医師のすすめる糖質制限ダイエットとは
今日もご覧になっていただきありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。
糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、
糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。
今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えいたします。
はじめに
空前の糖質制限ブームと言っても過言ではありません。
- 本屋の健康コーナーには糖質制限ダイエットの本が並び
- スーパー→コンビニでは糖質オフ食品がたくさん
- 牛丼屋では糖質カットの牛丼が、、
一方では、糖質制限は危険だ、糖質制限は健康を害するとの意見もあるのです。
しかし、
日経メディカルが医師2,263人を対象にしたアンケート調査では、
医師の3人に1人が糖質制ダイエットを実行し、患者にもすすめている
そうなのです。
医師の半数は糖質制限ダイエットを支持
最近の書店の健康コーナーには、糖質制限に関する本や雑誌がずらりと並んでいます。
糖質制限が、
- ダイエットに効果がある
- 糖尿病に効果がある
ということについては多くの実施例があり、効果があることは間違いないのですが、
「糖質制限は危険」とする意見もあるのです。
何事にも賛否両論があるのだが、
糖質制限ダイエットに対する医師の考えはどうなのだろう?
と疑問に思うのです。
医学系の書籍を出版している日経BP社は、
日経メディカルOnlineの医師会員2,263人を対象に、糖質制限ダイエットに関するオンラインアンケート調査を実施し、
その結果を公表しているので概要を紹介しましょう。
詳しく見る ⇒ 糖質制限ダイエットに関するオンラインアンケート調査
過半数の医師が糖質制限ダイエットを支持
「体重是正や血糖値改善を目的とした糖質制限ダイエットを支持しますか?」
との質問には、
- 支持する : 15.1%
- どちらかといえば支持する : 43.2%
と、支持すると答えた医師は58.3%と、過半数の医師が糖質制限を支持すると回答しているのです。
さらに、
「糖質制限を自分も実施したり、患者にもすすめているか?」との質問には、
- 自分も実行し患者にもすすめている : 14.3%
- 自分も実行しているが患者にはすすめたことがない : 19.4%
- 自分は実行していないが患者にすすめる : 12.4%
だったのです。
すなわち、
- 糖質制限をおこなっている医師 : 33.7%
- 患者にすすめている医師 : 31.8%
ということで、
- 医師の3人に1人が糖質制限ダイエットを実施している
- 医師の3人に1人が患者に糖質制限をすすめている
ということが明らかになったのです。
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医者が糖質制限ダイエットをすすめない理由はエビデンス不足
過半数の医師が糖質制限に賛成で、
30%に医師が患者に糖質制限をすすめているのだが、
- どちらかと言えば支持しない : 30.4%
- 支持しない : 11.3%
と回答した医師がいるのです。
支持しないと答えた理由については、
- 長期的な効果や安全性を示すエビデンスが不足している : 83.5%
- おかず食いになり蛋白質や脂肪の摂取量が増える : 37.2%
- 糖質制限は代償的に肝臓での糖新生を亢進させ筋肉量を減少させる : 30.0%
と、回答したということです。
このアンケート調査は、2014年7月におこなわれたもので、3年が経過しており、
長期的な効果や安全性を示すエビデンスも集積されているはずですから、
現時点でアンケート調査をおこなったら、支持する医師はさらに増えていると思われます。
長期的なエビデンスがないということについては、
- 稲作により糖質を食べるようになった期間は非常に短い
- 人類の歴史の中でその大半は獣や木の実を主食としてきた
という歴史がなによりも効果と安全を示しているのです。
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医師のすすめる糖質制限ダイエットのやりかた
医師の3人に1人が糖質制限ダイエットを実施していおり、
2年間継続しているが、すこぶる良好に推移している。
最初の3ヵ月で20kg減少、その後は体重の増減はなく、筋肉量は増加し、胃腸症状にも異常はない。(40歳代勤務医、耳鼻咽喉科)
とか、
昼食後、眠くならないのが良い。
空腹を我慢せず、好きな酒も減らさず、体重が8kg減りました。(40歳代勤務医、心臓血管外科)
と効果を実感している医師が多いのです。
糖質の制限量は摂りすぎを抑える程度に
糖質制限ダイエットでは、どの程度を制限するかが問題です。
- 主食を食べない
- 糖質ゼロ
といった極端な糖質制限ダイエットもあるのですが、
糖質制限ダイエットを実践している医師のコメントは、
必要量を制限するのでなく、摂りすぎを避けることが重要。
ハンバーガー、ポテト、コーラ、ラーメン、ライス、お酒など全てが炭水化物。(40歳代勤務医、一般外科)
完全に糖質をゼロにすると低血糖などの副作用があると思われるので、3割程度減らすことから始めると良いと思います。また運動も併用しないと筋肉がやせて、血糖値の低下が悪くなると思われます。(40歳代勤務医、代謝・内分泌内科)
スーパー糖質制限は勧めません。
夕食のみ制限、あるいは、炭水化物の重ね食いを避けることで十分な効果が期待できます。(60歳代開業医、呼吸器内科)
と、
- 制限するのではなく糖質の摂りすぎを抑える
- 3割程度の糖質制限
- 夕食でのみでの糖質制限
- 炭水化物の重ね食いを制限(ラーメン+ライス)
など、非常に参考になるコメントです。
スーパー糖質制限というのは、糖質制限の提唱者である江部康二医師の考えた糖質制限の中の一つです。
江部康二医師は、
3タイプの糖質制限から、
- プチ糖質制限食
- スタンダード糖質制限
- スパー糖質制限
自分の症状に合った糖質制限をするようにすすめているのです。
詳しく見る ⇒ スタンダード糖質制限食のやり方
上に詳しく書いていますが、
簡単に説明すると、
- プチ糖質制限食 : 朝昼夕の中から1食だけ糖質制限する
- スタンダード糖質制限 : 2食で糖質制限し、1食ではGI値の低い炭水化物
- スパー糖質制限 : 朝昼夕の3食で糖質制限する
という3つの糖質制限のタイプがあるのです。
糖質制限ダイエットでは、
- リバウンドが問題
- 長期間続けるのが困難
- 気持ちがイライラする
などの問題があるといわれますが、いずれも無理な糖質制限をするからなのです。
糖質制限ダイエットは理にかなった方法です。
日本糖尿病学会は2013年に、「2型糖尿病患者の糖質制限食は現時点ではすすめない」としていますが、
日本糖尿病学会の門脇孝理事長は、自身が糖質制限を実践し病院長を務める東大病院では40%の糖質制限を実施しているのです。
「(糖尿病学会の理事長ではなく)一人の糖尿病研究者として、糖質量を総摂取カロリーの4割以下に抑える糖質制限は、大いに推奨される」
これって、糖尿病患者が可愛そうですよね、、、
糖質制限ダイエットは、
糖質を制限するのではなく糖質の摂りすぎを抑えることだと考えてください。
- 朝食のパンを半分にする
- 夕食のご飯を半分にする
これで良いのです。
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