糖尿病はヨーグルトで予防できるのか?

今日もご覧になっていただきありがとうございます。

臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。

糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、

日本糖尿病学会厚生労働省も述べるように、

糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。

今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝へします。

 

はじめに

Webや本などを見れば「〇〇は糖尿病に良い」というような記事がたくさん見つかります。

糖尿病に良いという食べ物はたくさん見つかるのですが、

エビデンスともいわれる科学的根拠がしっかりした「糖尿病に良い食べ物」は意外に少ないのです。

 

以前に、

ヨーグルトは糖尿病の予防に効果がある

 

食後高血糖を下げるおすすめは食前のヨーグルトです

 

という記事を書きました。

以前にご紹介したのはハーバード大学の研究グループによる研究報告でしたが、

 

新たに、

イギリスの研究グループも積極的にヨーグルトを食べると糖尿病のリスクを低下できる

という研究成果を発表しています。

 

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ヨーグルトを食べると糖尿病の予防になる

ハーバード公衆衛生大学院は、1913年にハーバード大学とマサチューセッツ工科大学(MIT)の共同プログラムとして始まった、アメリカ最古の公衆衛生大学院の一つですが、

その栄養学部の研究グループは、

 

10万人以上のアメリカ人を対象に、

「ヨーグルト摂取と健康状態」についてのアンケート調査を、

2年毎に行う追跡調査を実施しました。

その結果、

 ヨーグルトを毎日食べている人では糖尿病発症のリスクが18%低減する

という結果が得られと発表しました。

 

これは以前に「ヨーグルトは糖尿病の予防に効果がある」という記事でご紹介したのですが、

今回ご紹介するのは、

イギリスのケンブリッジ大学の研究グループの研究報告で、

週に4~5回、ヨーグルトや低脂肪の乳製品を食べると糖尿病のリスクを低下できる

という論文です。

 

Dietary dairy product intake and incident type 2 diabetes: a prospective study using dietary data from a 7-day food diary

 詳しく見る ⇒ Diabetologia 

 

 

研究グループは、

  • 成人男女3,500人について、
  • 食事と糖尿病の発症との関連を、
  • 11年間追跡調査

したのです。

 

その中で、

低脂肪の乳製品の種類と糖尿病の発症を分析したところ、

  ヨーグルトを食べていた人では糖尿病リスクが28%低減した

ことが判明したのです。

 

糖尿病のリスクを低下させた乳製品は低脂肪のヨーグルトやチーズで、

牛乳や高脂肪のチーズなどでは糖尿病リスク低減効果はみられなかったとしています。

 

 

 

ヨーグルトの栄養成分

(無糖ヨーグルト 100g)

  • 蛋白質  : 3.6g
  • 脂質   : 3.0g
  • 炭水化物 : 4.9g
  • Ca    : 120mg
  • カロリー : 62kcal

 

研究グループは、

低脂肪のヨーグルトやチーズは糖尿病のリスクを低下させることが確かめられたが、

  • 糖分を加えてあったり、
  • 脂肪分が多い

という乳製品ではそのような効果は期待できないので注意が必要だ、と述べています。

 

さらに、

間食として「ポテトチップやスナックの代わりにヨーグルト」を食べていた人では、

糖尿病のリスクが47%低下しており、

「間食のスナックをヨーグルトに置き換えるだけで糖尿病のリスクを下げる」とアドバイスしています。

 


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ヨーグルトには食後高血糖を抑える可能性がある

ではどうしてヨーグルトが糖尿病のリスクを低下させたのでしょうか?

前回ご紹介したハーバード大学院の研究グループのフー教授は、

 

ヨーグルトには、カルシウムやマグネシウム、ビタミンDなどの栄養素や、乳清タンパクなどの栄養成分が含まれているが、

乳清タンパクには、インスリンの分泌を刺激するGLP-1というインクレチンが含まれていることから、

インスリン分泌が促進されて食後の血糖値の上昇が抑えられ糖尿病のリスクを低減させた可能性があると述べています。

 

最近、プロバイオティクスという言葉を良く耳にしませんか?

プロテオバイオテクスというのは、ヨーグルトなどに含まれるビフィズス菌などの乳酸菌をプロバイオティクスと言うのです。

 

プロバイオティクスには、

  1. 整腸作用
  2. 腸内の有害物質の産生を抑える
  3. 血中コレステロールなどを改善する

などの体に良い効果があり、

ヨーグルトのこうした効果が、糖尿病のリスクを低下しているのではないかとも推察されています。

 

さらに、

プロバイオティクスはうつ病を緩和する作用もあると報告されています。

 

これは、「脳腸相関」といわれ、

マイクロバイオームといわれる腸内にいる細菌がうつ病などの精神疾患の改善に役立つとして注目されているのです。

 


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まとめ

糖尿病に良いと言われる食べ物はたくさんありますが、科学的根拠があるものは意外と少ないのですが、

ヨーグルトに糖尿病のリスクを低減する効果があることはアメリカやイギリスの大規模疫学調査で立証されています。

間食をスナックからヨーグルトに替えるだけでも糖尿病のリスクは47%低下したと報告されています。

ただし、効果があるのは低脂質のプレーンヨーグルトで、

酸っぱいからといってジャムや蜂蜜をのせたりしたら逆効果ですからご注意を。

 

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