相撲取りはなぜ糖尿病にならない?筋肉・内臓脂肪・運動量が理由だった
👉 相撲力士はあれだけ大量に食べているのに、
なぜ糖尿病にならないのか不思議に思いませんか?
👉 実は「太っている=糖尿病になる」とは限らないのです
実は、相撲力士は見た目は太っていても、一般的な肥満とはまったく異なる体の状態にあります。
結論から言うと、相撲力士が糖尿病になりにくい理由は、
・筋肉量が非常に多い
・内臓脂肪が少ない
・運動量が圧倒的に多い
という3点にあります。
この記事では、
・なぜ相撲力士は糖尿病になりにくいのか
・一般人の肥満との違い
・注意すべきポイント(実は安全ではない理由)
を、科学的根拠に基づいて分かりやすく解説します。
※本記事は、糖尿病の研究・治療薬開発に携わってきた医学博士が、科学的根拠に基づいて解説しています。
目次
相撲力士はなぜ糖尿病になりにくいのか
相撲力士は大量に食べるにもかかわらず、一般人と比べて糖尿病になりにくいといわれています。
その理由は主に次の3つです。
- 筋肉量が非常に多い
- 内臓脂肪が少ない
- 運動量が圧倒的に多い
糖尿病は血糖値が高い状態が続くことで発症しますが、
筋肉が多いほど血液中の糖を消費しやすく、血糖値が上がりにくくなります。
つまり力士の体は単なる肥満ではなく、
👉「血糖値が上がりにくい体」になっているのです。
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相撲力士でも血糖値は高めの人が多い
相撲力士は「あれだけ太っていても糖尿病にならない」との一方で、「相撲力士には糖尿病が多い」という正反対の声も見られます。
実は、相撲力士は糖尿病になりにくいとはいえ、血糖値自体は高めの人も少なくありません。
しかし、
日本相撲協会の健康調査(2018年など)では空腹時血糖が基準109mg/dLを超えた力士は約11%だったそうで、
肥満度やBMIが非常に高いにもかかわらず空腹時血糖値は一般の肥満や糖尿病患者と比べて基準値内にとどまる力士が多いのです。
つまり、相撲力士は、
血糖値は高めだが、糖尿病の発症までは至らない
という状態だと考えられます。
これは、
- 筋肉量の多さ
- 運動量の多さ
によって血糖がうまく処理されているためで、
「完全に健康」というわけではない点に注意が必要です。
相撲力士でも糖尿病になる人はいる
相撲力士は糖尿病になりにくいとはいえ、実際には現役時代に糖尿病を発症する力士も存在します。
- 元横綱 隆の里
- 元大関 若嶋津
- 元横綱 照ノ富士
- 元小結 千代大龍
などは現役時代に糖尿病で苦しんだことで有名な力士です。
元横綱照ノ富士は、膝のケガや糖尿病の悪化で度々休場しました。
2023年に両膝の手術と糖尿病の悪化で4場所連続休場した際には、
膝への負担を減らすため20kg以上減量、
禁酒を守った、
ことで糖尿病は改善の兆しが見えたそうですが、
再出場に備えて体重を急に増やしたところ糖尿病が悪化したそうです。
力士でも
- 食生活の乱れ
- 稽古不足
- 体重増加
などが重なると、糖尿病のリスクが高まります。
つまり「力士だから糖尿病にならない」のではなく、生活習慣によってリスクが大きく左右されるということのようです。
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内臓脂肪が少ないことが最大の理由
相撲力士が糖尿病になりにくい最大の理由は、内臓脂肪が少ないことです。
内臓脂肪はインスリンの働きを低下させるため、糖尿病の発症に強く関与することが知られています。
そのため、内臓脂肪が少ない力士は、
血糖コントロールが比較的保たれやすい状態にあるのです。
日本相撲協会の入門条件は、身長が167cm以上、体重が67kg以上ですからBMIは 24と、入門寺から肥満の一歩手前です。
力士はあの巨漢にして意外と体脂肪率が低く、
体重が274kgの小錦でさえ内臓脂肪は20%台だったそうです。
NHKの調査によれば、幕内力士の平均体脂肪率は23.5%で、現代の若者の体脂肪率と比べるとずっと低い値で、
力士は太っていてもメタボなどの生活習慣病を引き起こす内臓脂肪型の肥満ではないのです。
