糖尿病を予防するなら歯みがき|日本経済新聞

今日もご覧になっていただきありがとうございます。

臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。

糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、

日本糖尿病学会厚生労働省も述べるように、

糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。

今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えいたします。

 

はじめに

日本の糖尿病患者は、糖尿病直前の糖尿病予備軍も含めると2,200万人もいるのだ。

このブログでも何回も紹介してきたように、

最近の研究で、

糖尿病には歯周病が深く関わっていることが明らかになってきている。

しかし、

糖尿病を担当する内科医と、歯周病を担当する歯科医では、

「糖尿病と歯周病の関連」に対する意識は低く、

患者に充分な情報が行き渡っていないというのだ。

今日の日本経済新聞・電子版に、「糖尿病を予防したければ歯医者へ行け」という特集が掲載されたのだが、ご覧になったでしょうか?。

ご覧になっていないあなたのために、簡単に要約したいと思います。

 

Sponsored Link

 

糖尿病を予防したければ歯医者へ行け

この記事は、2016年11月15日の日本経済新聞・電子版に掲載された。

  • 糖尿病専門医の西田亙氏
  • 歯科医の森昭氏

との対談形式の記事だが、記事の内容を要約してみよう。

西田氏は、愛媛大学、大阪大学で糖尿病の基礎研究を経たあと、糖尿病内科を開院したが、医科と歯科の連携の重要性を伝えるために全国各地で精力的にセミナーや講演を行っている。

森氏は、大阪歯科大学卒業後に勤務医として研鑽を重ねて歯科クリニック開業。
2007年にはメディカル&デンタルエステ協会を設立している。

 

歯周病の治療で18キロの減量に成功

内科医の西田氏は、糖尿病予備軍で歯周病も患っていたそうだ。

その頃の体重は92kg。

それが、

歯周病を治療したことによって、74kgと18kgもの減量に成功したのだそうだ。

 

日本経済新聞は歯磨きが糖尿病を予防すると特集

 

7年前に、血糖値が高めの糖尿病予備軍で、リンゴをかじると血だらけになるような歯周病だったそうなのだが、歯周病を治療したことにより、体重は18kgも減少し、74kgになったのだそうだ。

 

歯周病を治療するきっかけは、

歯科医師会で糖尿病と歯周病の講演をしたことで共同研究が始まり、

  • 食後にはフロスをする
  • 定期的に歯石を取ってもらう

ようになったのだそうですが、

歯をきれいにすると、

 汚したくないので間食が減り

自然に体を動かして汗をかきたくなり、ウオーキングや自転車での運動を始めたのだそうです。

 

一方、歯科医師の森氏は、歯周病の治療の一環で、

口の中をマッサージして唾液を出す処置

を施術していたのだそうですが、

唾液には、

  • 歯周病菌の力を弱める
  • 歯茎の傷を治して血管に菌が入るのを防ぐ

効果があるのですが、

患者さんから、

  1. 血糖値が下がった
  2. 血圧が下がった
  3. 更年期障害が軽くなった

という声を聞くようになったのだそうです。

 


Sponsored Link

 

歯周病はインスリン抵抗性を上げる

歯周病は、歯周ポケットに歯周病菌と言われる細菌が入り込んで増殖死、細菌が分泌するTNF-αなどの炎症性ホルモンが、血管から体内に入り、血糖値を下げるインスリンの働きを弱めるてしまうのです。

歯周病は糖尿病を悪化させるので早めの予防と日本経済新聞が報じた

インスリン抵抗性が増せば、

  1. インスリンの効果が弱くなる
  2. 血糖値が下がらない
  3. 膵臓はより多くのインスリンを分泌する必要がある
  4. 膵臓は疲れてインスリンが出なくなる
  5. 糖尿病になる

というステップで糖尿病に進行してしまうのです。

 詳しく見る ⇒ 歯周病が糖尿病を悪化させる理由

 

最近、歯周病と糖尿病の関係については次第に明らかになってきており、

歯周病を治すと糖尿病が改善するという事例も非常に多いのです。

 

歯周病の患者は8,000万人

国内の、

  • 歯周病患者は8,000万人
  • 予備軍を含む糖尿病患者は2,200万人

であることから、糖尿病患者はほぼ歯周病を持っていると考えられるそうです。

 

 

歯周病は、糖尿病を悪化させるだけでなく、

 唾液が少なくなるので味覚障害を引き起こし、

味がわからなくなって偏食になる人も多く、ハンバーガーとかフライドチキンなどの濃い味を好むようになり、血糖値は更に上がってしまう場合が多いそうです。

 

糖尿病における医科と歯科の連携はほとんどできていない状況ですから、森氏と西田氏は、血糖値が高めなら自分から歯周病の治療に歯科医を受診することを薦めています。

2016年4月から、

内科医が歯科医に糖尿病患者の紹介状を書けば、歯科医で抗生物質による歯周治療が直ちに開始できる

ようになたそうですから、糖尿病で受診しているヒトは是非、担当医に言うことを薦めています。

歯周病は進行すれば歯茎が腫れ出血するので容易に気付きますが、初期の段階では、口臭や口内のネバネバ感が早期診断の目印だそうです。

 


Sponsored Link

 

都道府県別の虫歯ランキング

各都道府県では、虫歯の患者さんがどれくらい居るのか、、、興味深いですね。

 

文部科学省が、毎年、全国の12歳児を対象に行っている学校保険統計調査では各都道府県別の虫歯の本数を発表しています。

2015年の調査結果では、

全国平均の虫歯の本数は0.99本でしたが、

都道府県別の一人当たりの虫歯本数が少ない県は、

  1. 新潟県 : 0.5本
  2. 愛知県 : 0.6本 
  3. 広島県 : 0.6本
  4. 岐阜県 : 0.6本

だったそうです。

全国平均では、0.99本ですから、上位の4県はいずれも全国平均を大きく下回っています。

 

なお、最下位は、

  • 沖縄県 : 2.2本

と全国平均の倍以上です。

日本経済新聞によれば歯周病を予防は糖尿病の予防につながる

新潟県は歯ブラシの購入額も全国一位

新潟県は、1999年から16年連続でトップの座を維持しているそうです。

新潟県は、20年以上も前から、学校と歯科医の連携による虫歯予防に取り組んでおり、

90%以上の保育園や小学校で給食後の歯磨きが実施されているそうです。

 

総務省による、家計調査によると、

新潟市の歯ブラシ購入金額は、全県庁所在地の中で1994年には2位、2000年には1位で、その後も購入額の上位にランクインしているそうですが、1975年では34位だったそうです。

1981年に始まった、「虫歯半減10か年運動」が背景にあるようです。

これらのことから、虫歯予防は、

  • 食後の歯磨き
  • きちんとした歯ブラシで磨く

ことが重要のようですね。

 

ちなみに、

沖縄県の虫歯の本数は新潟県の約4倍の2.5本。

沖縄県で虫歯が多いのは、アメリカ人も多く、チョコレートやキャンディーも多く販売していたり、暑いからアイスクリームをたくさん食べるからだろう、、、と思われるかも知れませんが、

那覇市の歯ブラシの購入額は、ほとんどの年で最下位

だそうです。

 

まとめ

食後のきちんとした歯磨き

歯周病の早期治療

これが糖尿病の予防に有効のようです。

 

関連記事(一部広告を含む)

コメントは受け付けていません。

サブコンテンツ

このページの先頭へ