座る時間を短くすると糖尿病が改善する
糖尿病の治療の基本は、
- 食事療法
- 運動療法
であることは、あなたもご存じのはずです。
しかし、運動療法となると、
- ジョギング
- サイクリング
ついつい面倒くさくて長続きしません。
しかし、
運動療法といっても走ったりすることだけではありません。
座る時間を少なくすれば血糖値が改善するのです。
これは、アランダの研究チームが明らかにしたのですが、
あなたは座りすぎていませんか?
30分ごとに立ち上がるだけで良いのです。
それだけで糖尿病のリスクが下がるのです。
座る時間を短くすると糖尿病が改善する
糖尿病には運動療法が有効なことは誰でも知っています。
食後30分以内のウオーキングは食後高血糖を防いで糖尿病の改善に効果があるのですが、
食後のウオーキングはややおっくですよね、、、。
そんあなたにうってつけの情報です。
ときどき立ち上がったりりするだけで血糖値が改善する
という論文が発表されました。
Breaking sitting with light activities vs structured exercise: a randomised crossover study demonstrating benefits for glycaemic control and insulin sensitivity in type 2 diabetes.
CONCLUSIONS/INTERPRETATION : Breaking sitting with standing and light-intensity walking effectively improved 24 h glucose levels and improved insulin sensitivity in individuals with type 2 diabetes to a greater extent than structured exercise. Thus, our results suggest that breaking sitting with standing and light-intensity walking may be an alternative to structured exercise to promote glycaemic control in patients type 2 diabetes.
原文を読む ⇒ 原著論文
この研究は、オランダのマーストリヒト大学の研究グループによるもので、
- ときどき立ち上る
- 軽いウォーキングをする
などにより、座る時間を減らすことが運動療法になり得るかを調べたのです。
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研究では、
- 2型糖尿病の男性患者19人(平均年齢63歳)
を対象にして3つ群に分け、
第1の群では、
座位やや運動を、4日間おこなってもらったのです。
第2の群では、
ウォーキングを1日2時間行い、30分ごとに立ち上がって合計3時間を立位で過ごすもの(座位時間を減らすプログラム)。
第3の群では、
1日1時間を座位の代わりに室内でサイクリング運動を行うもの(運動プログラム)としました。
座位時間を減らすプログラムと運動プログラムではは、1日のエネルギー消費量が同じになるよう調整し、
- 座る群
1日に14時間座る
1日に4,415歩歩く - 運動群
1日に14時間座る
1日に4,828歩歩く+1.1時間のサイクリング - 座らない群
1日に4.7時間座る
1日に17,502歩歩く+4.7時間の立位か軽歩行
その結果、
- 座る時間を減らす
- 運動をおこなう
ことによって、
血糖コントロールが有意に改善する
ことが明らかになり、
特に、
座る時間を減らした群では血糖値の改善が最も良かった
のです。
驚きませんか?、
これは、たった4日間だけの結果なのですよ!!。
糖尿病には運動が良いといわれています。
アメリカの糖尿病学会では、
「2型糖尿病の予防のために中~高強度の運動を1週間に150分以上行うことを推奨」
しているのですが、糖尿病患者の10人に9人はこの勧告に従っていないといわれています。
今回の研究成果は、
座る時間を減らすことで血糖値が改善する
ということを明らかにしたもので、
糖尿病における運動療法に挫折する人にとっては非常に朗報です。
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座る期間が長いがんや心筋梗塞のリスクも高い
今回ご紹介した研究報告は、
座る時間を減らすことで血糖値が改善する
ということで、
逆から言えば、
座る時間が長いと糖尿病のリスクが高い
ということです。
このことについては、既にお知らせしましたので、読んでくださったと思います。
もう一度読む ⇒ 座る時間が長いと糖尿病のリスクが高い
座る時間が長いと寿命が短縮する
日本人は諸外国に比べて座る時間が長いそうなのです。
NHKが、世界20ヵ国における座っている時間を調査したところ、日本は調査した国の中で7時間と最も長いという結果が得られたそうです。
日本人はチョコチョコと動き回る方なのかな、、と思っていましたが、こには少々驚きました。
これは、NHKのクローズアップ現代「座りすぎが病を生む!」という番組で放映されたものです。
詳しく見る ⇒ 2015年11月11日放送 NHKクローズアップ現代
これによれば、
座りすぎは糖尿病や心臓病のリスクを高め寿命を短縮させるというのです。
座る時間が長いとさまざまな健康被害があるという報告はたくさんあります。
北海道大学の鵜川教授は、12万人の生活スタイルと病気の関係を20年に亘って追跡・調査し、
- 4時間以上座ってテレビを見ている男性は2時間未満の男性に比べて肺がんの発症率が30%高い
と報告しています。
座る時間が長いと、肝臓がんや慢性閉塞性肺疾患になるリスクも高くなるというのです。
NHKのクローズアップ現代でも紹介されましたが、
オーストラリアでは、45歳以上の男女225万人を3年間追跡調査した結果、
- 1日11時間座っている人は4時間以下に人に比べて死亡リスクが40%高い
ことが明らかになり、
国をあげて座りすぎ対策をおこなっており、
- 小学校では立ちながら授業を受ける
- 職場では1日2時間以上立って過ごす
ことを奨励しているそうです。
さらには、
オランダの研究チームは、2,497人の行動と血糖値を8日間にわたって追跡し、
対象者の大部分は1日9時間は座って過ごしていたのですが、
座る時間がさらに1時間長くなると、
- 糖尿病のリスク : 22%上昇
- メタボリック症候群のリスク : 39%上昇
することが分かったそうです。
座わる時間が長くなると代謝機能が低下し糖尿病のリスクが2倍上昇します
米国糖尿病学会は、
1日の座る時間を1時間30分減らすよう勧告しています。
糖尿病の予防や治療には運動療法が有効ですが、
座る時間を短くするだけでも糖尿病が改善するのです。
これなら、あなたにもできるのではないでしょうか。
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