製薬会社で20年以上、新薬の研究開発に携わった経験をもとに、科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えしています。
糖尿病治療では、日本糖尿病学会や厚生労働省も示しているように、食事療法と運動療法が基本です。
はじめに
ヨーグルトは糖尿病に良いのでしょうか?
これまでにも、
・ヨーグルトを食べている人では糖尿病の発症リスクが低い
・食事の前にヨーグルトを食べると食後の血糖値上昇が抑えられた
という研究結果が報告されています。
2026年6月の日本糖尿病学会において、明治や千葉大学の研究グループが、
ヨーグルトと血糖値について新しい研究結果を発表しました。
ヨーグルトを84日間食べると血糖値はどうなる?
研究では、
・糖尿病でない成人303人を対象に
・84日間、毎朝200gのヨーグルトを食べ
・フリースタイルリブレで血糖値の変化を測定
したのです。
その結果、
ヨーグルトを継続して食べた後には、
・平均血糖値
・血糖波形の振幅、
・血糖波形のなめらかさ
という3つの指標が有意に改善しました。
さらに、
ヨーグルトを食べる前と食べた後の腸内細菌についても調べたのですが、
・ヨーグルトを継続して食べることで腸内細菌叢が変化し腸内細菌などが増加
することが判明し、
・ヨーグルトを食べる前の腸内細菌叢(酪酸産生菌)の状態によって血糖値への効果に違いがある
という可能性も示されたのです。
少し難しいかと思いますので、簡単に解説します。
ヨーグルトを継続して食べると、
・血糖動態が改善した。
・腸内細菌叢が代謝的に好ましい方向に変化することが示唆された。
・酪酸生産菌が多い人ほど血糖動態の改善が良い
ということがわかったのですが、
具体的には、
・食後高血糖が抑えられた
・血糖値の振れ幅が小さく安定した
ということであり、
・血管へのダメージを抑えられる
・食後の眠気やイライラ感を抑えられる
ということなのです。
「腸内細菌叢の状態によって、血糖値への効果の出やすさに違いがある」ということは、
・腸内細菌が整っていた人ほどヨーグルトの効果が良かった
ということなのです。
これは、
・ヨーグルト(乳酸菌)が腸内の酪酸産生菌の働きを助けたことによって血糖値が安定すると考えられており、腸内細菌叢が整っている人ほど効果が出やすいということなのです。
腸内の酪酸産生菌が食物繊維を発酵分解して作る「短鎖脂肪酸(酪酸など)」が、インスリン分泌を促進するGLP-1の分泌を促すことが分かっているのです。
これは乳酸菌の働きですから、ヨーグルトに限らずヤクルトでも同じ効果が期待できるようです。
参考:明治「ヨーグルトの継続摂取により血糖コントロールが改善することと、腸内細菌叢の状態がその効果の出やすさに影響する可能性を、大規模介入研究により示唆」
糖尿病患者を対象にヨーグルトの効果を検証中
厚生労働省の臨床研究情報ポータルサイトに登録されている研究では、「糖尿病患者を対象にしたヨーグルトの臨床研究」も始められています。
35歳以上の日本人の糖尿病患者40人を対象に
1.ヨーグルトを食べる群
2.ヨーグルトを食べない群
フリースタイルリブレを使って、
・血糖値の変化
・血糖値が目標範囲内にある時間
・血糖変動
・食後の血糖値
などについても調べる計画です。
参考:厚生労働省 臨床研究情報ポータルサイト「2型糖尿病患者におけるヨーグルト摂取の安全性及びFreeStyleリブレ2を用いた血糖変動の探索的検討」
ヨーグルトと糖尿病についてもっと知りたい方へ
食後の血糖値とヨーグルトの関係については、こちらで紹介しています。
ヨーグルトを食べる人では糖尿病になりにくいのか、糖尿病予防の研究はこちらです。
ヨーグルト、プロバイオティクス、腸内細菌、脳腸相関についてはこちらで紹介しています。
まとめ
今日紹介した研究は少し難しかったかもしれません。
ヨーグルトは糖尿病や肥満に良い食べ物と言われています。
先日「むめいさんはマンジャロを使わずにどうして痩せられたのか」で紹介したように、むめいさんは、
・昼食をヨーグルト
・お菓子をヨーグルトに置き替え
をして8時間ダイエットにトライしたのですが、
ヨーグルトは、
・地中海食
・8時間ダイエット
などの健康食で推奨されている食品の一つなのです。
最終更新日:2026年9月









