糖尿病の夜間高血糖と睡眠の関係

今日もご覧になっていただきありがとうございます。

臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。

糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、

日本糖尿病学会厚生労働省も述べるように、

糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。

今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えいたします。

 

はじめに

睡眠は糖尿病と密接な関係にあります。

睡眠時間が極端に短かったり長かったりすると糖尿病のリスクが上がります。

しかし、短いといって延長すると糖尿病のリスクが上がるのです。

質の高い睡眠が糖尿病を防ぐのです。

 

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睡眠時間と夜間高血糖は糖尿病のリスク

2015年6月2日の「たけしのみんなの家庭の医学」は睡眠の取り方の特集でした。

  1. 血糖値のコントロースに睡眠が関わっている
  2. 良い睡眠をとっていれば睡眠中に血糖値が下がる
  3. 睡眠不足は夜間高血糖を招き糖尿病になる危険がある

という結論でした。

    詳しく見る ⇒ たけしのみんなの家庭の医学・アーカイブ

 

内容はというと、 

通常であれば、睡眠中に血糖値は下がるのですが、

 

睡眠中は夜間高血糖が解消され糖尿病のリスクが少ない

 

睡眠不足が続くとノルアドレナリンというホルモンが出て、睡眠中に血糖値が下がらず、高血糖状態が続いてします。

睡眠時間が5時間以下の人は睡眠時間が7時間の人よりも5倍も糖尿病になるリスクが高い、という内容でした。

 

睡眠不足は夜間高血糖になり糖尿病になるリスクが大きい

 

ただし、睡眠時間が長ければ良いというわけではなく、8時間以上だと糖尿病のリスクが高くなってしまうとのことでした。

 

睡眠時間と夜間高血糖と糖尿病リスクの関係

 

夜間高血糖とは

通常は、夕食後に数時間を経過して就寝すると、血糖値は空腹時血糖値まで下がります。

人間は活動時には交感神経が活発ですが、就寝時には交感神経の興奮が収まり副交感神経が優位となり体の活動は治まるのです。

しかし、就寝前に激しい活動をしたり、睡眠状態が悪かったりすると、交感神経の興奮がなかなか治まらず、就寝時に血糖値は高い値を保つ夜間高血糖になってしまいます。

 

夜間高血糖

インスリンは血糖値を下げますが、交感神経が興奮すると分泌されるアドレナリンやコルチゾールはが分泌され、

アドレナリンやコルチゾールは筋肉中の蛋白ク質をアミノ酸に分解し、肝臓でグリコーゲンに変え、さらにグリコーゲンをブドウ糖に変化させ血糖値を上昇させます。

 

さらに、

コルチゾールは脳以外の組織がブドウ糖を使用することを制限することによっても、血中の血糖値を上昇させるのです。

夜間の就寝中にも血糖値が下がらないとインスリンの分泌が止まらず、やがて膵臓は疲弊(疲れ)してインスリン分泌が低下してしまい糖尿病になってしまうのです。

 


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睡眠時間の延長は糖尿病リスクを上昇

短い睡眠時間は夜間高血糖を招き、糖尿病の原因になるからといって無理して睡眠時間を変えるのは逆効果のようです。

   慢性的に睡眠時間が短い女性が、睡眠不足を解消しようと睡眠時間を2時間延長した場合に糖尿病リスクは21%高まる

という研究論文がつい最近、発表されました。

 Long-term changes in sleep duration, energy balance and risk of type 2 diabetes.

  詳しく見る ⇒ Diabetologia. 2015 Nov 2

 

この研究では、

55~83歳の女性看護師約6万人を対象に、

1986~2000年に睡眠パターンの変化を調査し、

このときの睡眠パターンの変化と、2000~2012年の間に2型糖尿病と診断された3,500人との睡眠パターンとの関連を調べたのです。

 

その結果、

糖尿病と統計学的に有意な関連が認められた睡眠パターンは、

睡眠時間が1晩で2時間以上増えた場合のみだったというのです。

 

研究グループでは、

長年、短時間睡眠だった人が急に睡眠時間を延長しても、健康改善にはならない

とし、また男性でも同じような結果が得られている述べています。

 

さらに、

1晩あたりの睡眠時間が6時間以下と短い女性でも、2型糖尿病のリスクが高まる

と、述べています。

 

睡眠時間が短かかったり、あるいは長すぎる人で、

さらに食生活が不健康で運動量が少ない人は糖尿病を発症しやすいことが知られて知れているのですが、

長期的な睡眠パターンを急に変化させることが逆効果になるという驚きの結果です

 


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夜間高血糖にならずに糖尿病を予防する睡眠

夜間高血糖は糖尿病の原因となります。

夜間高血糖を防ぐには睡眠時間の長短ではなく、睡眠の質なのです。

 

睡眠は時間ではなく、睡眠の質なのです。

  • しっかり寝たはずなのに疲れがとれない
  • 良く寝たはずなのに日中の眠気がひどい

という時には質の良い睡眠をとっているとはいえません

 

レム睡眠とノンレム睡眠

睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠があることはご存じだと思います。

私達は、就寝中には、眠りの浅いレム睡眠と眠りの深いノンレム睡眠を繰り返しているのです。

夜間高血糖にならずに糖尿病を防ぐ良い睡眠とは

  • レム睡眠 : 夢を見ているときの睡眠で、身体は弛緩していますが脳だけは起きているときと同じように活動しています
  • ノンレム睡眠 : 深い眠りで、筋肉の活動は多少残っていますが、脳の活動レベルは低下します

どれだけノンレム睡眠をとるかが大事なのです。

 

夜間高血糖を招く睡眠の質を低下させる要因

睡眠の質を上げるには、睡眠の質を低下させる要因を排除するのが最も有効な手段です。

ストレスの多い現代では、睡眠の質を低下させる要因はたくさん有りますが、あなたの睡眠の質を下げていることはこんなことかも知れません。

  • 夜遅くの食事
  • 夜遅くまでスマホやパソコンを使う
  • カフェイン飲料の飲みすぎ
  • 夜間の激しい運動
  • 熱すぎるお風呂
  • 寝酒
  • 寝る前や床に入ってからの考え事

思い当たることがあったら、止めてみましょう。

きっとあなたの睡眠の質は上がるはずです。

 

良い睡眠をとって糖尿病を防ぎましょう

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