AGEは糖尿病の高血糖が原因です
糖尿病は「生もの」を食べなさいという本を読みました。
糖尿病の高血糖はAGEを増やして糖尿病合併症を引き起こすというのです。
AGEは活性酸素とともに老化をも促進させています。
あなたはAGE対策をしていますか?
AGEとは?
私が読んだ本は、「糖尿病は生ものを食べなさい」という本です。
焼いたり、揚げたりした、加熱加工食品にはAGEがたくさん含まれていて、これが糖尿病合併症を引き起こす原因物質だというのです。
AGEを体内に溜めないようにするには、できるだけ加熱食品を摂らないようにすることが糖尿病の合併症を防ぐ方法だというのです。
この本の著者は牧田善二という方で、牧田クリニックという糖尿病合併症の病院を経営し、
20万人以上の糖尿病患者の診療に当たったそうです。
AGEは、老化や様々な病気の原因だとして、活性酸素とともに注目を浴びている物質です。
AGEは、Advanced Glycation Endproductsの頭文字をとった略語で、日本語では終末糖化産物と言われているもので、
糖と蛋白質が加熱されてできた物質
で、強い毒性を持っており、老化を促進する原因物質とされています。
老化というと、顔のシワ、シミや白髪、そして認知症などを思い浮かべるでしょうが、それだけではなく、AGEが血管に蓄積すると心筋梗塞や脳梗塞を引き起こし、骨に蓄積すると骨粗鬆症を、目の水晶体に蓄積すると白内障の原因になり、体の様々な部位で、様々な疾病を引き起こす原因にもなるのです。
AGEが及ぼす健康被害
AGEは具体的にどのような疾患に関わっているのかを挙げてもましょう。
糖尿病合併症の原因
糖尿病は血管の疾患で、高血糖が長く続けば体の様々な血管壁に障害を与え、糖尿病合併症を引き起こす怖い病気であることは何回もこのサイトに書いてきた通りです。
糖尿病による血管壁の障害の機序は分かっていいませんでしたが、最近、AGEが関与していることが判明し、AGEが血管壁のコラーゲンなどの弾力性を失わせ、血管の硬化や詰まりなどの原因となり、血管壁を壊れやすくしてしまっていることが分かってきました。
細い血管ほどAGEの影響を受けやすく、神経障害、網膜症、腎症などの合併症を引き起こし、やがて太い血管も障害を受けて、脳梗塞、心筋梗塞、狭心症などの大血管障害による合併症が発生することになります。
糖尿病の高血糖に状態ではAGEが大量に生成され蓄積されています。
糖尿病の診断基準に用いられる「ヘモグロビンA1c」も、赤血球の蛋白質であるヘモグロビンが血中のブドウ糖により糖化したAGEの中間糖化物質なのです。
メタボリックシンドロームを引き起こす
メタボリックシンドロームは、内臓に脂肪が溜まる内臓型肥満で、高血圧、高血糖、脂質異常症の中の2つ以上が当てはまる状態です。
メタボリックシンドロームでは、早い時期からAGEが体内で生成されており、内臓脂肪を悪玉化させ、インスリン抵抗性を増加させて血糖値を上昇させ、糖尿病を悪化させるのですが、そのことによりさらにAGEの生産が高まり、糖尿病やメタボリックシンドロームを悪化させるという悪循環が生じるのです。
動脈硬化の原因
上にも書きましたが、AGEは血管壁のコラーゲンを硬化させます。
血管壁のコラーゲンは血管内側の内皮細胞と外側の血管平滑筋細胞の間にも存在て、血管に弾性を与えてクッションのような役割を果たしているのですが、蛋白質であるコラーゲンが糖によってAGE化することによって血管壁の弾力が失われ硬化することによって高血圧になるのです。
また、血管壁の弾性が失われると血流が滞ったりして血栓ができやすくなり、脳梗塞や心筋梗塞など重篤な病気に至ることになるのです。
アルツハイマーを誘引
脳血管中の糖の濃度が高くなることにより、脳内の蛋白質がAGE化することにより、アルツハイマー病の原因物質であるβ-アミロイドが作られます。
β-アミロイドは脳組織に沈着し、老人班といわれる班点をつくるのですが、これが広がると脳神経細胞を死滅させ、アルツハイマー病を引き起こします。
皮膚のシミやシワの原因
