糖尿病では肝臓がんのリスクが高い

臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。

糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、

日本糖尿病学会厚生労働省も述べるように、

糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。

今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えします。

 

はじめに

糖尿病は生命を脅かす病気ではないと思っていませんか?

糖尿病は血糖値が高いだけだから、、と思っていませんか?

高血糖状態が続くと糖尿病合併症がおこり、心筋梗塞や脳梗塞のリスクも高くなるのです。

しかし、

それだけではなく、

  • 糖尿病の人はがんになりやすい
  • 糖尿病ではがんが治りにくい

と、糖尿病ではがんのリスクが2倍高いのです。

糖尿病では、肝臓がん、膵がん、結腸がんになるリスクが大きいそうです。

あなたも高血糖値をこのままにしておいて大丈夫?ですか。

 

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女性の糖尿病は肝臓がんのリスクが高い

東京大学の齋藤 英子氏らは、2030年までに糖尿病よって発症する「がん」を予測しています。

それによると、2010~2030年までに、糖尿病による“がん”の発生件数は着実に増加すると予測されています。

 

そして、糖尿病により増加する“がん”は、

  1. 肝臓がん
  2. 膵がん
  3. 結腸がん

であるそうです。

Burden of cancer associated with type 2 diabetes mellitus in Japan, 2010-2030.

Cancer Sci. 2016 Apr;107(4):521-7. doi: 10.1111/cas.12902. Epub 2016 Mar 28.

 

 詳しく見る ⇒ コチラ 

 

斉藤氏らの報告によると、糖尿病は世界的に主要な疾病負荷で、その有病率は増加し続けているというのです。

疾病負荷とは、疾病によって失われる生命や生活の質の総合計のことで、要するに“がん”は多くの生命や生活の質を奪う疾患でだということです。

斉藤氏らは、国内で行われた8つの大規模疫学調査を解析し、2010年と2030年の糖尿病により発生する“がん”の発生率を推定しました。

 

それによると、

  1. 成人におけるがんの罹患率は2030年までに38.9%増加する
  2. 成人のがんによる死亡率は2030年までに10.5%増加する

    のですが、糖尿病によるがんの発症率については、

  3. 糖尿病により発症するがんは2030年までに男性で26.5%増加する
  4. 糖尿病により発症するがんは2030年までに女性で53.2%増加する
  5. 糖尿病により発症するがんは肝臓がん、膵臓がん、結腸がん

ということが分かったと報告しています。

 女性の糖尿病では肝臓がんが増え死亡率も高いということです

 


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糖尿病では“がん”のリスクが上昇する

斉藤氏の報告では、

  • 糖尿病により発症するがんは2030年までに男性で26.5%増加する
  • 糖尿病により発症するがんは2030年までに女性で53.2%増加する

ということなのですが、「糖尿病によってがんのリスクが高くなる」ということについては多くの報告があるのです。

 

このサイトでも、「糖尿病はがんのリスクを上昇させる」ことについては、ちょうど1年前にご紹介しましたが、お読みになられたでしょうか。

しかし、実は、

  • 糖尿病患者は癌になりやすい

だけではなく、

  • 糖尿病患者は発がん後の死亡率が高い

という、糖尿病の人には見過ごせない怖い研究結果もあるのです。

 

今回の斉藤氏の報告でも、糖尿病でがんになるリスクは女性の方が高かったのですが、国立がん研究センターの報告でも、

  1. 糖尿病の男性ががんになる危険性 : 1.27倍高い
  2. 糖尿病の女性ががんになる危険率 : 1.21倍高い
  3. 糖尿病に人は20~30%、がんなりやすい傾向がある

と報告されています。

  • 糖尿病患者では発がん後の生存率が短い
  • インスリン投与をしている糖尿病患者では特に予後が悪い

という、非常に暗い位結果が得られているのです。

 

糖尿病予備軍でもがんのリスクが高い

自分はやや血糖値が高いだけでまだ糖尿病ではない、と安心していてはいけません。

 

前にもご紹介したのですが、糖尿病予備軍でもがんのリスクが高いのです。

日本がん研究センターが報告しているのですが、

血糖値とがんのリスクとの関係について、

  1. 糖尿病予備軍と糖尿病群で大腸癌のリスクが上昇
  2. 糖尿病予備軍でもでも肝臓がんや膵臓がんのリスクが上昇

と報告しています。

糖尿病で血糖値が上がると肝臓がんのリスクが高い

まだ、糖尿病予備軍だからと安心してはいられないのです。

 

高血糖ががんのリスクを高める

なぜ糖尿病になるとがんのリスクが高いのかについてはまだ完全に明確になったわけではありません。

現在のところでは、

  1. 高血糖による酸化ストレスがDNAを損傷させる
  2. 高血糖はがん細胞の増殖を助長する

のではないかと考えられています。

 


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血糖値を下げればがんのリスクは下がる

糖尿病の高血糖はがんばかりではなく、深刻な合併症を引き起こします。

  1. 糖尿病性神経障害
  2. 糖尿病性網膜症
  3. 糖尿病性腎症

ですが、発がんのリスクがここまで高くなれば「がんもまた糖尿病の合併症」と考えられるかも知れません。

そして、「糖尿病は痴呆症のリスクも高める」のです。

 

ですが、高血糖を下げれば全てこれらの危険性は回避できるのです。

血糖値が高いのは何といっても第一は食事が原因です。

 

食生活を見直せば、糖尿病の合併症やがん、痴呆症のリスクも下がるのです。

 

血糖値を上げるのは炭水化物

このサイトでは何回もいっているのですが、血糖値を上げるのは炭水化物です。

焼き肉をいくら食べても血糖値は上がらないのです。

糖尿病で血糖値が上がれば肝臓がんのリスクが上がる

ですから、「低炭水化物食」がブームになるのです。

しかし、

  • 主食を食べない
  • 炭水化物ゼロ

など、極端なことをする必要はありません。

  1. 朝食のパンを半分にする
  2. 夕食のご飯を半分にする

これなら無理なくできるのではないでしょうか、、、。

 

貴方の血糖値の状況によって貴方に合った食事法を選択して下さい。

高血糖の原因は貴方の食生活が原因です

食事の見直しで血糖値を下げれば肝臓がんのリスクも下がるのです。

 

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