痩せた女性でも糖尿病のリスクは高い
貴女は、
- 痩せ型タイプですか?
- 肥満型タイプですか?
糖尿病になりやすいのは、
- 太った人
- 大食いの人
だといわれていますから、
私は痩せているから糖尿病の心配はない
と思っていませんか?
順天堂大学の研究グループは、
痩せた女性は糖尿病のリスクが高い
という研究論文を発表しています。
どうして痩せた女性でも糖尿病になりやすいのでしょうか?
痩せた女性でも糖尿病になりやすい
糖尿病はメタボリックシンドロームの1つですから、
肥満は糖尿病のリスクファクター
であることは間違いありません。
自分は痩せているから糖尿病にはならない
と思っている女性が多いでしょうが、
順天堂大学の研究グループは、
痩せている女性でも糖尿病のリスクが高い
という研究論文を発表しています。
Characteristics of Glucose Metabolism in Underweight Japanese Women
Conclusions
Postmenopausal underweight women had more impaired glucose tolerance than young underweight women. In postmenopausal underweight women, the degree of glucose tolerance impairment was associated with decreased lean body mass, increased IMCL accumulation, and impaired insulin secretion.
詳しく読む ⇒ 原著論文
順天堂大学・大学院医学研究科・スポートロジーセンターの研究グループは、
- 20歳代の痩せた女性 : 31人
- 50~65歳の痩せた閉経後女性 : 30人
を対象にして研究を行ったのですが、
年代設定においては、
- 痩せた女性の割合がもっとも多い20歳代
- 糖尿病の発症リスクが高まる閉経後の年代層
を選んだのだそうです。
これらの対象者で、
- 75g経口ブドウ糖負荷試験
- 骨密度、筋肉量、脂肪量の測定
- 異所性脂肪の測定
を行ったのです。
異所性脂肪とは肝臓や筋肉の脂肪量のことで、脂肪の多くは皮下脂肪や内臓脂肪として蓄積されるのですが、肝臓や筋肉などに蓄積された脂肪は異所性脂肪と呼ばれるのです。
その結果、
痩せた閉経後女性では、
- 糖負荷試験で耐糖能異常をきたす人が多い
- インスリン分泌が低い
- 筋肉量の少ない人や筋肉内脂肪が多い人では血糖値が高い
ということが判明したというのです。
耐糖能試験とは一定のブドウ糖を飲んだ後の血糖値の推移を調べる試験ですが、
痩せた閉経後女性では37%が異常値を示し、同年代平均の同年代の17%に比べて倍の人数だったそうです。
痩せた女性の中で、
- 筋肉量の低下
- 筋肉に脂肪が蓄積
している女性では糖尿病のリスクが高く、
痩せた女性でも太った女性と同様に糖尿病の発症リスクが高い
ということが判明したというのです。
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日本人では痩せた女性が多い
肥満の判定には一般的にBMIが用いられますが、
日本肥満学会は肥満の基準を下記の様に定めています。
この基準では、
BMIが18.5未満は痩せ
と判定されるのですが、
日本人女性では、先進国の中で最も痩せた女性が多く、
日本人女性の、
- 8人に1人が痩せ
- 20代女性の5人に1人以上が痩せ
と判定されているのだそうです。
痩せた女性では高血糖になりやすい
- 太った人 ⇒ 不健康
- 痩せた人 ⇒ 健康的
と考えがちですが、
痩せているからといって健康だというわけではないのです。
最近は、肥満だけではなく、痩せた女性の健康が世界的に問題となっているのです。
今回の順天堂大学の研究グループの研究成果では、
痩せた女性でも糖尿病のリスクが高い
ということがわかったのですが、
健康的であるには筋肉の量や質が関係しているのです。
筋肉はブドウ糖を消費し貯蔵する人体で最も大きな臓器なのです。
痩せた女性では筋肉量が少なく食後にたくさんのブドウ糖を筋肉に取り込めないため高血糖になりやすいのです。
また、
筋肉の脂肪蓄積が多いとインスリン抵抗性が高くなりブドウ糖をうまく筋肉に取り込めないため高血糖になりやすいのです。
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痩せた女性の糖尿病リスクを改善するには
最近は無理なダイエットで、
- 無月経
- 骨粗鬆症
を引き起こす女性も少なくないのですが、
糖尿病の原因にもなるのです。
痩せを改善するといってむやみに体重を増やせば良いというわけで貼りません。
痩せによる糖尿病のリスクを改善するには、
質の良い筋肉を取り戻す
ことが必要なのです。
加齢に伴って糖尿病のリスクが高まるのですが、
その背景には、
蛋白質の摂取量不足による筋肉量の減少があるのです。
- バランスの良い食事内容
- 適度な運動
が重要です。
若い女性ではダイエットのために極端な炭水化物制限をしている人も少なくありませんが、糖質制限によるダイエットでは筋肉が分解されてエネルギー源として使われています。
これを回復するためには、
良質な蛋白質を摂ると同時に、
筋肉の量を増やす、負荷をかけたレジスタンス運動や、
筋肉の質を高める有酸素運動などが有効なのです。
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