製薬会社で20年以上、新薬の研究開発に携わった経験をもとに、科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えしています。
糖尿病治療では、日本糖尿病学会や厚生労働省も示しているように、食事療法と運動療法が基本です。
はじめに
コロナの大爆発は収まったようです。
しかし、東京では相変わらず数十人の新規感染者が出ていますし、
地方でも新規感染者が散発しており予断を許しません。
糖尿病は新型コロナウイルス感染を重症化する、、
肥満は新型コロナウイルス感染による死亡リスクを高める、、
などと、肥満気味の人や血糖値が高めの人は心配でしたね。
今日見つけた論文は、
健康な人でも新型コロナウイルス感染で糖尿病になる
というものですが、どういうことなのでしょう。
新型コロナウイルス感染で糖尿病になる
今回の新型コロナウイルス感染においては、
血糖管理が充分でない人では、
インスリンが十分に働かなくなるために肺炎が重症化することが多数報告されているのですが、
今回発表された論文では、
新型コロナウイルスに感染すると、
健康な人でも糖尿病になってしまう可能性がある
というのです。
New-Onset Diabetes in Covid-19
これは、アメリカ、イギリス、オーストラリア、ドイツ、イタリア、中国など多くの国からなる「CoviDiabプロジェクト」グループの研究によるもので、イギリスの科学雑誌に発表されたのですが、
新型コロナウイルスに感染すると、
血糖コントロールが不充分になり、
インスリン投与が必要となる糖尿病を発症する可能性があるというものです。
新型コロナウイルスは、
糖尿病患者の血糖コントロールを悪化させる
ことが分かっていますが、
糖尿病でない健康人の血糖コントロールを悪化させインスリン投与が必要になる
というのです。
ウイルス感染で糖尿病のリスクが高まる
糖尿病が新型コロナウイルス感染の重症度と死亡リスクを高めることは多くの報告があるのですが、
糖尿病にどのように影響をおよぼすかについては、まだ不明な点が多いのです。
そして、
- コロナウイルス感染ではどのくらい糖尿病を発症するのか?
- コロナウイルス感染で発症した糖尿病は感染治癒後も持続するのか?
- 新型コロナウイルス感染は将来に糖尿病を発症するリスクを高めるのか?
などの不明な点があるとして、CoviDiabプロジェクトの研究者は国際的研究を呼びかけています。
Coronavirus could trigger diabetes in previously healthy people
詳しく見る ⇒ 原著論文
1型糖尿病の原因はウイルス感染
糖尿病には、
- 1型糖尿病
- 2型糖尿病
という2つのタイプがあることはご存知だと思います。
糖尿病の95%以上は2型糖尿病で、
2型糖尿病の原因は、
肥満や食生活、運動などの生活習慣が原因なのですが、
1型糖尿病の大きな原因は、
- 自己免疫
で、自分自身の免疫細胞がインスリンを分泌する膵臓のβ-細胞を壊してしまうことに起因するのですが、
- ウイルス感染による膵臓炎
- ウイルス感染に対する免疫応答
が引き金になるのではないかと言われているのです。
まとめ
糖尿病患者では、
新型コロナウイルスに限らず、
2009年のH1N1型インフルエンザでも、
MERS(中東呼吸器症候群関連コロナウイルス)でも、
死亡リスクが高いことが報告されています。
しかし、
糖尿病だからといってむやみに恐れることはありません。
糖尿病でも血糖コントロールが良ければ必要以上に新型コロナを恐れる必要はないのです。



