新型コロナワクチンは糖尿病の優先接種まで足りるのか?

今日もご覧になっていただきありがとうございます。

臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。

糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、

日本糖尿病学会厚生労働省も述べるように、

糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。

今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝へします。

 

はじめに

来月から、新型コロナのワクチン接種が始まります。

糖尿病などの基礎疾患のある人では優先接種が受けられることは昨日お伝えしたように、

当初の予定から遅れるようです。

 詳しく見る ⇒ 糖尿病患者への新型コロナワクチンの接種は遅れる見込み

 

糖尿病の新型コロナワクチン接種

 

そこで心配になってくるのが、

ワクチンは足りているのか?

ということです。

今日は優先接種が受けられる糖尿病患者までワクチンが足りているのか?を調べてみました。

 

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優先接種を受けられる糖尿病

昨日お伝えしたように、2月からワクチン接種が始まりますが、

当初の計画より遅れているようです。

 

厚生労働省は市町村への新型コロナワクチン接種説明会において、

ワクチン接種の優先順位と接種時期を、

  1.  2月末    : 医療従事者先行接種(1~2万人)
  2.  3月中旬めど : その他の医療従事者(370万人)
  3.  3月下旬か4月  : 65歳以上の高齢者(3,600万人)
  4.  その次     : 基礎疾患のある人(820万人)

と伝えていました。

 

  詳しく見る ⇒ 厚労省・ワクチン優先接種の検討案

 

しかし、

1月27日に河野行政改革担当大臣は、

高齢者への接種開始は早くても4月以降になる

4月1日にスタートして2ヵ月と3週間、完了するのは6月第3週

と当初の計画を修正しました。

 

 

その後の「基礎疾患のあるもの」や「その他の一般人」については、

ソコはまだ分からない

と語っており、

糖尿病などの基礎疾患がある人へのワクチン接種は早くても7月以降になる模様なのです。

 

優先的にワクチン接種が受けられる人数は?

優先接種される糖尿病などの基礎疾患をもつ対象者はどれくらいの数なのでしょうか?

 

糖尿病であっても65歳以上であれば「高齢者」として優先的にワクチン接種されますから、

糖尿病患者の優先順位は2つに分けられ、

  • 65歳以上の糖尿病 : 高齢者として4月からワクチン接種開始
  • 65歳未満の糖尿病 : 基礎疾患として7月頃からワクチン接種開始

ということになります。

 

糖尿病を含めて、65歳以下の基礎疾患を有する者の数は、

[年齢が20~64歳で基礎疾患を有する者]

  • 入院患者 : 数10万人(平成29年患者調査)
  • 外来患者 : 540万人(令和元年国民生活基礎調査)
  • 肥満患者 :(BMI30以上):260万人(内閣府)

となり、合計で約820万人が見積られています。

 

従って、予防優先的にワクチン接種が受けられる人数は、

  1.   医療従事者先行接種 :   1~2万人
  2.  その他の医療従事者 :      370万人
  3.  65歳以上の高齢者  :  3,600万人
  4.   基礎疾患のある者  :  820万人

ということで、

優先的にワクチンの優先接種が予定されているのは合計4,792万人という計算になります。

 


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新型コロナワクチンは国民全員分に足りるのか?

国内企業も新型コロナワクチン開発を行なっていますが、時間的に現在の感染拡大には間に合いそうもなく、

海外企業からの導入に頼らざるを得ません。

 

政府が海外の製薬企業から導入契約をしたとしているワクチンは、

糖尿病患者の新型コロナワクチン接種はいつ頃か?でもご説明したように下記の3種類です。

 

 

その合計数は、

  • ファイザー   6,000万人分
  • モデルナ    2,500万人分
  • アストラゼネカ 6,000万人分

ということで、合計1億4,500万人分ということですが、

2018年度の日本の人口は1億2、650万人ですから全員接種に足りそうです。

 

しかしながら、

菅総理大臣は、21日の参院本会議の各党代表質問で、

ファイザーなど3社との契約状況について、

最終契約により全体として3億1,000万回分を確保できる見込み

と答弁したのです。

 

3億1,000万回分とは1億5,500万人分になり全国民の接種に足りる量ですが、

問題になったのは「見込みだ」ということで、「確定」ではないのです。

 

さらに、

坂井学官房副長官が21日の記者会見で、

本年6月まで全国民に必要な数量の確保は見込んでいる」

と述べたことに河野規制改革担当相が食い違いがあると指摘して発言を削除するなど、

「全国民のワクチンの確保」はまだできていないのです。

 

政府は「ファイザー頼み」で接種の計画を進めているのですが、

  • アメリカのバイデン大統領は全国民分の追加購入を決めた
  • 欧州委員会はEU域外への輸出規制強化に乗り出した

などのことから、日本に順調にワクチン供給がなされる保証はないのです。

 


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まとめ

いよいよ来月から新型コロナワクチンの接種が始まります。

  • 65歳以上の糖尿病患者は4月から
  • 65歳以下の糖尿病患者は7月から

優先的にワクチンの接種を受けられ計画です。

 

ワクチンの導入について政府は、

3億1,000万回分を確保できる見込み

としていますが、順調に国内に入ってくる見込みは薄いようです。

 

糖尿病全員の優先接種まで新型コロナワクチンが足りることを望みます!

 

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