糖尿病の合併症で足切断は年間2万人
今日もご覧になっていただきありありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。
糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、
糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。
今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えいたします。
はじめに
糖尿病で足を切断する人が年間2万人もいるのです。
糖尿病の合併症といえば、
- 神経障害
- 糖尿病網膜症
- 糖尿病性腎症
で、足切断とは結びつかないのですが、
糖尿病の合併症で足の切断をする人が増えているのです。
糖尿病で足切断?と思われるでしょうが、毎年2万人もいるのです。
糖尿病合併症の神経障害で足の知覚を失うために足の傷に気づかず、糖尿病の合併症による血行障害で傷の治りも悪く、
さらに、糖尿病による免疫機能の低下で傷が悪化してしまうのです、、、
そんなことが重なり敗血症を防ぐためについには足切断に至ってしまうのです、、、、。
糖尿病合併症で毎年2万人が足切断
元米セントルイスで活躍し、メジャー歴代2位の938盗塁を記録した名外野手のルー・ブロック氏が糖尿病の合併症によって左足の膝から下を切断したとのニュースがありました。
国内でも糖尿病の足壊疽が原因で下肢を切断した人では演歌歌手の村田英雄さんが有名です。
詳しく見る ⇒ 糖尿病の「しめじ」と「えのき」とは
糖尿病で下肢切断?
他人事のように感じるかも知れませんが、
国内で糖尿病が原因で下肢を切断する人は毎年20,000人もいるのです。
糖尿病合併症による下肢切断の原因は足の壊疽です。
足切断は糖尿病の合併症
糖尿病の合併症は、
- 糖尿病性神経障害
- 糖尿病網膜症
- 糖尿病腎症
が、三大合併症といわれますが、いずれも糖尿病の高血糖による血管障害が原因です。
糖尿病による足切断の原因
糖尿病三大合併症はいずれも血管障害が原因ですが、足切断も高血糖による血管障害が原因です。
糖尿病による高血糖で、体の全ての血管壁が傷害されますが、手足の末端の血管が傷害され、血行不良が起きると神経細胞に酸素や栄養の供給が悪くなり、ジンジンしたりシビレたりする症状が見られます。
さらに、足先などに小さな傷や、靴ずれ、巻き爪、たこなど、健康人では何でもない、ささいな足のトラブルがなかなか治らずに潰瘍化してしまうのです。
糖尿病では免疫力も低下して、潰瘍はさらに悪化して足の細胞が死んでしまいます。これが、糖尿病壊疽(えそ)です。
潰瘍が進み、悪化したのが壊疽で潰瘍の末期症状です。
壊疽になってしまうと、毒素が全身に回って死に至ってしまうため、生命を救うためにやむを得ず切断手術を行うしか方法がないのです。
日本で初めて、足専門のクリニック「足の診療所」を2013年4月に東京の表参道に開院した桑原靖医師によると、世界30秒に1本の脚が糖尿病のために切られており、日本では糖尿病による下肢の切断者が年間2万人もいるそうです。
足切断の予後は不良
そんなに足切断の患者がいても我々が意外と知らないのですが、足切断の予後が悪く、
術後30日以内に死亡する割合は、
- ヒザ下切断で5~8%
- ヒザ上切断で8~12%
と、10人に1人は術後30月以内に死亡しているからです。
手術自体は完璧に出来ても、糖尿病合併症である足壊疽を起こす患者では、
全身状態が悪い
感染を起こしやすい
傷の治りが悪い
という悪条件が重なり、死に至ってしまうのです。
Sponsored Link
糖尿病合併症で足切断を防ぐには
糖尿病が進み、糖尿病神経障害になると、最初は痺れたりジンジンする程度です。
さらに進行すると、足の感覚がなくなり、画びょうを踏んでも痛みに気づきかなくなります。
そうなると、靴ずれが起きても、小さな傷が出来ても気づがず、感覚がなくなるために、自分で過剰に靴ひもをきつく締めて血行が悪くなっていることさえ気付かなくなってしまいます。
そして放置された靴ずれや巻き爪などの健康人では何でもないの傷から細菌が感染し、それが足の潰瘍や壊疽を引き起こし、治療が遅れると切断につながってしまうのです。
下肢切断を減らす方策
下肢切断を防ぐ方法は二つあります。
- 糖尿病(高血糖)を治すこと
- 小さな足のトラブルを早い段階で治療すること
です。
足切断による元々の原因は糖尿病による高血糖です。
高血糖が血管壁を傷害して様々な合併症を引き起こしているのですから、高血糖を改善することが第一なのです。
詳しく見る ⇒ 糖尿病の副作用は高血糖による血管障害です
その次が、些細な足の傷を見逃さないことです。
健康な人では何でもない、足先の小さな傷、靴ずれ、巻き爪、たこ、などが糖尿病の人では治らず、感染を引き起こしやすく、足の潰瘍や壊疽になってしまうのです。
糖尿病なら今すぐ食事療法を
渡部又兵衛(わたべまたべえ)さんは、コント集団「ザ・ニュースペーパー」のリーダーです。
渡部さんは糖尿病を悪化させ、2008年に左足を切断し、今は義足をつけて舞台やテレビに出演してみますからご覧になったかとも有るかと思います。
さらに、糖尿病腎症も患い、週3回、人工透析をしながら活動しているのですが、「もっと多くの人に糖尿病を知ってもらいたい」と本を出版しています。
本の中で渡部さんは、
糖尿って表には出にくい病気なんですよね、、、。
親が薬を送ってきても、飲んだことはなかったし、劇団にいたときは、全国を旅から旅。
そして酒、、、という日々を過ごしていましたが、若かったから体調を気にするようなことはありませんでした。
30代後半に糖尿病だと診断はされていたものの、薬も飲まないままで2、3年放置し、気付いたときにはもう糖尿病の末期。
医者には、このままでは命も危ういといわれ、人工透析も始めたのですが、その3年後に足を切ることになってしまったんです。
と述べています。
渡部さんは、透析で障害者1級、足切断で4級、合わせて5級だそうです、、、。
Sponsored Link
足切断を防ぐのは糖尿病の食事療法
糖尿病の足切断を防ぐには、高血糖を改善することです。
糖尿病の食事療法というと病人食だと思われるでしょうが、糖尿病の食事療法は健康食、長寿食です。
血糖値を上げるのは炭水化物だけ
血糖値を上げているのは炭水化物だけです。
肉を食べても魚を食べても血糖値は上がりません。
血糖値を下げるには、炭水化物を減らせば良いのです。
炭水化物を減らすというと、「主食を食べない」、「糖質ゼロ」を思い浮かべるかも知れませんが、そんなに極端なことをする必要はないのです。
- 朝食のパンを半分にする
- 夕食のご飯を半分にする
これだけで良いのです。
詳しく見る ⇒ スタンダード糖質制限食のやり方
血糖値が高いということは、
炭水化物の摂り過ぎが原因なのです。
あなたの炭水化物摂取を少し減らしてみて下さい。
関連記事(一部広告を含む)