糖尿病のリスクを高めるのは「内臓脂肪」で、皮下脂肪は比較的影響が少ないとされていますが、
力士は見た目は太っていますが、実際には内臓脂肪が少なく、皮下脂肪が多い体型なのです。
糖尿病の原因となる内臓脂肪についてはコチラで解説しています
同じ肥満でも、
- 一般人の肥満(内臓脂肪型)
- 相撲力士の肥満(皮下脂肪型)
はまったく別物ということです。
力士は圧倒的な運動量と筋肉量
力士が1日に摂取するカロリーは8,000kcalだそうですから、女性の必要カロリー量の4倍を食べているのです。
しかし、相撲力士は毎日激しい稽古を行っており、運動量は一般人とは桁違いに多いのです。
また体も大きいことから基礎代謝も高く、何もしていなくても多くのエネルギーを消費します。
さらに筋肉量が多いため、
- 血糖を効率よく消費する
- インスリンの働きが良くなる
といった状態にあり、血糖値が上がりにくいのです。
筋肉は血糖を最も多く消費する臓器で、全身の糖の約80%は筋肉で処理されるといわれています。
つまり、力士の体は、
「食べても太らない」のではなく「食べても消費できる体」
なのです。
ただし引退後は糖尿病リスクが高くなる
注意が必要なのは、相撲力士は引退後に糖尿病を発症するケースが多いことです。
現役時代は、
- 激しい運動
- 高い筋肉量
によって血糖値が保たれていますが、
引退後は、
- 運動量の減少
- 筋肉量の低下
により、血糖コントロールが悪化しやすくなります。
つまり、
「力士は糖尿病にならない」のではなく「現役中は抑えられているだけ」ということなのです。
一般人が真似すると危険な理由
相撲力士の生活を見て、「たくさん食べても大丈夫」と考えるのは危険です。
一般人は力士に比べて、
- 運動量が少ない
- 筋肉量が少ない
ため、同じ量を食べるとエネルギー(糖)を消費しきれません。
その結果、
内臓脂肪が増える → 血糖値が上がる → 糖尿病
という流れになってしまうのです。
力士の生活は特殊な環境で成り立っており一般人がその真似すると糖尿病のリスクが高くなるのです。
糖尿病になりやすい人の特徴
では逆に、糖尿病になりやすい人にはどのような特徴があるのでしょうか。
代表的なのは次のような生活習慣です。
- 運動不足
- 筋肉量が少ない
- 食べ過ぎ(特に炭水化物)
- 内臓脂肪が多い
これらはすべて、
相撲力士とは正反対の状態です。
つまり、
糖尿病を防ぐポイントは、
「力士の逆をやらないこと」
ともいえるのです。
糖尿病を防ぐために本当に重要なこと
糖尿病にならないためには、
- 食べ過ぎない
- 主食(炭水化物)を調整する
- 筋肉量を維持する
ことです。
相撲力士の例から分かるのは、
「食べる量」ではなく、「筋肉と運動が血糖をコントロールする」という点です。
糖尿病は生活習慣を改善することで、予防・改善が可能な病気なのです。
放置すると糖尿病は自覚症状がないまま進行し、
気づいたときには合併症が進んでいることも少なくありません。
早めに食事や生活習慣を見直すことが重要です。
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まとめ
相撲力士が糖尿病になりにくい理由は、
- 筋肉量が多い
- 内臓脂肪が少ない
- 運動量が圧倒的に多い
という特殊な要因にあります。
しかし実際には、
- 血糖値が高めの力士もいる
- 引退後は糖尿病リスクが上がる
など、決して安全とは言えません。
重要なのは、
「太っているかどうか」ではなく、
筋肉・内臓脂肪・運動のバランスがとれているか
ということなのです。
糖尿病を防ぐためには、
食事と運動を見直し、血糖値を安定させる生活習慣を続けることが最も大切なのです。
日本糖尿病学会や厚生労働省も述べるように、糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。
詳しくは「糖尿病の食事療法まとめ」で解説しています。
⇒ 糖尿病の食事療法については、こちらの記事で詳しく解説しています
最終更新日:2026年4月 初掲載日:2015年2月


