肌の柔らかさやハリを保っているのは皮膚のコーゲンなどのタンパク質です。
肌のコラーゲンは加齢に伴う長い年月で体温により加熱されてAGE化が進み、さらには太陽の紫外線などの影響も受けて変性して弾力性が失われてハリを失いタルミができたりシワができるのです。
また、AGEは褐色をしていることから皮膚に沈着してシミやくすみの原因になるのです。
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糖尿病の高血糖がAGEを増やす
AGEは私達の体内で作られます。
蛋白質と糖が体温で加熱されることによって、糖化してAGEが作られます。
体内でできるAGEの量は、
血糖値 × 持続時間 = AGEの量
で表すことができます。
AGEは健常な人の体内でも作られ、これが老化なのですが、
血糖値が高いほど、蛋白質と糖が結びつく量が多くなり、たくさんのAGEが作られ、老化が進み、また様々な疾患が引き起こされるのです。
糖尿病ではAGEがたくさん作られる
食事により食後高血糖が起こりますが、健康な人はインスリンの働きにより速やかに食前の血糖値に戻りますが、糖尿病の人は高血糖が長く続くためにそれだけ多くのAGEが作られるのです。
また、体内の蛋白質が糖化してAGEに変わっても、血中の糖の濃度が下がれば正常な蛋白質に戻ることができるのですが、血中の糖が長時間にわたって高い濃度が続くと元の蛋白質に戻ることができじ、毒性の高いAGEになってしまうのです。
AGEの蓄積を防ぐにはできるだけ早く血糖値を下げる必要があります。
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AGEは食べ物でも増える
AGEは蛋白質が糖と一緒に加熱されることによって作られ、私達は知らず知らずのうちに食品からAGEを体内に取り込んでいるのです。
食品としてのAGEとはどんなものでしょうか?
蛋白質と糖が調理によって加熱されてできたAGEは様々な食べ物や飲み物に含まれています。
キャラメルは牛乳と砂糖を焦げる寸前まで茶色になるまで煮詰めたものです。
キャラメルは牛乳の蛋白質(カゼイン)が砂糖とともに加熱され糖化したAGE物質なのです。
ホットケーキは、小麦粉(炭水化物=糖質)と牛乳(カゼイン=蛋白七タンパク質)を混ぜてキツネ色に焼いたものですが、ホットケーキの表面のキツネ色の部分はカゼインが糖化したAGE物質なのです。
コカコーラの黒色はキャラメルで着色された色で、AGEで着色されているのです。
食欲をそそる焦げ茶色はAGEがあるという証拠です
- キャラメル
- プリンのキャラメルソース
- 醤油味が香ばしいこんがりと焼けた焼き鳥
飲食物として体内に取り込まれたAGEは消化酵素により分解されますが、約7%は排泄されずに体内に留まってしまいます。
AGEを多く含む食べ物を頻繁に食べると、それだけAGEの体内蓄積量が増えていきます。
AGEを減らすには糖質制限
AGEを体内で発生させないためには血中糖を下げることが一番です。
糖尿病が怖いのは合併症が起きるからです。
糖尿病の合併症は血管壁の障害により起こり、治療方法はありません。
高血糖を下げればAGEの産生は減少するのです。
詳しく見る ⇒ 糖尿病の食事療法は糖質制限がベスト
糖尿病の食事療法は病人食ではありません。
糖尿病の食事療法は、「蛋白質(糖質)の摂取量を減らすだけ」でOKなのです。
糖尿病の食事療法は病人食ではありません。
- 糖尿病の食事療法は健康食
- 糖尿病の食事法は長寿食
なのです。
「生ものを食べる」、「こんがり焼けたキツネ色の食品を食べない」のも、糖尿病の合併症や老化を防ぐ1つの方法ですが、高血糖で発生するAGEの量の方がはるかに多いのです。
AGEは活性酸素とともに全身の老化や様々な疾病の原因になります
血糖値が高いならできるだけ早く血糖値を下げる努力をしてください。
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