糖質制限食は糖尿病患者の死亡率を低下させる
今日もご覧になっていただきありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。
糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、
糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。
今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝へします。
はじめに
血糖値が高いヒトで炭水化物の量を減らす糖質制限食が勧められています。
血糖値を上げるのは炭水化物だからです。
糖質制限で血糖値は下がりますが、
アメリカの研究グループは、
心血管疾患や癌の罹患が減り全死亡率が低下する
と言う研究論文を発表しました。
糖質制限では癌や死亡率が低下する
アメリカのハーバード公衆衛生大学の研究グループは、
低炭水化物食は糖尿病患者の死亡リスクを低下する
という研究論文を発表しました。
Low-Carbohydrate Diet Scores and Mortality Among Adults With Incident Type 2 Diabetes
詳しく見る ⇒ 原著論文(Diabetes Care)
研究グループは、
看護師や医療従事者の健康調査に参加した糖尿病患者計10,101人を対象に、
- 炭水化物摂取量などの食事内容
- 運動などの生活スタイル
- 死亡率
について34年間にわたって追跡調査したのです。
その結果、
- 低炭水化物食では全死因リスクは24%減少した
ということが明らかになったのです。
この傾向は、
- 野菜、全粒穀物、大豆・マメ類・ナッツや果物などの植物性食品
- 食物繊維が豊富に含まれる精製されていない穀物
を中心とした低炭水化物食を続けていたヒトで顕著で、
- 心血管疾患
- 癌による死亡
のリスクが低い傾向にあったということです。
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血糖値を上げるのは炭水化物だけ
このサイトでは何回もお話ししてきたように、
血糖値を上げるのは炭水化物だけなのです。
ご飯(白米)を食べると血糖値は急激に上がりますが、
焼き肉を食べても血糖値は上がりません。
血糖とは血液中のブドウ糖のことで、
血液中のブドウ糖は炭水化物が消化されることによって作り出されるのです。
ですから、
炭水化物を減らすことは理にかなったことなのです。
先の論文の著者は、
炭水化物を制限するだけでなく、
- 運動を習慣とする
- アルコールを飲み過ぎない
- タバコを吸わない
など、さまざまな健康的な要素を組み合わせることで、高い健康効果が期待できる
と述べています。
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まとめ
アメリカのハーバード大学の研究グループは「炭水化物食の摂取を制限した糖尿病患者では心血管疾患や癌の発生が少なく全死亡率が低下した」との論文を発表しました。
国内でも1食で摂取する糖質をオニギリ1個程度の20~40gにする低糖質の食事法が薦められていますが、血糖値が気になるヒトは炭水化物の量を減らしたらいかがでしょうか。
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