握力が弱い糖尿病患者では死亡率が高い
以前に、
握力が弱いなら糖尿病かも知れません
という記事を紹介しましたがお読みくださったでしょうか?
読んでみる ⇒ 握力が弱いなら糖尿病かも知れません
このフロリダ大学の研究にはちょっと驚きましたね、、、。
握力測定で糖尿病や高血圧の診断ができる可能性があるというのです。
しかし、さらに、
イギリスの研究グループは、
握力が弱い糖尿病患者は心血管疾患などで死亡するリスクが高い
という研究論文を発表しました。
あなたは握力を測ったことがありますか?
握力が弱い糖尿病患者は心血管疾患や死亡率が高い
握力が弱い糖尿病患者は死亡率が高い
握力が弱い糖尿病患者は心血管疾患のリスクが高い
こんなショッキングな研究論文を発表したのは、
イギリスのグラスゴー大学の研究グループです。
1)Associations Between Diabetes and Both Cardiovascular Disease and All-Cause Mortality Are Modified by Grip Strength: Evidence From UK Biobank, a Prospective Population-Based Cohort Study.
2)Associations of grip strength with cardiovascular, respiratory, and cancer outcomes and all cause mortality: prospective cohort study of half a million UK Biobank participants.
詳しく読む ⇒ 原著論文1)
研究グループは、
イギリスのバイオバンクの登録者34万7,130人を対象に、
- 握力
- 心血管疾患の発症
- 死亡
について追跡調査したのです。
対象者34万7,130人のうちの1万3,373人(3.9%)は糖尿病患者だったそうです。
- 平均年齢55.9歳
- 平均BMI 27.2
- 男女比は46:54
その結果、
5年の追跡期間中に6,209人が死亡したのですが、
6,209人の死亡者中、
- 594人が心血管疾患が死因
- 4,301人が心血管疾患を発症
していたことが分かりました。
解析の結果、
糖尿病と死亡率や心血管疾患については、
糖尿病の患者では、
- 死亡率が高い
- 心血管疾患による死亡率が高い
- 心血管疾患の発症が高い
と言うことが明らかになったそうです。
さらに、
糖尿病の患者では握力が弱い
ことが分かったのですが、
- 握力の弱い糖尿病患者では死亡率が高い
- 握力の弱い糖尿病患者では心血管疾患による死亡率が高い
- 握力の弱い糖尿病患者では心血管疾患の発症が高い
ということも明らかになったとしています。
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握力が弱い糖尿病患者ではどうして死亡率が高いのか?
研究グループは、
更なる検討によって握力による糖尿病の予測も可能だとしていますが、
握力が弱い糖尿病患者ではどうして、心血管疾患や死亡率が高いのでしょうか?
1年以上前ですが、
と言う記事を書きましたがお読みくださったでしょうか?
アメリカのフロリダ大学の研究グループは、
Grip Strength as a Marker of Hypertension and Diabetes in Healthy Weight Adults.
詳しく見る ⇒ American journal of Preventive Medicine.
と言う論文を発表しています。
心臓病や脳卒中などの病歴がない20歳以上のヒトの健康診断結果を分析したところ、
- 糖尿病や高血圧だと診断された群の握力は健康人より低い
- 糖尿病や高血圧が疑われる群でも健康人より握力が低い
ということが分かったというのです。
さらに、カナダのマックマスター大学の研究グループは、
握力が5kg低下すると、
- 死亡リスクが16%高くなる
- 心筋梗塞や脳卒中など心血管病による死亡が17%高くなる
- それ以外の病気による死亡が17%高くなる
との研究論文を発表しています。
Prognostic value of grip strength: findings from the Prospective Urban Rural Epidemiology (PURE) study.
詳しく見る ⇒ Lancet. 2015 Jul 18;386(9990):266-73
このように、
握力と死亡率や心血管疾患とは密接な関係にあることが分かっているのです。
筋力の低下が糖尿病の原因になる?
血液中のブドウ糖を最も消費するのは筋肉です。
でご紹介したように、
摂取したエネルギーの70%は基礎代謝といわれる「身体を維持するためのエネルギー」として消費されますが、
基礎代謝の40%は筋肉が消費するのです。
すなわち、
摂取したエネルギーの40%は筋肉が消費しているのです。
したがって、
筋肉量が減ると血糖が上がり糖尿病のリスクが高くなるのです。
糖尿病患者では骨格筋量や身体機能が低下しているとの多くの研究報告もあり、
握力の低下=筋肉量の低下 との関係にあると考えられるのです。
糖尿病は血管の病気
糖尿病は血管の病気と言っても過言ではありません。
血糖が高い状態が長く続くと、血管壁が傷害されるのです。
そして、
糖尿病の三大合併症といわれる、
- 糖尿病神経障害
- 糖尿病網膜症
- 糖尿病腎症
も、血管壁の傷害により引き起こされるのです。
さらに大血管が傷害されると、
- 心筋梗塞
- 脳梗塞
という致死的な心血管疾患がおこるのです。
体がチクチクするは糖尿病のサインだということを書きました。
特に指先や足の先がジンジン、チクチクするのは末梢血管障害なのです。
指先や足先の血管壁が傷害され、血行が悪くなり神経に充分栄養素が行き渡らなくなっているからなのです。
糖尿病患者における握力の低下は指先の血行障害に起因するのかもしれません、、、
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糖尿病の改善は食事療法と運動療法が基本
糖尿病を改善するためには、
血糖値を下げること
です。
血糖値を下げるには、
- 食事療法
- 運動療法
が基本なのです。
薬物療法は食事療法や運動療法で改善がみられなかったときに行われるのです。
糖尿病の食事療法では炭水化物の摂取量を少し減らすだけで良いのです。
ゼロにする必要はありません、
- 朝食のパンを半分にする
- 夕食のご飯を半分にする
だけでも血糖値は改善されるのです。
でも書きましたが、
血糖値を上げるのは炭水化物の糖質だけなのです。
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