妊娠前の運動習慣は妊娠糖尿病を予防する

今日もご覧になっていただきありがとうございます。

臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。

糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、

日本糖尿病学会厚生労働省も述べるように、

糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。

今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えいたします。

 

はじめに

ブロガーで作家のはあちゅうさんが7月9日に「妊娠糖尿病」と診断されたことを告白しています。

はあちゅうさんは現在妊娠8ヵ月。

妊娠前は血糖値など全く異常はなかったというのですが、

妊婦健診で血糖値を測定したところ200mg/dlという上限の140mg/dlを大幅に超えたというのです。

 

フィットネスで妊娠糖尿病を予防する

詳しく見る ⇒ はあちゅうさんのブログ

 

妊婦の10%がなるという妊娠糖尿病。

妊娠中の糖尿病は胎児にも悪影響を与えるのですがどうしたら予防できるのか?

 

アメリカでは妊婦の14%が妊娠糖尿病になるというのですが、

妊娠前の運動習慣は妊娠糖尿病を予防するというのです。

 

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妊娠糖尿病は胎児に悪影響を与える  

日本では10人に1人がなるという妊娠糖尿病。

妊娠糖尿病は、妊娠前には糖尿病ではなかった人が妊娠中に糖尿病になることです。

糖尿病だった人が妊娠した場合には「糖尿病合併妊娠」といい、妊娠糖尿病には含まれません。

 詳しく読む ⇒ 日本糖尿病学会

 

妊娠糖尿病では、

  • 流産
  • 形態異常
  • 巨大児
  • 胎児死亡

など胎児に重大な悪影響を与えることが分かっているのです。

 

妊娠糖尿病の診断

妊娠糖尿病の診断は、

空腹時の血糖値が92mg/dl以上の場合には妊娠糖尿病を疑い糖負荷試験を受けます。

糖負荷試験とは50gのブドウ糖を飲んだ後に血糖値を調べるのですが、

ブドウ糖は甘いサイダーのような溶液なので妊婦さんからは「サイダー検査」ともいわれています。

そして、

  • ブドウ糖を飲んで1時間後の血糖値が180mg/dl以上
  • ブドウ糖を飲んで2時間後の血糖値が153mg/dl以上

の場合には「妊娠糖尿病」と診断されるのです。

 

どうして妊娠糖尿病になるのか

どうして妊娠糖尿病になるのか?

妊娠糖尿病の詳しい原因はわかっていませんが、

胎盤から分泌されるホルモンがインスリンの働きを妨害するのではないかと考えられています。

 

女優の相沢まきさんも娠糖尿病になったことを告白してていますが、紺野あさ美さんも妊娠糖尿病の疑いだったといいます。

 

相沢まきさんの妊娠中の体重は、

相沢まきは妊娠8ヵ月ですが妊娠糖尿病と診断されてしまった

  • 妊娠5ヵ月で 7kg増加
  • 妊娠8ヵ月で 10kg増加

したと告白しており、妊娠中の体重の増加も妊娠糖尿病に影響しているのです。

 

妊娠糖尿病では妊娠高血圧症候群や羊水量の異常などが起こりやすくなり、

  1. 流産
  2. 胎児の形態異常
  3. 巨大児

など胎児に影響を与えるだけでなく、

分娩後も新生児の過体重や肥満のリスクが高まることが分かっています。

さらには、

妊娠糖尿病の女性は分娩後に糖尿病になるリスクが7倍位以上も高いといわれているのです。

 


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妊娠前の運動習慣は妊娠糖尿病を予防する

アメリカの疾病対策センターの調査では、アメリカの妊婦の14%が妊娠糖尿病になっていることが分かっています。

 

アメリカの研究グループは、

妊娠前に心肺持久力が高い女性は妊娠糖尿病になる可能性が低い

という研究報告を発表しました。

 

 

Pre-Pregnancy Fitness and Risk of Gestational Diabetes: A Longitudinal Analysis.

 

詳しく読む ⇒ 原著論文

 

心肺持久力とは、全身持久力とも呼ばれますが、心臓や肺の機能に依存する身体のスタミナや粘り強さのことです。

つまり心肺持久力とは「一定の運動を長く続けることができる体力や粘り強さ」のことです。

 

この研究では、

妊娠前に糖尿病に罹患していない女性1,333人を対象にし、

  • トレッドミルで心肺持久力を評価
  • 1日当たりの中強度以上の身体活動量
  • テレビの視聴時間

などを追跡調査したのです。

 

25年以上の追跡期間中に164人が妊娠糖尿病を発症したのですが、

心肺持久力が増えるごとに妊娠糖尿病リスクが低下する

ことが分かったのです。

 

研究グループは、

妊娠前から、

  • 早歩きなどの中強度運動
  • ジョギングなどの高強度運動

を、

  • 1回30分を週に5日(合計150分)行う

ことで心肺持久力を高めておくことが妊娠糖尿病の予防になると述べています。

 


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まとめ

妊娠前や妊娠中の運動は妊娠糖尿病を予防するだけでなく胎児の発育にも良い影響を与えるのです。

 

妊娠糖尿病を運動で予防するにはでもお知らせしたように、

妊娠糖尿病を予防するための運動は、

  • ウオーキング
  • 水中エアロ
  • 自転車こぎ
  • ヨガ

など、どんな運動でも良い効果を与えるのです。

妊娠してお腹が大きくなると動くのが億劫になるのですが、

妊娠前から運動習慣をつけてください。

 

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