今日もご覧になっていただきありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。
糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、
糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。
今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えいたします。
はじめに
国立がん研究センターと東京大学の研究チームは、
9万人もの人を19年間に亘って追跡調査し、死亡原因と生活習慣との関係を調べたのですが、
その結果、
緑茶やコーヒーをよく飲む人は
心臓や脳血管の病気で死亡する危険率が4割低い
ことが分かったと発表しました。
血糖値が高いあなたは、
緑茶やコーヒーは、糖尿病の血糖値にも良いのか?
と気掛かりでしょうが、
緑茶のポリフェノールやコーヒーのクロロゲン酸には、
- 血糖値を下げる
- インスリン抵抗性を改善する
という、嬉しい研究結果もあるのです。
緑茶やコーヒーは心疾患系の死亡率を低下
国立がん研究センターと東京大の研究チームは、
国内の10都府県に住む40〜69歳の男女計約9万人について、
- 緑茶やコーヒーをよく飲む人と
- あまり飲まない人
について、
19年間にわたって追跡調査
した結果を、5月7日に発表しテレビや新聞でも大きく報道されました。
1990年の調査開始以降、
19年間に1万2,874人が病気で死亡した
のですが、緑茶やコーヒーの飲用と心臓や脳血管疾患での死亡との関連を調べたのです。
緑茶を1日に5杯以上飲む人は、飲まない人に比べて、
- 男性では死亡の危険率が13%低下
- 女性では死亡の危険率が17%低下
したそうです。
死因別では、
男性では、
- 心疾患で13%
- 脳血管疾患で24%
- 呼吸器疾患で45%
も低く、
女性でも、
- 心疾患で37%
- 脳血管疾患と呼吸器疾患では13%
も低かったのだそうです。
コーヒーを1日に1杯から2杯飲むと答えた人は、
病気などで死亡する危険性がほとんど飲まない人に比べ0.85倍も低く、
3杯から4杯飲む人では0.76倍と、さらに低くなったというのです。
つまり、
コーヒーを1日3〜4杯飲む人の死亡の危険性は、
- コーヒーをほとんど飲まない人に比べて死亡の危険性は24%も低く、
- 心疾患での死亡率が36%、
- 脳血管疾患では43%、
- 呼吸器疾患では40%も低かった
というのです。
この結果について研究チームは、
緑茶に含まれるカテキンやコーヒーに含まれるクロロゲン酸には血圧調整の効果があり、
カフェインには血管保護や気管支拡張などの効果があることから、これらが関与しているのではないかと述べています。
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緑茶は血糖値を低下させる
血糖値が気になるあなたにとっては、
- 糖尿病に緑茶はどうなの?
- 緑茶の血糖値に対する効果は?
ということが気掛かりですね、、、。
2014年4月に、アメリカのペンシルヴァニア州立大学の研究チームは、
緑茶の成分を摂取すると糖尿病の検査値が低下する
ことを動物試験で確認しています。
糖尿病のマウスに、4ヵ月間に亘って、カフェインを除いた緑茶の抽出物を摂取させ、
同時に運動もさせたところ、
- 体重 : 27.1%減少
- 腹部脂肪 : 36.6%減少
- 空腹時血糖値 : 17%低下
- インスリン値 : 65%低下
- インスリン抵抗性 : 65%減少
と、驚くべき効果を確認したと発表しています。
もちろん、緑茶成分を与えず、運動もしなかった群では体重や糖尿病の検査値の改善が無かったそうです。
マウスに与えた緑茶成分の量は、人間では1日8~10杯の緑茶に相当すると量だそうですから、緑茶を多めに飲む人の摂取量とほぼ同じですね、、、。
緑茶には、
- カテキン
- 天然の抗酸化作用のあるポリフェノール
が豊富に含まれており、マウス以外の動物でも緑茶のポリフェノールによる肥満防止効果が報告されています。
だだ、この成績を発表したジョシュア ランベルト准教授は、
「緑茶には糖尿病改善効果があるが、運動をしなければ、その効果が発揮されない」
と述べていますから、運動が重要ですね。
彼らの実験では、カフェインを除いた緑茶成分を用いています。
緑茶にはカフェインも含まれ、カフェインのエネルギー消費促進作用が気になりますが、
同様に、
マウスにカフェインのみを摂取させた実験では、
- 基礎代謝が向上し
- エネルギー消費が増える
ことが確かめられたそうですから、
緑茶をたくさん飲めば、
- 糖尿病改善効果
- エネルギー消費促進効果
の2つが得られるということです。
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コーヒーは糖尿病の発症を予防する
これは、「欧州糖尿病学会誌(Diabetologia)」に発表されています。
研究では、米国で、12万人の食生活やライフスタイルと、2型糖尿病の関連を、20年以上追跡調査したところ、
- 1日のコーヒー摂取量を1.5杯分増加すると2型糖尿病のリスクが11%低下
- コーヒーの量を1日に1~2杯減らした人では、糖尿病のリスクが17%上昇
- 1日3杯以上コーヒーを飲む人は1日1杯以下の人より糖尿病のリスクが37%低い
という結果が得られ、カフェイン抜きのコーヒーでは、摂取量と2型糖尿病との間に関連性がないことから、カフェインが影響していると結論しています。
研究を行った米ハーバード大学のシルパ ブパシラジュ教授は、
「コーヒーに含まれる、
- カフェイン
- ポリフェノール
- マグネシウム
などの成分が糖尿病発症を抑えた可能性がある」、と述べています。
もちろん、砂糖は控えめに、、ですね。
糖尿病が心配な人や高血糖が気になる人は、
緑茶やコーヒーを飲んで適度な運動
を心掛けてください。
糖尿病の食後高血糖が気になる人には伊藤園のトクホ製品である「緑茶習慣」も効果的で
す。
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