糖尿病を調理法でAGEを減らして予防

終末糖化産物といわれるAGEは、食品を焼いたり炒めたりすることによって発生します。

AGEは糖尿病の原因の一つとして挙げられており、

AGEはインスリン抵抗性、炎症、細胞ストレスを高めることが多くの研究で明らかになっています。

アメリカの研究グループは、

同じ食材でもAGEが発生しない調理法を行えば、インスリン抵抗性が低下し、糖尿病のリスクが低下する

との研究報告をしています。

調理法を変えただけで、糖尿病のリスクが低下する、、

ちょっと信じられないような話です。

今回明らかになった、

調理法を変えただけで、糖尿病のリスクが低下する

ということは、どういうことなのでしょうか?

 

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AGEが発生しない調理法は糖尿病のリスクを下げる

終末糖化産物といわれるAGEは糖尿病の原因だといわれていますが、

アメリカのマウント・サイナイ・アイカーン医科大学の研究グループは、

同じ食材でもAGEが発生しない調理法で料理すれば糖尿病のリスクが低下する

との研究論文を発表しました。

 

このサイトでも、「糖尿病ならAGEが多い食品を避けてください」とお知らせしていますが、どのような研究内容なのでしょうか?。

 

論文のタイトルと、サマリーは下記のようなものです。

 

Oral AGE restriction ameliorates insulin resistance in obese individuals with the metabolic syndrome: a randomised controlled trial.

Abstract
AIMS/HYPOTHESIS : We previously reported that obese individuals with the metabolic syndrome (at risk), compared with obese individuals without the metabolic syndrome (healthy obese), have elevated serum AGEs that strongly correlate with insulin resistance, oxidative stress and inflammation. We hypothesised that a diet low in AGEs (L-AGE) would improve components of the metabolic syndrome in obese individuals, confirming high AGEs as a new risk factor for the metabolic syndrome.

     詳しく読む ⇒ 原著論文(Diabetologia. 2016 Jul 29)

 

研究グループは、

一般的な西洋式の食事はAGE値が高いため2型糖尿病のリスクを高めでいるのではないか

と仮定して、この研究を行ったのですが、

対象者は100名とし、

  1. 50歳以上
  2. 胴囲が男性で102cm以上、女性で88cm以上
  3. 高血圧
  4. HDLコレステロール値が低い
  5. 中性脂肪値が高い
  6. 空腹時血糖値が高い

というメタボリックシンドロームのリスク因子を2つ以上を有していることを条件としました。

 

さらに、対象者を2群に分けたのです。

  1. AGEが通常の食事を摂取群 : 49人
  2. AGEが低い食事を摂取群  : 51人

 

「AGEが低い食事を摂取群」 では、

食事中のAGEの含有量を減らすため、

  1. 揚げる
  2. 焼く
  3. 炒める

などの調理方法をしないで、

  1. 茹でる
  2. 蒸す
  3. 煮る

などの調理法で食事を作るように指示しました。

具体的には、

  • 目玉焼き → ゆで卵
  • 鶏肉を焼く → 蒸し鶏にする
  • 牛ステーキ → シチュー

にするなど、

 日頃食べている食品の種類は変えずに調理法を変える

ようにし、摂取カロリーも以前と同じになるように指導したのです。

 

この調理法の変更を1年間続けた結果、

 

AGEが低い食事を摂取群では、

  1.  酸化ストレスや炎症に関与する全ての測定値が改善
  2.  インスリン抵抗性が改善
  3.  体重がやや減少

との効果が確認され、有害事象は全くなかったというのです。

 

研究グループでは、

 AGEが発生しない調理法ほど糖尿病のリスクが低くなる

と考えられると結論し、今後、さらに大規模な研究で再現する必要性があるとしています。

 


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AGEは糖尿病の原因の一つ

このサイトでも、「糖尿病ならAGEが多い食品を避けてください」とお知らせしていますが、AGEとはどのようなものなのでしょうか。

 

AGEは、Advanced Glycation End Products の略で、日本語では「糖化最終産物」 といわれます。

AGEは、

 蛋白質と糖が加熱されて作られます。

糖尿病を予防するには調理法でAGEを減らすことです

したがって、

美味しそうなキツネ色がAGEそのものなのです

 

調理法でAGEを減らせば糖尿病を予防できます

 

例えば、

  • 鶏の唐揚げ の AGE量は ゆでた鶏肉 の 10倍
  • フライドポテト の AGE量は ゆでたジャガイモ の 40倍以上

だといわれています。

AGEは老化の原因

どうしてAGEが体に良くないのかというと、

 

AGEは、体のサビともいわれ、

  1. 皮膚のシワを増やす
  2. 血管壁をボロボロにする
  3. 認知症やがんの原因

などが次第に明らかになっています。

また、

『老けたくなければファーストフードを食べるな』を著作している、糖尿病と血管合併症の原因物質としてAGEの研究をおこなっている久留米大学・医学部の山岸昌一教授は、

糖尿病ならAGEが多い食品を避けてください

と述べています。

 

AGEは体内でも作られる

AGEの多い食品を摂ると、次第に、体内にAGEが蓄積され、老化や様々な疾患の原因になるのですが、

AGEは体内でも作られ、糖尿病で高血糖が続くとAGEがたくさん作られてしうのです。

AGEは糖尿病の高血糖が原因です。

 

体内で作られるAGEの量は、

 AGEの量  = 高血糖値 × 持続時間

となるので、高血糖が長く続くと続くほど、AGEの量は増えてしまうのです、、、。

 

老化や様々な疾患を予防するには、AGEの摂取量を減らす必要があります。

また、

AGEは血管壁をボロボロにして糖尿病の合併症の原因ともなります。

 AGEは調理法でも減らすことができます。

 

AGEの含有量を減らすためには、

  1. 揚げる
  2. 焼く
  3. 炒める

よりも、

  1. 茹でる
  2. 蒸す
  3. 煮る

などの調理法で調理してください。

また、酢やレモン汁にはAGEの生成を抑える働きがありますから、揚げ物などにはレモン汁をかけたりすることも有効です。

 


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