夜勤は睡眠障害や糖尿病のリスクを高める
今日もご覧になっていただきありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。
糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、
糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。
今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えいたします。
はじめに
先日は、夜勤が多い看護師は糖尿病のリスクが高いという論文をご紹介しました。
夜勤や深夜勤などのシフト勤務が多い女性の看護師では糖尿病リスクが5倍以上になるというのです。
今日も先日に続いて、
看護師などの夜間勤務が多い労働者で睡眠障害のリスクが高く、
肥満や糖尿病などの生活習慣病に陥りやすいとい
というお話しです。
夜間勤務者だけでなく、
糖尿病の発症には睡眠も大きく関わっているのです。
夜勤シフトは睡眠障害をおこしやすい
アメリカのウィスコンシン大学の研究グループは、
現代社会では、
- 夜間シフト勤務
- フレックス勤務
- ローテーション勤務
などの勤務条件で働く労働者が多いが、
夜間勤務が多い労働者では睡眠障害が多い
との研究報告をしています。
Shiftwork Can Affect Your Health
Workers with nontraditional schedules are burdened by sleep-related health problems and poor metabolic health, according to new report in Sleep Health
詳しく読む ⇒ 原著論文
研究グループは、
2008~2012年にウィスコンシン健康調査に参加した、
- 1,593人
を対象に、
- 生活スタイル(昼間、夜間勤務)
- 肥満
- 睡眠障害
の関連を調べたのです。
その結果、
肥満(過体重)では、
- 日中勤務 : 34.7%
- 夜間勤務 : 47.9%
睡眠障害(不眠症)では、
- 日中勤務 : 16.3%
- 夜間勤務 : 23.6%
だったとしています。
また、夜間勤務では、
- 睡眠が不十分
- 勤務時間中の眠気
も昼間勤務より多く、
夜勤シフトに勤務の人では睡眠の問題が大きいと結論しています。
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夜間勤務の多い看護師は糖尿病のリスクが高い
ハーバード公衆衛生大学院でも、
夜間勤務が多い看護師を対象にした調査で、
同じような報告をしています。
Rotating night shift work linked to increased risk of type 2 diabetes in women
詳しく読む ⇒ 原著論文
研究グループは、
看護師健康調査に参加した、
- 42~67歳の6万9,000人
- 25~42歳の約10万8,000人
を対象に、
- 糖尿病の発症
を調べたのです。
その結果、
1~2年間夜間シフト勤務が続いた看護師では、
日勤だけの看護師より糖尿病発症率が高いことが判明したのです。
さらに、
夜間シフト勤務が長いほど糖尿病発症リスクが上昇し、
夜間シフト勤務が、
- 3~9年の看護師 : 20%、
- 10~19年の看護師 : 40%
- 20年以上の看護師 : 58%
と、
夜間シフト勤務が長くなるほど糖尿病のリスクが高くなったのです。
上昇していた。
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睡眠は睡眠時間よりも睡眠の質
睡眠は、
睡眠時間よりも睡眠の質
が大事なのです。
睡眠時間が長くても睡眠の質が悪ければ睡眠障害は解決出来ないのです。
厚生労働省の2013年国民健康・栄養調査によると、
睡眠の質に満足できないという人は、
- 男性では22%
- 女性では23%
に上ることが明らかになっており、
日本人の5人に1人は睡眠に関する悩みをもっている
といわれています。
睡眠障害は、
- 糖尿病
- 高血圧
などの生活習慣病を悪化させる原因になるのですが、
睡眠の質を高めると生活習慣病などの病気も改善することが分かっています。
にも書きましたが、
ハワイ大学の研究グループは
睡眠時間が9時間以上では糖尿病のリスクが12%高い
という研究成果を発表しています。
前にも紹介したように、
京都大学の研究グループは、
との研究成果を明らかにしています。
糖尿病の原因の1つは炭水化物(糖質)の摂りすぎですが、
のです。
- 睡眠の悩みがある
- 糖尿病予備群である
というのであれば、糖質制限を試みてはいかがでしょうか?
しかし、
糖質制限は、「糖質を摂らない」ことではありません。
- 朝食のパンを半分に
- 夕食のご飯を半分に
- 魚や肉や野菜はたっぷりと
というのが正しい糖質制限なのです。
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