糖尿病は癌のリスクを上昇させる

糖尿病は自覚症状も体の不調も感じません。

糖尿病が怖いのは様々な合併症を引き起こすからです。

糖尿病神経症、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症などが三大合併症ですが、

糖尿病の人は癌になる確率が2倍も高いそうです。

そして、

糖尿病の女性は卵巣癌になる危険率は2.4倍も高いというのです。

糖尿病では、

  1. 神経障害(足切断)
  2. 網膜症(失明)
  3. 腎症(人工透析)

が三大合併症ですが、

がんも糖尿病の合併症といえるほど、

糖尿病患者でのがん発症率が高いのです。

 

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糖尿病患者は癌になりやすい

日本人の死亡原因は、

  • 第1位 癌
  • 第2位 心疾患
  • 第3位 脳血管疾患 

 であることは皆さんご存じだと思います。

 

糖尿病における高血糖は血管傷害を引き起こしますので、心筋梗塞や脳梗塞を起こします。

糖尿病の血管障害

 

しかし、それだけではなく、

  • 糖尿病患者は癌になりやすい
  • 糖尿病患者は発癌後の死亡率が高い

という糖尿人には見過ごせない研究結果もあるのです。

 

糖尿病患者は癌になりやすい

この研究はデンマークで行われた研究ですが、42万6,129人の癌患者について、

  1. 糖尿病ではない
  2. 糖尿病だが薬物療法を受けていない
  3. 糖尿病で血糖降下薬を服用している
  4. 糖尿病患者でインスリンを注射をしている

の4群に分けてデータ解析をしたのですが、

 

  • 糖尿病患者では、
     大腸癌
     乳癌
     卵巣癌
     子宮癌
     膀胱癌
    の全ての癌での死亡率が高かった

  • インスリン投与している糖尿病患者では、
     直腸癌
     肺癌
     前立腺癌
    での死亡率も高かった

糖尿病患者は癌になりやすい、ということが判明したのです。

 

糖尿病患者は癌の予後が悪い

さらに、

70歳で癌と診断された糖尿病患者で2年生存率をシュミレートしたところ、

男性では

  • 糖尿病ではない人   : 70%
  • 糖尿病患者      : 60%
  • インスリン投与糖尿病患者 : 20%

女性では

  • 糖尿病ではない人   : 80%
  • 糖尿病患者      : 70%
  • インスリン投与糖尿病患者 : 30%

糖尿病患者では発癌後の生存率が短く、インスリン投与糖尿病患者では特に予後が悪い、という結果だったのです。

 


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日本人でも糖尿病患者ではがんが多い

上に紹介した研究成績はデンマークでおこなわれたものです。

同様な研究は日本で、国立癌センターでもおこなわれています。

     詳しく読む ⇒ 多目的コホート研究(JPHC研究)

 

この研究では、1990年と1993年に、岩手県二戸、秋田県横手、長野県佐久、沖縄県中部、茨城県水戸、新潟県長岡、高知県中央東、長崎県上五島、沖縄県宮古、大阪府吹田の10保健所管内に居住する、

40~69歳の男女10万人を対象に、2003年まで11年間に亘って追跡調査しています。

  • 男性46,548人(7%が糖尿病)
  • 女性51,223人(3%が糖尿病)

糖尿病と発癌の関係

調査開始後11年間に、

  • 男性3,907人
  • 女性2,555人

で何らかの癌に罹患したのですが、

  1. 糖尿病の男性が癌になる危険性 : 1.27倍高い
  2. 糖尿病の女性が癌になる危険率 : 1.21倍高い
  3. 糖尿病に人は20~30%、癌なりやすい傾向がある

ということが分かったのです。

 

さらに、癌の部位別に調査してみると、

  • 男性糖尿病患者 : 肝癌、腎癌、膵癌、結腸癌、胃癌 になりやすい
  • 女性糖尿病患者 : 胃癌、肝癌、卵巣癌 になりやすい

ことが判明し、

 

なんと、糖尿病女性は卵巣癌になる危険率は2.4倍 も高いのです

糖尿病患者は癌になりやすい

どうして糖尿病患者は癌になりやすいのか

糖尿病患者がどうして癌にかなり安いのかは完全に解明されていません。

また、癌の種類によっても理由は異なると推察されています。

一つの仮説として、

  1. 肥満に伴い脂肪組織で TNF-α が産生されアディポネクチンの分泌量が低下
  2. 組織のインスリン抵抗性が高まる
  3. インスリン分泌が高まりインスリン様増殖因子結合蛋白質 が減少
  4. インスリン様増殖因子(IGF1)の活性が上昇
  5. IGF1が細胞増殖を誘導し、アポトーシスを抑制することから発癌

という課程によるのではないかと言われています。

糖尿病患者は癌になりやすい理由

 


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血糖値が高いと言われたら直ぐに食事療法

日本糖尿病学会でも2013年に、

糖尿病患者は非糖尿病者に比べて、

  • 癌の発症リスクが約1.2倍
  • 肝臓癌や膵臓癌は約2倍
  • 大腸癌は1.4倍

も高いリスクがあるとの警告を出しています。

  詳しく読む ⇒ 日本糖尿病学会

 

日本人の2人に1人が癌に罹患し、6人に1人は糖尿病か糖尿病予備軍だといわれています。

 

癌も糖尿病ももはや「国民病」といわれる誰もが見逃せない病気ですが、全く関係がなさそうな2つの病気には、非常に密接な関係があるのです。

 

健康診断で「血糖値が高い」と言われても自覚症状がないため放置している人が非常に多いのですが、

高血糖はあなたが知らないところでジワジワと動脈硬化を促進させ、心臓病、脳血管疾患、認知症、そして癌のリスクを高めているのです。

 

糖尿病の進行を止めることができるのは食事療法だけです

糖尿病の主治医はあなたです

 

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