歯周病と糖尿病の関係を知っていますか?
今日もご覧になっていただきありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。
糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、
糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。
今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えいたします。
はじめに
昨日は歯医者に行ってきました。
治療ではなく、定期検診です。
3ヵ月に1回、歯垢を取ったり、歯周病がないかなどを調べてもらいます。
上下左右、全部で28本。親知らずは抜きましたが全部揃っています。
糖尿病と歯は密接な関係にあり、
歯周病は糖尿病になったり、糖尿病を悪化させたりするのです。
血糖値が気になるなら歯科検診をした方が良いかもしれません。
糖尿病と歯周病は密接な関係にある
糖尿病と歯は何にも関係がないように思われるでしょうが、
- 歯周病になると糖尿病になりやすい
- 歯周病は糖尿病を悪化させる
ということは多くの研究で明らかになっています。
歯周病は虫歯と違って、気づきにくい疾患ですが、
成人の8割が歯周病を持っている
といわれています。
歯周病では虫歯のように痛みがありません。
歯周病の初期では、
- 歯ぐきが柔らかくなる
- 歯ぐきが赤みを持つ
- 歯ぐきが腫れる
との程度の症状しかありませんから、気づかない人が多いのです。
歯周病が進めば歯ぐきの炎症がひどくなり、
- 歯肉炎
- 歯周炎
に発展して
- 歯ぐきにウミが溜まる
- 歯ぐきから出血する
ようになり、
最終的には、
細菌の出す酸性物質によって歯槽骨が溶け、
- 歯が抜けてしまう
これが歯周病なのです。
平成17年の厚生労働省の歯科疾患実態調査では、
成人の8割が歯周病を持っている
ことがわかり、歯周病の患者数は3,700万人にも上るのですが、
歯周ポケットが4mm未満の軽度な歯周病患者も加えれば患者数は8,000万人にもなり、
糖尿病患者はほぼ歯周病を持っていると考えられるそうなのです。
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歯周病は糖尿病を引き起こす
ではどうして歯周病が糖尿病を引き起こすのでしょうか?
やや難しいのですが、
歯周病では歯周ポケットといわれる、
歯と歯ぐきの間に食べ物のかすなどが入り込み炎症を起こすのですが、
歯茎や歯槽骨などの炎症によって、
- 歯周病菌の毒素
- 炎症性サイトカイン
が全身に流れ出すのです。
そして、
炎症性サイトカインのTNF-αはインスリン抵抗性を上昇させ、
- 糖尿病になる
- 糖尿病を悪化させる
ことになるのです。
詳しく見る ⇒ 日本臨床歯周病学会
糖尿病と歯周病の関係についてはこのブログでも何回も取り上げてきました。
もうお読みいただいたと思いますが、
未だ読んでおられなければ、
下記の1つだけでもお読みください。
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歯周病菌を治せば糖尿病も改善する
糖尿病で歯周病を患っているのであれば、
歯周病を治療して炎症が治まれば、
- TNF-αなどの炎症性サイトカインの分泌が低下し、
- インスリン抵抗性も改善される、
ことから、インスリンの作用が十分発揮されることで血糖値が下がるのです。
厚生労働省 の健康情報サイトには、
歯周病を治したら血糖値が改善した例がたくさん記載されています。
詳しく読む ⇒ 厚生労働省のサイト
まとめ
糖尿病で歯周病を患っているなら、
糖尿病の治療をすることはもちろんですが、
歯周病の治療も積極的に行うべきです。
また、糖尿病を予防するためには、
しっかりハミガキをして歯周病にならないように気をつけてください。
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