂取量を測定した調査ではないこと、
- 食事摂取量の調査が試験開始時のみであること、
- 体に良くないといわれているトランス脂肪酸の摂取量を測定していない、
など今回の研究は全てが完璧ではなかったとしていますが、
- 炭水化物の摂取量が多いほど死亡リスクが高い
- 総脂質や脂質の種類にかかわらず脂質摂取量が多いほど死亡率が低い
ということは衝撃的なことです。
研究グループは、
今後、世界的な食事ガイドラインを再検討する必要がある
と結論しています。
糖質制限は、炭水化物を食べないということではありません、
- 朝食のパンを半分にする
- 夕食のご飯を半分にする
ということなのです。
- 太りすぎの解消
- 血糖値を下げる
を実現してみませんか?
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