今日もご覧になっていただきありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。
糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、
糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。
今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝へします。
はじめに
肥満は糖尿病のリスクを高めることはご存じでしょうが、
肥満は糖尿病のリスクだけではなく認知症のリスクをも高めることが明らかになっています。
ウォーキングなどの運動や食事療法は糖尿病を予防するだけでなく、脳機能を改善し、認知症の予防にもなることも分かっています。
肥満は糖尿病だけでなく認知症のリスクも上げる
肥満やメタボが糖尿病のリスクを上げることは誰もが知る周知の事実で、このサイトでも何回も書いてきました。
更には、
肥満でコロナ感染の死亡リスクが30%増加することも知られています。
しかし肥満やメタボは肥満は糖尿病だけでなく認知症のリスクも上げるのことが分かっています。
40~65歳頃の成人後期とよばれる年代で、
体格指数(BMI)が高く「肥満」と判定される人は、
「正常」な人に比べて認知症のリスクが30%以上増加する
というのです。
Obesity linked to higher dementia risk
Obesity is associated with a higher risk of dementia up to 15 years later, finds a new UCL study suggesting that weight management could play a significant role in reducing risk.
詳しく見る ⇒ 原著論文
イギリスのユニバーシティ カレッジ ロンドンの研究グループは、
50歳以上の男女6,582人について15年以上追跡した健康データを解析したところ、
- BMIが30以上の肥満の人は正常の人に比べ認知症を発症するリスクが31%高い
- 女性では肥満により認知症のリスクが39%高い
ということが判明したというのです。
肥満女性ではとくに認知症のリスクが上がるようですから要注意です。
さらに、
- BMI
- 腹囲周囲径
の両方が高い人では認知症のリスクは28%上昇した
そうなのです。
インスリン抵抗性が高まると認知症のリスクが高まる
肥満などによりインスリンが効きにくくなるインスリン抵抗性が高まると、
血糖値が下がりにくくなって糖尿病のリスクが高まるのですが、
イスラエルのテルアビブ大学の研究グループは、
インスリン抵抗性が高まると記憶力な認知力などの脳機能がパフォーマンスが急速に低下する可能性があると報告しています。
Insulin Resistance and Future Cognitive Performance and Cognitive Decline in Elderly Patients with Cardiovascular Disease
詳しく見る ⇒ 原著論文
同じようにオーストラリア大学の研究グループは、
肥満の人では脳で新しい神経経路ができにくくなっている
と報告しています。
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ウォーキングで脳機能が改善する
運動や食事療法が糖尿病のリスクを低下させることは誰でも知っていますが、
アメリカのハーバード大学の研究グループは、
ウオーキングなどの運動は央機能を改善する
と報告しています。
Regular exercise changes the brain to improve memory, thinking skills
詳しく見る ⇒ ハーバード大学
ウォーキングなどの運動を半年から1年続けただけでも、
脳の思考や洞察力、記憶などに関わる領域が増える
というのです。
活発なウォーキングを週に150分行うだけで脳に変化が生じるのですが、
毎日5~10分の運動でも効果があるそうです。
研究グループは、とにかく開始することが肝心で、
体が慣れてきたら段階的に運動量を増やしていけば良いとしています。
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まとめ
肥満が糖尿病だけではなく、認知症のリスクをも高めるというのです。
特に肥満女性では要注意だそうです。
糖尿病と認知症については、
をお知らせしていますが、ご存じだったかもしれませんね。
ウオーキングなどの運動は糖尿病だけではなく認知症のリスクをも低下させるそうですが、
スウェーデンの研究グループは、食事療法による減量で記憶能力が改善したと報告しています。
とにかく減量を始めて下さい。
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