血糖値を気にしている人や糖尿病の人には、
カロリーがゼロで甘みが強い人工甘味料は助かります。
人工甘味料の摂取は耐糖能異常を引き起こして糖尿病のリスクを上昇させる
という報告が、2014年9月に、あの有名な英科学誌ネイチャー(Nature)に発表されたのです。
人工甘味料とは何か
そもそも、甘味料(かんみりょう)とは、食品に甘みをつけるための調味料で、食品中に微量に含まれている甘み成分を精製・濃縮したものですね。
代表的なものとしては、ブドウ糖、果糖、麦芽糖などが天然に有るもので、それを生成したものが、砂糖、メイプルシロップ、水飴などですね。
また、天然に存在する甘味料を人工的に合成した甘味料もあり、代表的なものとしては、トレハロース、マルチトール、パラチノース、キシリトール などです。
人工甘味料とは
人工甘味料とは、食品に存在しない甘み成分を人工的に合成したものです。
製造コストが砂糖よりも低いため、お菓子などで代用砂糖として使われていましたが、第二次世界大戦後に、ズルチン、紫蘇糖、チクロなどの人工甘味料の毒性が問題になり使用が禁止されました。
食品添加物の指定を受けた人工甘味料も有り、砂糖の数百倍もの高甘味料は食品の糖類含有量を減らすことができ、カロリーを抑える効果があるとして清涼飲料水、菓子、アルコール飲料などに利用されています。
人工甘味料の代表的なものは、
- アスパルテーム
- アセスルファムカリウム
- スクラロース
- サッカリン(サッカリンナトリウム)
- ズルチン
- チクロ(サイクラミン酸)
- ネオテーム
などです。
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人工甘味料は身体に悪いのか?
血糖値が気になって人工甘味料を使っている人には非常に気になる報告です。
イスラエルにあるワイツマン科学研究所の研究グループは、
- 人工甘味料は耐糖能異常を引き起こして血糖値を上昇させる
- 人工甘味料は腸内細菌に悪い影響を与える可能性がある
ことを報告したのです。
糖尿病を防ぐために使われている人工甘味料が糖尿病を悪化させたり腸内細菌叢に悪い影響を与えて伝染病を引き起こすかも知れないということは、非常にショッキングなことです。
人工甘味料はノンカロリーで砂糖の2万倍の甘みを感じさせることから糖尿病患者の食事や、ダイエットコーク、ノンカロリーのシリアル、デザートなどでの使用が推奨されているのです。
ワイツマン科学研究所の研究グループは、
最も一般的に使われている人工甘味料である、サッカリン、スクラロース、アスパルテームをハツカネズミに、
- 人工甘味料を含んだ水のみ
- 普通の水のみ
- ブドウ糖を含んだ水のみ
を与えて11週間飼育したのちに、耐糖能をテストしたところ、
人工甘味料の水を飲んでいネズミでは非常に重度の耐糖能異常が見られた
というのです。
さらに、
サッカリンを与えたネズミでは肥満につながる腸内細菌の増加が見られた
というのです。
同様の結果は、健康な7人のボランティアでも観察されたということです。
同じような研究結果は、米ワシントン大学医学部の研究者からも報告されています。
BMI(体格指数)が平均42の超肥満者で、ダイエット目的でカロリーゼロ系の飲料を愛飲する人を対象に、人工甘味料スクラロースの血糖値に与える影響を調べたのです。
その結果、
人工甘味料であるスクラロース入りの飲料を飲んだ後は、血糖値がより上昇し、インスリンの分泌量が2割も増えたのだそうです。
この結果から、人工甘味料はインスリンを過剰に分泌させ、これが続けばインスリンの血糖を下げる作用が鈍くなり、耐糖能に異常が生じると警告しています。
まだ有るのです。
フランス国立保健医学研究所が、6万6,000人の中年女性を対象に,
- 砂糖入り炭酸飲料
- 人工甘味料入り炭酸飲料
の影響を調べた追跡調査によると、
両者とも2型糖尿病の発症リスクを上昇させたが、
人工甘味料入り炭酸飲料を1週間に500ミリリットル飲んでいた場合は、
砂糖入り飲料を飲んでいる人より2型糖尿病の発症リスクが15%増加、
1.5リットル以上では59%も上昇したのだそうです。
ノンカロリーでも太る
カロリーゼロ飲料を選ぶ目的はみんな同じ、「ダイエット」のためということです。
清涼飲料水には砂糖がたくさん入っていて、「隠れ砂糖」といわれています。
ですから、ダイエットを心掛けている方はノンカロリー飲料を選ぶのです。
しかし、「カロリーゼロ飲料を飲むと逆に太る」という研究結果も数多く発表されていることをごぞんじでしょうか。
アメリカの、パデュー大学の研究グループは、過去5年間の栄養学の論文を精査したところ、
ノンカロリー炭酸飲料を飲んだ人は普通の炭酸飲料を飲んだ人よりも太りやすい傾向がある
ことが判明したとしています。
これは、砂糖よりもはるかに甘味が強い人工甘味料を摂取すると、脳は大量の砂糖を摂取したと判断し、インスリンを大量に分泌するため、ブドウ糖が脂肪に変えられて蓄積し、さらに、脳は「砂糖を摂ったのにエネルギーが充足されない」として、さらにエネルギー摂取を欲するためだといわれています。
このことは、同じくアメリカのホプキンス大学の調査で裏付けられます。10年にわたって2万4,000人のデータを分析したところ、
ノンカロリー飲料を好んで飲む人は、不足するカロリーを食物から補っていた
ことが分かったのだそうです。すなわち、飲み物の種類に関わらず、ノンカロリー飲料を好む人はその分食事の量が多く、これは人工甘味料が代謝に何らかの作用を及ぼしているのではないかと示唆しています。
私の周りにも、ダイエット飲料を飲んでいるのに逆に太った、という人がいました、、、。
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