中尾彬の豆鼓エキスは糖尿病に効果があるのか?

今日もご覧になっていただきありがとうございます。

臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。

糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、

日本糖尿病学会厚生労働省も述べるように、

糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。

今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えいたします。

 

はじめに

中尾彬さんが宣伝している、

 豆鼓エキスは糖尿病に効果があるのか

という質問がありましたので、調べてみました。

中尾彬も愛用の豆鼓エキスは効果があるのか

発売中止に伴い中尾彬さんとの契約は了しています

豆鼓エキスは糖尿病の血糖値を下げると言うことで新聞や雑誌などで大々的に宣伝していますから、

糖尿病の血糖値対策として購入し、愛飲している方も多いと思われます。

 

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豆鼓エキスのサプリメントを販売している日本サプリメント株式会社は、2016年9月16日、
「豆鼓シリーズに、有効成分として記載されているトリスが含まれていないこと等が判明し、特定保健用食品としての販売を終了いたします。」
と、発表しました。
         詳しく見る ⇒ 豆鼓エキスは糖尿病に効果がなかった

豆鼓とは何か?

豆鼓というのは、「トウチ」とか「トウチー」とか読むのですが、中国料理で使われる調味料で、黒豆を発酵させたものですね。

麻婆豆腐を作るときなどにはコクを出すために小量を入れたりして使われていますが、日本の家庭では余り馴染みがないですね、、。

Wikipediaで作り方を見てみますと、

作り方は、黒大豆を水で戻してから、蒸し、塩、麹と酵母の混ざったものを加え、発酵させた後、日陰で水分を減らして仕上げる。
現代の日本の浜納豆や大徳寺納豆などの寺納豆によく似ており、これらは中国の豆豉が奈良時代に日本に伝わったものとされている。
産地によって、麹カビの作用が強いものと、酵母菌の作用が強いものなどの違いがあり、風味も異なる。

なるほど、日本の浜納豆と同じ様なものなのですね。

豆鼓は発酵食品

その豆鼓のエキスが、糖尿病に良いと言うことで人気があるようです。

日本サプリメントというところでは糖尿病の血糖値に良いとして「豆鼓エキス」の健康食品を販売しています。

『豆鼓エキスつぶタイプ』は数多くの愛用者様に支えられ、特定保健用食品血糖値カテゴリーで6年連続通販売上げシェアNo.1、出荷数量は500万袋を突破しました。約1ヵ月分商品を新規にご購入いただいた方のうち90%以上がリピート購入を希望されています。

ということで、凄く売れているようです。

中尾彬も愛用

発売中止に伴い中尾彬さんとの契約は終了しています

麻丘めぐみも愛用

発売中止に伴い麻丘めぐみさんとの契約は終了しています

 

この写真は新聞や雑誌などでよく見ますよね、、。麻丘めぐみさんも糖尿病だとは知りませんでした、、、。

 


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豆鼓にはどんな効果があるのか

メーカーによれば、「豆鼓エキス」を食事前に内服すると、食事に伴う血糖値の急激な上昇を穏やかにする作用が有るのだそうです。

下の図は、日本サプリメントの公式ホームページから転用したものですが、確かに、食後血糖の上昇を抑えるのですね。

豆鼓と食後血糖を下げる

糖尿病の血糖値に良いとして、「豆鼓エキス」は数社が販売しているようですが、日本サプリメントの商品は、特定保健用食品に指定されているようです。

特定保健用食品とは、「各種の症状を改善する働きがある成分を含んだ食品」で、効果や安全性が科学的に確認されているとして、厚生労働省が認可したものですから、「豆鼓エキス」には「食後血糖の急上昇を抑える効果がある」ということなのですね。

「豆鼓エキス」は、メーカーにより違いもありますが、特定保健用食品との記載があれば、「血糖値が高めの方に適した食品」という表示を各都道府県の区政労働省が許可した商品です。

 


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豆鼓はどうして血糖値に効果があるのか

豆鼓の原料である黒豆には、血糖値の上昇を抑える効果はありませんが、製造過程で発酵させるときに麹を使用しますので、発酵の過程で生成される何らかの成分が血糖値を下げると考えられています。

