糖尿病にコーヒーは悪いのか?
コーヒーや緑茶は糖尿病の血糖値を下げる作用があることが知られている。
このサイトでも、コーヒーは糖尿病の予防に良いと紹介してきました。
しかし、、、HealthDay Newsに、
カフェイン含量に飲み物は糖尿病のリスクを高める
と発表されたのです。
その真偽は、、、
コーヒーは糖尿病の予防に良い
ネットで検索してみますと、
- コーヒーは糖尿病に良くない
- コーヒーは糖尿病に良い
と、果たしてコーヒは糖尿病に良いのか悪いのか、、、
そこで、このサイトでもいろいろ調べたのですが、既にご紹介しているように、
- 緑茶のカテキンやコーヒーのクロロゲン酸には血圧を調節する作用がある
- カフェインには血管保護作用がある
という研究報告があることや、
- ギリシャのハロコッピオ大学の研究ではコーヒーは糖尿病のリスクを下げる
- アメリカのハーバード大学の研究ではコーヒーは糖尿病のリスクを下げる
という疫学調査の結果から、
- コーヒーは糖尿病のリスクを低下させる
とお伝えしました。
詳しく見る ⇒ コーヒーは糖尿病の予防に良い
さらに、コーヒーの糖尿病予防効果については、
ハーバード大学のシルバブパシラジュ教授らが、
- コーヒーのカフェイン、ポリフェノール、マグネシウムが糖尿病を抑える
と発表していることもご紹介しました。
詳しく見る ⇒ 緑茶やコーヒーは糖尿病の血糖値を下げる
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コーヒーは糖尿病に悪いのか?
ところが、、、
2015年12月3日のHealthDay Newsに、
「カフェイン含有の栄養ドリンクで糖尿病リスクが上昇」とのニュースが掲載されました。
⇒ Could Energy Drink ‘Shots’ Raise Teens’ Diabetes Risk?
HealthDay Newsはアメリカの医療関連情報の配信サービスで信頼性の高いものです。
この研究は、カナダ、カルガリー大学糖尿病研究所のグループが発表したもので、若者がフェイン含有の栄養ドリンクを摂取するとインスリン抵抗性や血糖値が上昇し、糖尿病のリスクが高くなるというののです。
研究では、米国で販売されている5-hour Energyという栄養ドリンクを飲ませて比較しました。
13~19歳の若年者20人を対象に、
- カフェイン入りの5-hour Energyを飲む群
- カフェイン抜きの5-hour Energyを飲む群
に分けて、
- 摂取後40分に経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)を実施
したのです。
その結果、
カフェイン入りの5-hour Energyを飲んだ群ではカフェイン抜きの群に比べて
- 血糖値が24.6%上昇
- インスリン値が26.4%上昇
したというのです。
研究グループは、
- 血糖値やインスリン値の上昇は栄養ドリンク中のカフェインに起因する
- カフェインの血中半減期は4~6時間なので血糖値とインスリン値の上昇は長時間続く
- カフェイン入りの栄養ドリンクの飲用は糖尿病発症に影響する可能性がある
と述べています。
この研究は、カナダのバンクーバーで開かれた国際糖尿病連合(IDF)世界会議2015で発表されたものですが、カナダ糖尿病協会のJan Hux 氏は、
- インスリン分泌にも関わらず血糖値が低下しなかったことが問題
- 栄養ドリンクのカフェインがインスリン抵抗性を引き起こしている可能性がある
- インスリン抵抗性の上昇は糖尿病の初期段階だ
とコメントしているようです。
5-hour ENERGY
この発表に対して、アメリカの飲料協会は、
「カフェインの安全性は確立されている。ほとんどの栄養ドリンクのカフェイン含有量は、同じ容量のコーヒーよりも少ない」
と反論しているそうですが、5-hour Energyは日本では眼にしない飲み物です。
私はアメリカで飲んだことがあるのですが、来年2月からコロラドに1ヵ月滞在しますので、また、飲んでみましょう。
5-hour Energyは栄養ドリンク
5-hour Energyというのは清涼飲料水とは違って、栄養ドリンクです。
詳しく見る ⇒ 5-hour ENERGY
The key ingredients in 5-hour ENERGY® are also available in every day foods – like broccoli, avocados, bananas and apples – or already in you. It contains zero sugar, four calories and as much caffeine as a cup of the leading premium coffee.
ブロッコリーやバナナやリンゴなどの栄養素を摂ることができると言っていますが、
内容は、
- Niacin(ナイアシン:ビタミンB3)
- Vitamin B6(ビタミンB6)
- Folic Acid(葉酸:ビタミンB9)
- Vitamin B12(ビタミンB12)
- Energy Blend(タウリン、グルクロン酸、リンゴ酸、アミノ酸、カフェインなど)
で、要するに、日本で言えば「リポビタンD」のようなものです。
ただ、1ボトルのビタミンの含有量は、1日当たりのビタミン推奨摂取量の8333%と、2ヵ月以上のビタミンB12が含まれています。
5-hour Energyのサイトには、「いずれの値も安全範囲内」と記載されていますが、
飲み方としては、
RECOMMENDED USE:
Take one half (1/2) bottle for moderate energy. Take one whole bottle for maximum energy. Do not exceed two bottles of 5-hour ENERGY® shots daily, consumed several hours apart. Use or discard any remainder within 72 hours (three days) after opening. Refrigeration not required.
と書いてあり、
- 通常のエネルギー補給の時には半分
- フルパワーが欲しいときには1本
- 1日に2本を飲んではダメ
だそうです。
しかしながら、、、、
2012年には、5-hour ENERGYを飲んだ92人が体調不良を訴え33人が入院、その内の13人が死亡するという事故(?)が起きています。
厚労省に相当するFDAでは、「直接の原因が5-hour ENERGYだとは言えない」との見解を出しているのですが、「Monster Energy」という栄養ドリンクを飲んだ人で5人が死亡、1人が心臓発作という事故()も起きており、栄養剤の大量摂取には注意すべきなのでしょう。
コーヒーは糖尿病に良い
少し話が横道にそれてしまいましたが、
今回の、「カフェイン含有の栄養ドリンクで糖尿病リスクが上昇させる」という発表については、
ビタミンが高濃度に含まれている栄養ドリンクによる研究
日本では販売されていない栄養ドリンク
だということで、
本サイトでは、
- 適量のコーヒー摂取は糖尿病のリスクを低下させる
という結論にさせていただきたいと思います。
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