カモミールティーは糖尿病の血糖値を下げる
カモミールティーはお好きですか?
カモミールティーは糖尿病の高血糖を改善する
という論文が発表されました。
カモミールティーを毎食後、2ヵ月間飲んだらHbA1cが改善したそうです。
血糖値が気になるあなたも、これならできるのではないでしょうか、、
カモミールティーが糖尿病の高血糖を改善
カモミールティーはハーブティーとして私達に親しみのあるハーブティーですが、なんと、糖尿病の高血糖改善効果があるというのです。
この研究は、アメリカの栄養学の学術専門誌であるNutrition誌に掲載されました。
Chamomile tea improves glycemic indices and antioxidants status in patients with type 2 diabetes mellitus.
詳しく見る ⇒Nutrition. 2015 Aug 14
この研究では、
2型糖尿病患者64人を対象に、
- カモミールティーを飲む群
- 対照群
にわけ、
カモミールティーを飲む群では、
- 1日3回、毎食後に
- 150mlのカモミールティー
- 8週間
飲んでもらったのです。
その結果、
カモミールティーを飲んだ群では、
- HbA1c値
- 血清インスリン値
- インスリン抵抗性
の全ての項目で改善が見られたのです。
論文では、今回の実験からは、カモミールティーが糖尿病の指標を改善した機序までは明らかでない、としていますが、カモミールティーを毎食後2ヵ月間飲んだだけで血糖値が改善できたとは驚く結果です。
糖尿病の血糖値に良いカモミールとは
カモミールティーは良く聞くのですが、カモミールとはどんなものなのでしょう。
カモミールは、ヨーロッパから西アジアにかけて分布し、草丈60cmくらいになるキク科の1種の耐寒性の一年草です。
カモミールの語源は、大地のリンゴという意味のギリシア語・カマイメーロンに由来するように、カモミールは青リンゴのような甘い香りがしますが、ローマン種のほうが少し苦味のあるシャープな香りがします。
ジャーマン・カモミールとローマン・カモミールの違い
カモミールにはいくつかの種類がありますが、ハーブとして利用されているのは、ジャーマン・カモミールとローマン・カモミールです。
ジャーマン・カモミールもローマン・カモミール、どちらもリンゴのような芳香を持ち、ティーやハーブバス、ポプリに用いられますが、カモミールティーとしてはジャーマン・カモミールの方が多いようです。
- ジャーマン・カモミール : 1、2年草
- ローマン・カモミール : 多年草
- ジャーマン・カモミール : 香りは花だけ
- ローマンカ・モミール : 花や茎葉も香る
- ジャーマン・カモミール : 炎症を鎮めるカマズレン(アズレン)成分あり
- ローマン・カモミール : カマズレン成分なし
カモミールの効果
ヨーロッパやアラビアでは古くから利用され、ハーブ処方の古典であるバンクスの本草書には、肝臓痛、頭痛、偏頭痛などに効能があり、ワインと共に飲むと良いと書かれているそうです。
また、欧州では、伝統的医薬品(Traditional Herbal Medicinal Products (THMPD))としても規定されています。
カモミールの効果とは、
- 不眠
- 抗ストレス
- 消化促進
- 神経性の便秘や下痢、腹痛
- 生理痛の緩和
- ノドや鼻の炎症
- 口内炎
- 眼精疲労
- 乾燥肌
などと言われており、ハーブティーには気持ちをリフレッシュしたりリラックスさせする、精神鎮静作用の他に、
- 精神鎮静作用
- デトックス効果
- 整腸作用
- 肝機能の回復
- 美肌効果等
などの効果が証明されています。
カモミールと同じキク科である除虫菊は蚊取り線香で有名ですが、カモミールも近くの植物を健康にするコンパニオンプランツとして利用されており、キャベツやタマネギの側に植えて害虫予防にしたり、カモミールの浸出液は苗木の立ち枯れ病を予防するとして園芸家に使われています。
ハーブティーや入浴剤として使用した後のカモミールを土に埋め込んでも効果が期待出来るそうですから、家庭菜園で試してみたらいかがでしょうか。
カモミールティーの糖尿病の血糖値に対する効果
今回は、Nutrition誌に発表されて論文を紹介しましたが、カモミールティーが糖尿病に良いということは日本の科学者によっても報告されています。
富山大学附属病院薬剤部の加藤敦准教授のらのグループは、2008年に日本薬学会で、
ネズミにカモミールエキスを与えると血糖が低下し糖尿病の合併症の発症に関係する酵素の働きを低下させる、という研究報告を発表しています。
詳しく見る ⇒ カモミールティーで糖尿病合併症を予防できる:日本薬学会年会要旨集
この実験では、
マウスに、カモミールエキスを与えると
- 血糖値が顕著に低下
- 肝臓グリコーゲン値が増加
することから、「カモミールは肝臓での糖新生が妨害する」ことが明らかになったのです。
さらに、
カモミールエキスを与えると、
- アルドース・レダクターゼ活性が低下する
ということも分かりました。
糖尿病になると、血糖値の増加にしたがって、アルドース・レダクターゼ活性が上がるのですが、アルドース・レダクターゼは血糖をソルビットという糖アルコールに変換させるるのですが、ソルビットは目や神経細胞に過剰に蓄積されて糖尿病の合併症の原因になるので、カモミールによるアルドース・レダクターゼ活性の抑制は糖尿病性神経症や糖尿病網膜症の予防につながるのです。
さらに、カモミールの主要成分であるケルセチン、ルテオリン、エスクレチン、ウンベリフェロンなどは赤血球のソルビット蓄積をも抑制することが明らかになりました。
さらには、カモミールティーに多く含まれるカマメロサイドという成分は、糖尿病などの生活習慣病や老化の原因になっているAGEs(終末糖化産物)の生成を抑制する作用もあります。
詳しく見る ⇒ AGEは糖尿病の高血糖が原因です
糖尿病の血糖値を下げるカモミールティーの飲み方
今回ご紹介した論文では、毎食後にカモミールティーを飲んでいましたが、糖尿病対策としては食前に飲むことがより効果的だと思われます。
食前にカモミールティーを飲むことにより、食事の急激な血糖値の上昇を防ぐ事ができるからです。
糖尿病の予防では、食後高血糖を出来るだけ抑えることが重要だからです。
しかし、食事中でも、そして今回の論文では食後でも効果が確認されていますから、お好きな飲み方でOKだと思います。
また、精神鎮静作用も確認されていますから、就寝前に飲むことによりグッスリと質の高い睡眠をとることも期待出来るでしょう。
お薦めの飲み方は、
ドライハーブで一人分(150cc)ティスプーン山盛り1杯
- 食前や食後にはペパーミントとブレンドして、、
- 就寝前にはレモンバーム、ラベンダーとブレンドして。、、
- 寒い季節には風邪の予防にローズヒップ、エルダーフラワーとブレンドして、、
簡単なことですから、早速、今日から実行して下さい。
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