コロナ禍で多い孤食は糖尿病や心疾患のリスクを高める
今日もご覧になっていただきありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。
糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、
糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。
今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えします。
はじめに
コロナ禍では三密を避けるため、
- 孤食
- 黙食
がすすめられています。
さらに、社会の高齢化に伴って高齢者の独居世帯が年々増加し、65歳以上の高齢者(約3,350万人)の6人に1人(593万人)は単独世帯だといわれます。
一人暮らしやコロナ感染で強いられる孤食は、
- うつ病
- 糖尿病
- 心疾患
のリスクを高めることが報告されています。
寂しい孤食では糖尿病や心疾患のリスクが高い
孤食とは「独りで食事をすること」です。
新型コロナ渦では感染拡大を防ぐため食事は孤食で、、、
高齢化が進み独居世帯では致し方なく孤食で、、、
孤食は寂しいものですが、
イギリスの研究グループは孤独が健康にどのような影響を与えるかの研究をおこない、
孤独が糖尿病のリスクを高めている
という結果を医学誌Diabetologiaに発表しました。
Loneliness and type 2 diabetes incidence: findings from the English Longitudinal Study of Ageing
詳しく見る ⇒ 原著論文
研究では、
糖尿病を発症していない50歳以上の成人4,112人を対象に、
12年間追跡調査したのです。
その結果、
12年間の追跡期間中に264人が糖尿病を発症し、
孤独感を感じている人では糖尿病の発症リスクが41%高い
ことが明らかになったのです。
多くの人は1人で食べている孤食の時にはより早く食べる傾向があり、
早食いは食後血糖値を急激に上げ、
メタボリックシンドロームやCVDのリスクを高めるのです。
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孤食では心疾患のリスクが高まる
孤食は心血管疾患の発症リスクを高めるとの報告もあります。
この研究は韓国のカトリック大学校の研究グループによるもので、
国民健康栄養調査のデータから、
65歳以上の女性590人を任意に抽出し、
- 孤食している
- 誰かと一緒に食事をしている
で2グループに分け、
栄養調査と健康調査を行ったのです。
その結果、
孤食をしているグループでは、
- 栄養摂取に対する意識が低い
- カロリー、炭水化物、食物繊維、ナトリウム、カリウムの摂取量が少ない
- 狭心症のなるリスクが2.58倍も高い
ということが判明したのです。
Association between eating alone and cardiovascular diseases in elderly women
a cross-sectional study of KNHANES 2016 data
詳しく見る ⇒ 原著論文
研究グループは、
孤食をしている高齢女性の8割は配偶者を亡くした女性で、
経済的に困窮し、栄養摂取量が少なく、外出をしない傾向があり、抑うつ状態にもなりやすく、
今回は女性を対象にしたが、同様の問題は1人暮らしの高齢男性にも当てはまる、と述べています。
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まとめ
東京大学の研究グループも同じような研究結果を報告しています。
高齢者の孤食は、
欠食、野菜や果物の摂取不足、肥満、低体重、うつ、死亡と関連しているというのです。
さらに、一人暮らしで孤食の高齢者は家族と一緒に食事をする高齢者よりうつ病になるリスクが女性で1.4倍、男性では2.7倍も高いそうです。
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