糖尿病は自覚症状がないから定期受診が重要
糖尿病患者が増えています。
日本の糖尿病患者は1,070人で世界第6位。
しかし、糖尿病だと気付いていないヒトが多いのです。
また、糖尿病だと診断されても治療しているヒトが多いのです。
糖尿病の合併症が出たときには手遅れなのです。
日本は糖尿病でワースト6位
「Diabetes Atlas」第5版によると、
世界中で糖尿病の患者数が急増しており、2013年の時点で全世界の糖尿病患者数は3億8,200万人で、2035年には5億9,200万人に達すると推定されています。
日本は、1,070万人で世界6位です。
日本の成人人口はおよそ9,534万人とみられていますから、日本人の成人の11.25%が糖尿病だということになります。
上位の3ヵ国は、1位;中国、2位;インド、3位;米国で特に中国とインドにおける糖尿病患者数が爆発的に増加しており、2030年にはそれぞれ1億2970万人と1億120万人で1億人を超えるとみられているのです。
2013年に糖尿病が原因で死亡した人の数は510万人と推定され、6秒に1人が糖尿病が原因で死亡している計算になるのです。
しかし、糖尿病患者の約半数に当たる1億7,500万人は糖尿病と診断されておらず、自分が糖尿病であることにも気付いていないのだそうです。
さらに、糖尿病と診断されても約3割の患者は治療していないのが現状だそうです。
糖尿病の怖さは合併症
糖尿病の恐さは、重症化するまでほとんど自覚症状がなく、気づいたときには合併症が進行していることです。
高血糖の状態が長く続くと、血管壁が傷つけられ、さまざまな合併症が現れます。
糖尿病の三大合併症は、
- 糖尿病性神経障害
- 糖尿病性網膜症
- 糖尿病性腎症
です。
糖尿病による高血糖は、失明や慢性腎不全の原因にもなり、神経障害により足の壊疽により足の切断に至るケースも多く報告されています。
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糖尿病患者は定期検診を受けていない
糖尿病網膜症は、糖尿病腎症や糖尿病性神経障害ともに、主要な合併症の1つですが、糖尿病網膜症は失明にもつながる深刻な副作用なのです。
4月23日、バイエル薬品と参天製薬は、2型糖尿病患者1,000人を対象にした、糖尿病網膜症に関する実態調査結果を発表した。
バイエル薬品プレスリリース ⇒ 糖尿病網膜症の予防に関する糖尿病患者調査
「糖尿病と診断されてから目の合併症を調べるために眼科を受診したか?」の問には、
- 1年以上たってから受診 : 約60%
- 受診していない : 23.9%
眼科を受診していない理由は?
- 眼科を受診するように言われなかった : 48.5%
と、糖尿病における網膜症の副作用に対する知識がなかったようだ。
眼科を受診した経験のある患者についても、
- 現在は受診していない: 22.3%
と回答しており、一度も眼科を受診したことがない糖尿病患者と合わせると46.2%が1年以上眼科を受診していないことが判明したという。
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糖尿病の糖尿病性網膜症は怖い
私達の目は、瞳から入ってきた画像が網膜上に映し出されて初めて画像として認識されます。
網膜には栄養や酸素を補給する多数の毛細血管が走っています。
高血糖状態が長く続くと、血管壁が壊れやすくなったり、血圧に耐えきれずに一部がコブのように膨らんだりします。
このコブが破裂したり、毛細血管が血栓で詰まったり、またそれらにより微細な血管が多数新生されたりすることにより網膜に像が結ばなくなってしまうのが糖尿病性網膜症です。
糖尿病性網膜症により、年間3,000の人が失明しており、糖尿病性網膜症は中途失明の原因の第一位なのです。
年1回の定期受診が望ましい
日本糖尿病学会では、「科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2013」を公開しています。
このガイドラインでは、
- 診断確定時に眼科を受診させ、糖尿病網膜症の有無を評価すべき
- 以降は少なくとも年1回の定期受診が望ましい
- リスクの高い患者ではより短い間隔での眼科受診が勧められる
としています。
このガイドラインは、医師向けのガイドラインで、医師はこのガイドラインに沿って糖尿病患者に糖尿病網膜症の定期的検診を指示しなければならないのですが、必ずしも守られてはいないようです。
しかし、血糖値が高いあなたは医者任せにせずに、積極的に自分から眼科検診を受けるように心掛けなければなりません。
定期的な眼科検診は失明を未然に防ぐことができます
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