血糖が高いならトリプルリスクに気をつけてください
今日もご覧になっていただきありありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。
糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、
糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。
今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えいたします。
はじめに
トリプルリスクをご存じですか?
生活習慣病の主なリスクファクターは、
- 高血圧
- 高血糖
- 高血中脂質
ですが、
- 血圧が少し高いだけで他は大丈夫
- 血糖値が少し高いけど血圧と脂質は大丈夫
などと考えていませんか?
- 高血圧
- 高血糖
- 高血中脂質
は非常に関連が高く、
どれか1つが高くなると残りの2つも高くなってしまうのです。
これが、トリプルリスクなのです。
では、どうしてトリプルリスクが起きるのかご存じですか?
トリプルリスクとは
生活習慣病の原因は、
- 高血圧
- 高血糖
- 高脂質
だということをご存じだと思いますが、
トリプルリスクとは、
- 血圧
- 血糖
- 血中脂質
のどれか1つでも高値を示すと、残りの2つも高くなる、ということなのです。
厚生労働省 糖尿病実態調査(2002年)では、
- 糖尿病患者の高血圧の合併率は70%
- 糖尿病患者の高中性脂肪の合併率は約40%
であることが報告されています。
詳しく見る ⇒ 厚生労働省糖尿病実態調査
高血圧、高血糖、高血中脂質の中ので1つでも異常値がでれば、
その他の数値に連鎖して悪くなることが分かっているのですが、
最近ではそれは「トリプルリスク」とよばれるのです。
トリプルリスクを放置したままにしておくと、
- 脳梗塞
- 心筋梗塞
などの死に至るような重篤な疾患のリスクが高まるのです。
トリプルリスクを考える会
2月27日に東京で「トリプルリスクを考える会」が立ち上げられました。
トリプルリスクを考える会では、
高血圧、高血糖、高血中脂質のいずれかが高い時、
気になるものだけに注意して他はケアしていない人が多く、
トリプルリスクの可能性を知らない人が多いとして、
トリプルリスクの正しい知識と対処法を広めようという趣旨で設立されたのです。
詳しく読む ⇒ トリプルケアを考える会・プレスリリース
トリプルケアを考える会の参画メンバーは、
- 岡部クリニック院長の岡部 正氏
- 管理栄養士の岩﨑 啓子氏
などで、雪印乳業が協賛企業になっています。
岡部 正氏は、「主治医が見つかる診療所」(テレビ東京系)、「ゲンキの時間」(TBS)などにも出演していますが、テレビで初めてメタボリックシンドロームを取り上げて警鐘を鳴らしたことでも知られていますね。
トリプルリスクを考える会が設立に際して2018年2月にアンケート調査を実施したところ、
対象者30~60代男女 1,200人のうち、
「血圧・血糖・血中脂質が1つ以上気になる」と答えた人が過半数を占めたが、
- 実際にケアしている人は30%
- 3つすべてケアしているは10%
であることが判明し、
詳しく読む ⇒ アンケート調査の結果
健康に関する意識と行動にギャップがあることが分かったとしています。
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トリプルリスクの原因はインスリン
トリプルリスクは具体的には、
- 血圧が高いと糖尿病や高脂血症になりやすい
- 血中脂質が高いと糖尿病や高血圧になりやすい
ということです。
どうしてなのでしょうか?
その原因はインスリンの抵抗性
だというのです。
インスリン抵抗性というのはご存じだと思いますが、インスリンが肝臓や筋肉などで正常に働かなくなった状態のことをいいます。
インスリン抵抗性が高まると、正常では1のインスリンが肝臓や筋肉などで10の働きをしていたのに、5しか働かなくなり、血糖値が下がらなくなってしまう状態のことなのです。
高血圧、糖尿病、高脂血症は別々の病気ですが、
- インスリン抵抗性が高まると、
- 血液中のブドウ糖が消費されにくくなり、
- 内臓脂肪として蓄積されて隠れ肥満の状態となり、
- 内臓脂肪が蓄積されると長寿ホルモンとも呼ばれるアディポネクチンの分泌低下し、
- インスリン抵抗性がさらに高まり、
- 腎臓や肝臓へも影響して血圧や中性脂肪の代謝にも影響を及ぼしてしまう
と考えられているのです。
さらに運動不足や過食が重なると動脈硬化を引き起こし、
狭心症や心筋梗塞を引き起こすリスクが最大で35.8倍も増大する
といわれています。
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トリプルリスクを解消するには
毎年の健康診断では異常はないから大丈夫、、と思っていませんか?
健康診断で調べるのは、
- 空腹時血糖
- 平常時の血圧
です。
重要なのは、
- 空腹時血糖
- 早朝の血圧
なのです。
健康診断時には、
- 早めに夕食を済ます
- 飲酒を控える
- 早めに就寝する
など、「ベストの状態」で臨んでいるのです。
- 食後に血糖値が上昇する食後高血糖
- 早朝だけに血圧が高くなる早朝高血圧
などの、
- 隠れ糖尿病
- 隠れ高血圧
などが問題なのです。
トリプルリスクを考える会では、
生活習慣病の改善には、
- 血圧
- 血糖
- 血中脂肪
の3つに直接影響をおよぼす、
- 塩分
- 糖分
- 脂肪分
の3つに同時に注意する必要があると説明しています。
- 塩・砂糖・油をバランスよく使う
塩味、甘味、脂味は互いに干渉するのでバランスよく使う
- 調味料は仕上げに使う
調理前より後半で使った方が味が強く出る
- 素材の味を活かす
茹でより蒸す方が素材の味が濃縮される
トリプルリスクの解消には、血圧、血糖、脂質のどれか1つしか異常がなくても、
塩分、糖分、脂肪分の全てに気を配った食生活が重要だということなのです。
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