肥満や糖尿病で新型コロナが重症化しやすい科学的根拠
今日もご覧になっていただきありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。
糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、
糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。
今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝へします。
はじめに
コロナ感染がなかなか収まりません。
ワクチン接種も国民全員に行き渡るのは来年になるようだとか、、、
新型コロナウイルス感染が、
- 糖尿病
- 肥満
- 心疾患
などの基礎疾患があるヒトでは重症化しやすいと言うことは何回か書きました。
その理由は、
糖尿病や肥満患者では免疫力が低下しているから
ではないかと言われています。
肥満の人ほど「感染症悪化しやすい」科学的根拠
肥満の人ほど新型コロナ感染が重症化しやすい理由
これまでも、
など、
肥満や糖尿病と新型コロナウイルスの重症化についてはご紹介してきました。
肥満や糖尿病患者ではどうして新型コロナウイルス感染が重症化するのかについては必ずしも明確になっていないのですが、
に書きましたように、
免疫力が低下するからではないかと言われています。
先日の東洋経済オンラインに、
肥満の人ほど感染症が重症化しやすい科学的根拠
という特集が掲載されましたので、簡単にご紹介したいと思います。
詳しく見る ⇒ 東洋経済オンライン
解説していたのは東京慈恵会医科大学の森豊教授と松生クリニックの松生恒夫院長です。
結論から言えば、
今回の新型コロナに限らず、感染症は大敵でした。
高血糖が持続すると、細菌やウイルス、真菌(カビ)などに対する抵抗力が弱くなり、風邪や肺炎など感染症全般にかかりやすくなるからです。
昔から糖尿病患者は結核にかかりやすい、といわれてきましたが、それも同じ理由です。
ということで、
このサイトでもお知らせしてきたように、
「肥満や糖尿病患者では免疫力が低下しているから」
ということです。
私たちの血液の固形成分は、
- 赤血球(酸素運搬)
- 白血球(検疫機能)
- 血小板(血液凝固)
とそれぞれの働きを分担しているのですが、
白血球の一つである好中球には貪食作用という細菌やウイルスなどの敵を食べてしまう機能があるのですが、
血糖値が高くなるとこの貪食機能が低下してしまうのです。
さらに、糖尿病患者が感染症に罹患すると、TNF-αが分泌され、インスリンの効きが悪くなる(インスリン抵抗性が上がる)ために血糖コントロールが悪くなってさらに悪い方向に進んでしまうのです。
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血糖をコントロールしていればコロナ感染も怖くない
自分は糖尿病だからといって必要以上に新型コロナウイルス感染を怖がる必要はありません。
糖尿病というのは血糖値が高い状態ですから、
薬や食事で血糖値をキチンとコントロールできていれば必要以上に怖がることはないのです。
東洋経済オンラインでも、
中国河北省の7337人の新型コロナ患者のうち952人が糖尿病だったが、
人工呼吸器などが必要になった重症者や死亡者は血糖コントロールが悪かった528人で、
血糖コントロールが良好だった282人は軽症で済んだ、
と紹介しています。
血糖コントロールの目安としては、
血糖値が70〜180mg/dlの範囲だった患者は、180mg/dlを超えている患者に比べ、死亡リスクが抑えられていた、
そうです。
HbA1Cの値では、
血糖コントロールが良好なグループで7.3%、
血糖コントロールが悪いグループでは8.1%、
だったそうです。
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まとめ
糖尿病患者では免疫力が低下しているから新型コロナウイルスに限らず感染症に罹患しやすいのです。
しかし、血糖コントロールが良好であれば、
- 血糖値が70〜180mg/dl
- HbA1Cが7.3%
であれば重症化や死亡のリスクが低かったと言うことですから、
必要以上に怖れることなく血糖コントロールに気をつけてください。
なお、
BMIが35を超えれば死亡リスク40%、BMIが40を超えると死亡リスクは90%も増加するそうです。
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