遺伝による糖尿病体質を改善する方法
糖尿病は遺伝するのか、、、
糖尿病になる体質は遺伝します。
両親が糖尿病だとしたら、あなたも糖尿病になると思ってください。
糖尿病は遺伝するのか
健康診断の問診票には下記のような設問があります。
- あなたの両親は糖尿病ですか?
- あなたのお父さんの親は糖尿病でしたか?
- あなたのお母さんの親は糖尿病でしたか?
どうしてでしょうか?
それは、糖尿病は遺伝するからです。
糖尿病の発症には遺伝的要因が深くかかわっています。
両親とも2型糖尿病だった場合には、子供が60歳までに糖尿病になる確率は50~60%だといわれています。
また、両親のいずれかが糖尿病の場合には25%~30%の確率で糖尿病になるといわれています。
あの話題の理研化学研究所では糖尿病の遺伝子について研究をしていますが、その報告によれば、2型糖尿病には「KCNQ1(ケーシーエヌキューワン)」という遺伝子が関与していることが明らかになっています。
KCNQ1遺伝子は、カリウムチャンネル遺伝子のひとつで、心臓の筋肉でとても重要な働きをしている遺伝子なのですが、この遺伝子を持っている人は2型糖尿病になるリスクが1.3~1.4倍高くなるそうです。
日本人は糖尿病になりやすい
日本では過去40年間に2型糖尿病患者数は30~50倍に増加しましたが、欧米での増加率は5~10倍に留まっています。
国際糖尿病連合(IDF)の世界の糖尿病に関する最新の調査によると、日本の糖尿病患者数は721万人で、世界ランキングでは第10位です。
しかし、人口に対する患者数で比較すると、日本の患者数は欧米の1.5~2倍に相当します。
詳しく見る >>> 世界の糖尿病患者数
日本人の食生活は西洋化したといわれますが、それでも日本人の摂取カロリーは欧米人に比べ、て低く、肥満者も少ないにもかかわらず2型糖尿病が多いのは、日本人は民族的に2型糖尿病になりやすい体質(遺伝的素因)を 持っていると考えられています。
日系2世日本人は、遺伝的素因は日本人と変わらないのですが、日本人よりも2~3倍も2型糖尿病が多く、米国白人と比べると数倍以上も糖尿病が多のだそうです。
この事実は、日本人は環境因子、特に食生活の影響を受けやすく、米国白人と同じ食生活をすると日本人の方が圧倒的に糖尿病になりやすいということを示しているのです。
同様なことは、日本だけに限らず、中国やインドなど多くのアジア諸国で見られており、日本を含むアジア人は糖尿病になりやすい体質を持っているといわれています。
アジア人では、とり過ぎた糖質を処理する能力が西洋人に比べて弱く、インスリンの分泌が約1/2と低いことに原因があるとみられています。
遊牧民族で肉や脂肪をたくさん食べてきた欧米の白人と異なり、アジア人は農耕民族で肉や脂肪をそれほど多くとっていなかったため、それほどインスリン分泌が必要がなかったからだと考えられています。
日本人やアジア人は、欧米の白人に比べて、エネルギー消費を抑える倹約遺伝子・節約遺伝子を持っており、余分なエネルギーが内臓脂肪として蓄積されやすく、さらに蓄積が限界に達すると遊離脂肪酸として運ばれて肝臓や筋肉に溜まりインスリンの働きが阻害されてしまうと考えられているのです。
また、皮下脂肪や内臓脂肪からは、「アディポネクチン」というホルモン物質が放出されて肝臓や筋肉に溜まる脂肪を燃焼して糖尿病を防ぐ役割をしているのですが、内臓脂肪が過剰に蓄積するとアディポネクチンの分泌が悪くなりメタボになるといわれています。
日本人やアジア人は、欧米人に比べて皮下脂肪は少ないのですが、メタボリックシンドロームや糖尿病と関係する内臓脂肪がつきやすいという体質を持っているのです。
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遺伝するのは糖尿病体質
やや難しくなってしまったのですが、
- 糖尿病は遺伝する
- 日本人は民族的に糖尿病になりやすい体質を持っている
ということはお分かりいただけたと思いますが、
ここで重要なのは、
遺伝するのは糖尿病体質
だということです。
親や親族に糖尿病の人がいる人は、糖尿病の家族歴がない人に比べて 糖尿病になりやすいことは事実なのですが、遺伝するのは糖尿病そのものではなく、 「糖尿病になりやすい体質」だということです。
糖尿病体質だけでは糖尿病にならない
糖尿病になりやすい体質だけでは糖尿病にはなりません。
「糖尿病になりやすい体質」という遺伝要素と、「食べ過ぎ」、「運動不足」などの環境要因が合わさって初めて糖尿病が発症するのです。
ですから、あなたが「糖尿病体質」を持っているとしても、「食べ過ぎ」、「運動不足」などの環境要因を排除すれば糖尿病になることはないのです。
糖尿病の環境要素
食生活
過食による摂取エネルギーの過多や栄養バランスの偏った食事は肥満の原因となります。
また、脂質の多い食事、ジュースや甘いもの、アルコールのとりすぎは肥満の原因です。
運動不足
運動不足は消費エネルギーを低下させ、同じカロリーを摂取しても当然肥満しやすくなります。
余分なブドウ糖の一部は皮下脂肪として蓄えられ、体脂肪率上昇の原因になります。
肥満
内臓脂肪の増加と糖尿病の発症については上にも書きましたが、糖尿病発症の大きなリスクファクターです。
摂取エネルギーの過多や運動不足は肥満を招き、糖尿病を発症させるのです。
肥満の人は肥満していない人に比べて糖尿病になる確率が5倍高いといわれています。BMI(体格指数)が25以上の人が肥満と判定されまが、BMIが同じ25以上でも、体脂肪率がそれほど高くない人と、中年以降に多い体脂肪率の高い肥満の人では、後者の方が糖尿病になる危険性は高いといわれています。
加齢
加齢は避けて通れませんが、年をとると身体のどの細胞でも老化が進み、その結果、膵臓の働きが衰えてインスリンの分泌量が減少ます。
また、身体の代謝機能も低下してきますから、過食による摂取エネルギーの増加や運動不足はより深刻な問題です。
体全体の機能低下は、より2型糖尿病になりやすいということを念頭に置いて他の環境因子の排除に努める必要があります。
ストレス
現代社会を生きていく上でストレスは避けてと売れませんが、ストレスも糖尿病発病の環境因子だと考えられています。
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糖尿病を防ぐことが出来るのはあなただけ
糖尿病体質は遺伝します。
糖尿病の遺伝体質は、50年前も今も変わりがないはずですが、なぜ、近年、糖尿病が爆発的に増加しているのでしょうか。
それは、「環境要因が大きく変化」しているからです。
昔は、数十年前は、「糖尿病体質」を持っていても糖尿病にはならなかったのです。
上に挙げた、「環境要因」を排除すれば、例え「糖尿病体質」を持っていたとしても糖尿病は発症しないのです。
あなたの「環境要因」を排除できるのはあなたしかいません。
あなたの糖尿病を防ぐのは、あなたしかできないのです。
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