糖尿病でも血糖コントロールができていれば必要以上に新型コロナを恐れる必要はない
今日もご覧になっていただきありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。
糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、
糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。
今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えいたします。
はじめに
これまでも、
書きましたように、
新型コロナウイルス感染では糖尿病患者で重症化しやすいことが多くの報告がなされています。
しかし、日本糖尿病学会も、アメリカ糖尿病学会でも、
糖尿病自体が新型コロナウイルス感染を重症化するのではないと強調しています。
糖尿病であっても血糖コントロールがきちんとなされていれば必要以上に怖がる必要はないというのです。
糖尿病では新型コロナウイルス感染が悪化する
3月31日、アメリカの疾患対策センター(CDC)は、
アメリカにおける新型コロナウイルス感染症患者の初期段階のデーターを初めて公表しました。
Preliminary Estimates of the Prevalence of Selected Underlying Health Conditions Among Patients with Coronavirus Disease 2019 – United States, February 12 – March 28, 2020
詳しく見る ⇒ CDCレポート
このレポートは、2020年2月12日〜3月28日のアメリカにおける新型コロナウイルス感染患者7,162例のデータを分析したものです。
7,162人の新型コロナウイルス感染患者のうち、
- 基礎疾患がない : 4,470人(62.4%)
- 1つ以上の基礎疾患がある : 2,692人(37.6%)
ということで、新型コロナウイルス感染者の3人に1人は基礎疾患を持っていました。
1つ以上の基礎疾患がある患者でみられた基礎疾患は、
- 糖尿病 (784人、10.9%)
- 慢性肺疾患 (656人、9.2%)
- 循環器疾患 (647人、9.0%)
と、糖尿病が最も多かったのです。
ICU治療室の32%が糖尿病患者
さらに、
この中の457人が集中治療室(ICU)への入院が必要になったのですが、
358人(78.6%)が1つ以上の基礎疾患があり、
- 148人(32%)が糖尿病患者
であったことから、
糖尿病があると新型コロナウイルス感染は重症化するリスクのあることが明らかになったのです。
しかし、
基礎疾患がなかった患者4,470人(62.4%)でも99人(2.2%)がICUへの入院が必要となっていますから、
基礎疾患がなくても重症化するリスクがあることを忘れてはいけません。
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糖尿病でも血糖コントロールができていれば必要以上に新型コロナを恐れる必要はない
日本糖尿病学会は、
新型コロナウイルスへの対応について、「Q&A」形式で公開しています。
新型コロナウイルス(COVID-19)への対応について (Q&A)
詳しく見る ⇒ 日本糖尿病学会
それによれば、
糖尿病は新型コロナウイルス感染を重症化するリスクの1つではあるが、
- 一般的な衛生対策
- 不要不急の外出を避ける
- 人混みを避ける
などに注意が必要で、インフルエンザなどの他の感染症対策と同じです。
としています。
血糖コントロールが良ければリスクは健常人と同じ
アメリカ糖尿病学会(ADA)も
新型コロナウイルスに対して注意すべき要点を公開していますが、
詳しく見る ⇒ Diabetes and Coronavirus(ADA)
糖尿病患者でも血糖コントロールが良好であれば、新型コロナウイルス感染の危険性は健常者と同じだとしています。
COVID-19といわれる新型コロナウイルスの病原性などいついては、十分なデータ蓄積がないものの、
糖尿病自体が新型コロナウイルスに感染や重症化に直接につながるわけではないと強調しているのです。
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まとめ
コロナウイルス感染の重症者には糖尿病をもつ患者が多くいることは多くのデーターで明らかになっています。
しかし、糖尿病が新型コロナウイルスに感染しやすくしたり、
新型コロナウイルス感染を重症化することではないと言うことです。
問題は「血糖コントロール」なのです。
これまでも、
高血糖では感染症に罹りやすいことや重症化しやすいことが明らかになっているのです。
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