ウエアラブル端末の進歩で血糖値の管理は大きく変わる

今日もご覧になっていただきありがとうございます。

臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。

糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、

日本糖尿病学会厚生労働省も述べるように、

糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。

今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝へします。

 

はじめに

1月14日から「ウエアラブル EXPO」が始まりましたが、ウエアラブル端末は急速な進歩を見せており、

血糖管理でもウエアラブル・デバイスの開発が進んでいます

ウエアラブル端末の開発で、血糖管理はどのように変わるのでしょうか。

 

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ウエアラブル・デバイスって何?

ウエアラブル・デバイスとは、“wearable”、“身につけられる”、“着用できる” コンピューターのことで、日本語で言えば、「装着型端末」ですね。

写真では、こんな感じの装置ですが、見たことあるでしょう?

 

糖尿病のウエアラブル・デバイス

その最先端技術の展示会が開始されたのですね。

 

第1回 ウエアラブル EXOP
会期: 2015年1月14日[水]~16日[金] 10:00~18:00(最終日は17:00終了)
会場:東京ビッグサイト / 主催:リード エグジビション ジャパン株式会社

数年前までは、SF映画の世界でしたが、急速に開発が進み、後数年でスマートフォーンと置き換わるのではないかとまでいわれています。

さらに、スマートフォーンのようないわゆる超小型コンピューターやカメラとしての働きだけでなく、直接身につけるものであることから、私達の生体機能のモニターとしての機能が期待されているのですね。

既にiPhoneでは睡眠や血圧などをモニターできるようになりましたが、もっともっと進歩するのでしょう。

 


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 糖尿病領域で期待されるウエアラブル端末は血糖値の測定

糖尿病では病状の管理のためには血糖値の測定が必須です。

米国の糖尿病患者は2,900万人に達し、経済負担は2012年には既に年に2,450億ドルと、5年間で41%も増加しているのですが、グローバルデータの調査によると、世界の血糖値測定市場は2017年までに120億ドル(約1兆2,200億円)を超える市場規模にまで拡大すると見られています。

糖尿病患者では、最大で毎日10回血糖値をモニターする必要があるのですが、現在は、指先を微少な針で刺して採血することが必要です。

採血をしないで血糖値を測定する方法として、電気や超音波を用いて皮膚の上から調べたり、皮膚に光を照射して分光器で測定する方法なども考えられているのですが、まだ実用化には至っていないのです。

非観血的血糖測定機を開発すれば莫大な利益を得られるといわれていますが、なかなか難しい問題があるのです。

 

血糖値管理のスマートコンタクトレンズ

Googleが開発した血糖値が測定できるというスマートコンタクトレンズは非常に期待が持てるウエアラブル端末です。

コンタクトレンズは2層になっており、その間には小さなワイヤレスチップとグルコースセンサーを内蔵しており、グルコースセンサーは1秒毎に涙の中のグルコース濃度を計測し、この値から血糖値を推測するのだそうだ。

 

血糖管理のコンタクトレンズ 血糖測定のスマートコンタクト

 

2014年7月には、糖尿病治療薬などを開発する大手製薬会社・ノバルティスと共同開発の契約を結び、現在、FDA(食品医薬品局)に申請中だというから、具体的に糖尿病患者に装着される日も近いものと思われる。

Novartis to license Google “smart lens” technology(July 15, 2014 )

Innovative technology offers potential to transform eye care and further enhance Alcon’s leadership in contact lenses and intraocular lenses
Agreement is a first step for Novartis to evolve technology to manage human diseases and conditions
The digital press release with multimedia content can be accessed here:

Basel, Switzerland, July 15, 2014 – Novartis announced that its eye care division Alcon has entered into an agreement with a division of Google Inc. to in-license its “smart lens” technology for all ocular medical uses. The agreement with Google[x], a team within Google that is devoted to finding new solutions to big global problems, provides Alcon with the opportunity to develop and commercialize Google’s “smart lens” technology with the potential to transform eye care and further enhance Alcon’s pipeline and global leadership in contact lenses and intraocular lenses. The transaction remains subject to anti-trust approvals.

 


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Appleの血糖値管理システム

Appleはウエアラブル端末であるiWatchを開発中で、2014年の秋に発売だといわれていたのですが、現在は量産を前にアメリカのFDA(食品医薬品局)の認可を待っている状態だそうです。

iWatchには、心拍数や血圧、血糖値やApple社独自の汗を分析するセンサーなど10種類以上の健康管理ができるセンサーが搭載されるようで、価格は349ドルとのことですが、なかなか全容が明らかになりません。

 

AppleのiWatchで血糖管理

 

iWatchには血糖値測定センサーが搭載されるようで、Appleは血糖値測定の光センサーの開発に成功したとのべているのですが、測定結果が不安定という噂もあり、概要も不明なのですが、是非着けて貰いたいものですね。

 

ジョンソン・エンド・ジョンソンの血糖値モニタリングシステム

ジョンソン・エンド・ジョンソンは世界第2位の医薬ヘルスケアの会社ですが、グループ会社のLifeScan社は、iPhoneアプリで記録出来る血糖値モニタリングシステム「OneTouch VerioSync System」を29.99ドルで発売開始しました。

微細な穿刺針で指先から採血し、測定器のセンサー部分に血液をつけると血糖値が測定され、データーはBluetoothで接続されたiPhoneに送られ、iPhone/iPadアプリの「OneTouch Reveal」に測定結果が記録されて管理することができるのだそうです。

 

ジョンソン&ジョンソン血糖管理

 

血糖測定機のセンサーを開発しているライフスキャン事業部は、大手IT企業が携帯電話端末に血糖値測定機能を搭載したいと考えていると述べ、

一方、米食品医薬品局(FDA)の関係者もモバイル端末と血糖値検出機能は「最高の組み合わせ」だと話していることから、、

ジョンソン・エンド・ジョンソンでも採血をしない血糖測定法や、それらとモバイルとの連携を視野に入れているとみられている。

 

ウエアラブル機器の開発により血糖測定や糖尿病の管理は一段と利便性が向上すると思われますが、

 

血糖値を下げることができるのは、

あなたの食事療法だけだということを忘れないでください。

 

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