糖尿病を治すなら糖尿病治療薬より行動変容が大事
今日もご覧になっていただきありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。
糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、
糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。
今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えいたします。
はじめに
最近、生活習慣変容とか行動変容という言葉を良く聞きますが、ご存じですか?
先日、「糖尿病は治るのか?不治の病なのか?」でも書きましたように、
糖尿病治療薬で血糖値を下げることはできますが、
糖尿病体質まで変えることはできません。
糖尿病治療の基本は「食事療法」と「運動療法」なのですが、
自分の食生活や運動習慣を変えるのが行動変容であり、
最近の糖尿病の治療では生活習慣の行動変容が見直されているのです。
行動変容とは
行動変容とは、
人の行動が変わること
をいいます。
糖尿病、肥満などの生活習慣病は、
- 食生活
- 運動習慣
- 睡眠
のような生活習慣が原因であることから「生活習慣病」といわれるのはご存じでしょう?
行動変容とはそのような生活習慣病の原因となった生活習慣を変えることを言い、
行動変容や生活習慣変容と呼ばれるのです。
行動変容のプロセス
人が行動を変える場合には、
- 無関心期
- 関心期
- 準備期
- 実行期
- 維持期
の5つのプロセスを経ると言われています。
無関心期 : 問題である自分の行動や生活習慣に気付いていない時期
関心期 : 自分の病気の原因は生活習慣にあるのだと気付く時期
準備期 : 生活習慣を変える(変容する)ための準備期
実行期 : 生活習慣を変えるために実行する時期
維持期 : 明確な行動変容が6ヵ月以上続いている時期
あなたも血糖値が高い原因は生活習慣にあると気付いているはずですが、
どの時期の相当しますか?
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生活習慣病は行動変容で治す
先日発売された週刊現代の8月24、31日号の特集は、
「薬で治さない生活習慣病の治療」
というタイトルでした。
この特集では、
国内の大学病院で初めて「行動変容外来」を開設した慈恵医大の横山敬太郎教授を紹介していました。
横山教授は、2016年に東京慈恵医科大学で行動変容外来を開設し、
行動変容外来診療医長を務めている方です。
以前は横山教授も「高血圧の患者にはとりあえず降圧薬を出すような“普通の”治療」をやっていたそうです。
降圧薬を飲めば血圧は一気に10~20mmHgほど下がるが、
根本的な治療にならないことに気付いたのだそうです。
糖尿病でも血糖低下薬を飲めば血糖値は下がるが糖尿病が治るわけではないのです。
しかし横山教授は、
薬を飲み始めれば数値(血圧や血糖)は下がるが、
数値が下がれば病気が治ったように感じて安心してしまうが、
薬で数字を下げても患者は本当に健康になったわけではない、
と感じたのだそうです。
その結果、
薬だけに頼らず生活習慣を治す取り組みを積極的におこなうようになったのですが、
それが、
糖尿病などの生活習慣病は生活習慣の行動変容で治す
ということなのです。
詳しく見る ⇒ 慈恵医大晴海トリトンクリニック
糖尿病の行動変容とは
では実際に糖尿病における行動変容とはどういう治療なのでしょうか?
今の糖尿病の治療は、
血糖値が高い → 血糖低下薬を飲む → 血糖値を下げる
という薬に頼った治療が一般的なのですが、
糖尿病は薬を飲まなくても、
健康的な食事をとり、運動量を増やすことにより、
糖尿病の発症を予防したり、遅らせることができる
ということなのです。
日本糖尿病学会で糖尿病診療ガイドラインにも明記しているように、
- 糖尿病の治療ではまず「食事療法」と「運動療法」をおこなう
- 食事療法と運動療法で血糖コントロールができないときには「薬物療法」をおこなう
と、食事療法と運動療法が第1番目に選択する治療法なのです。
しかし、
自分自身で「食事療法」と「運動療法」を継続するのは困難であることから、
医者と看護師があなたの「食事療法」と「運動療法」をサポートしようというおが行動変容外来なのです。
薬物療法だけに頼らず行動変容で糖尿病を治療しようとする動きが少しずつ高まっているのです。
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まとめ
糖尿病の治療の基本は、
- 食事療法
- 運動療法
なのですが、食事療法や運動療法をきちんとおこなわない人が多いことから、
薬物療法に移行してしまうのです。
糖尿病治療薬を飲んでも血糖値は下がりますが糖尿病体質は治らないのです。
食事療法と運動療法だけで糖尿病が治るのか?
しかし、
経済学者の 森永卓郎さんや、
腸内細菌学者の 藤田紘一郎さん は、
食事療法と運動療法だけでインスリン注射が必要だったほどの重度の糖尿病を克服しているのです。
あなたもできないはずはありません。
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