血中のブドウ糖は炭水化物が分解されたものです。

炭水化物はブドウ糖がたくさん繋がった構造をしているのですが、最終的に、ブドウ糖が2つ繋がった「二糖類」が「α-グルコシダーゼ」という酵素によって切られることによって「ブドウ糖」に分解されて、腸管から吸収されて血液に入るのです。

炭水化物の消化

豆鼓エキスには二糖類を切り離してブドウ糖にする酵素であるα-グルコシダーゼを阻害する作用が有るといわれています。

豆鼓の作用機序

2008年頃に、 北海道大学農学部の研究グループによって、豆鼓エキスに含まれるアミノ酸誘導体に、α-グルコシダーゼ抑制作用のあることが明らかにされたようです(その文献を探したのですが、残念ながらまだ見つかっていません)。

従って、豆鼓エキスは、α-グルコシダーゼ抑制して、二糖類からブドウ糖が作られる過程を阻害しますので、ブドウ糖の産生量が減少し、血中のブドウ糖濃度の上昇が抑制されるということなのです。

 


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α-グルコシダーゼ阻害薬

α-グルコシダーゼ阻害剤は糖尿病の薬としても開発されています。

α-グルコシダーゼ阻害薬については、下記のビデオで説明していますので、ご覧下さい。

[糖尿病ネットワーク]の“糖尿病3分間ラーニング”

α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)としては、下記の薬が医療用医薬品として開発されています。

α-グルコシダーゼ阻害薬は「食後血糖改善薬」として糖尿病患者に処方されます。

主な薬剤名は下記の表に記載しました。既に特許も切れ非常にたくさんのジェナリックが販売されていますが、武田薬品のベイスンの売上げは2005年には500億円に達した、糖尿病では大ヒット製品です。

一般名 商品名 販売会社 最高年売上高

(億円)

アカルボース グルコバイ バイエル薬品 140
ボグリボース ベイスン 武田薬品 500
ミグリトール セイブル 大日本住友製薬 200

豆鼓エキスを飲んだ方が良いか

「豆鼓エキス」に、「特定保健用食品」との表示があれば、「血糖値が高めの方に適した食品」として各都道府県の区政労働省が許可した商品ですから、効果は期待出来るでしょう。

しかし、あくまでも薬ではなく、特定保健用食品ですから、効果は当然、医薬品であるαーグルコシダーゼ阻害剤より劣ることは明白です。

したがって、血糖値が高いと診断された糖尿病の方は医者の処方する医薬品を服用すべきです。

「隠れ糖尿病」や「血糖値がやや高い」といわれている方は食事前に服用することによって、食後血糖の急激な上昇を抑えることが期待出来るでしょうが、「豆鼓エキス」を飲めば、「何を食べても良い」、「たくさん食べても良い」ということではありません。

「豆鼓エキス」を飲んでも、炭水化物をたくさん摂れば当然血糖値は上昇することを念頭に置いて、

   食事療法の補助手段

考えたほうが賢明でしょう。

豆鼓エキスの他にも、

  • キクイモ(イヌリン) : α-グルコシダーゼ阻害作用

     詳しく見る ⇒ キクイモの血糖低下作用
     

  • 桑の葉(デオキシノジリマイシン) : α-グルコシダーゼ阻害作用

  があるといわれており、様々な健康食品が出されています。

しかし、「豆鼓エキス」を飲んだ方が、下記のような書き込みをしていました。

一ヶ月程服用の後、定期健診に臨んだところ、肝機能に異常があると言われました。その後服用を止め再度医師に診て貰ったら正常値に戻ったとの事でひと安心。この種のものは大概においてそうですが合う合わないがあるものです。健康になる為服んだもので却って健康を害してしまっては元も子もありませんので本格服用前にまず係りつけのお医者さんに御相談される事を勧めます。今現在本錠を服用中の方で肝機能に異常があると診断されている方は一度確かめてみられてはいかがでしょうか。

健康食品だから、トクホだから安全というわけではありません。

糖尿病予備軍も病気の範疇なのですから、定期的に医者の診察を受けて、糖尿病への伸展をチェックする必要があります。

いずれにしても、

糖尿病の治療は、食事療法と運動療法が基本

だということを忘れないでください。

 

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