大豆ファーストはベジファーストより血糖値に良い
今日もご覧になっていただきありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。
糖尿病治療薬の開発を行っていた私が言うのも何ですが、
糖尿病の治療では食事療法と運動療法が基本なのです。
今日も科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えいたします。
はじめに
食後には誰でも血糖値が上がります。
食事中の炭水化物(糖質)が分解されてブドウ糖になって血液中に吸収されるからです。
しかし、
食後の急激な血糖値の上昇はグルコーススパイクといわれ、
グルコーススパイク糖尿病の悪化や合併症の原因になるのです。
しかし、あなたもご存じのように、
食後高血糖は食べる順番で変わるのです。
食物繊維の多い野菜から食べると、糖の吸収は穏やかに抑えられるのです。
これは、「野菜から先に」ということで、ベジファーストといわれるのですが、
ベジファーストよりも食後高血糖を抑える効果がある食べ方があるというのです。
それは、大豆なのです。
ベジファーストより大豆ファーストが血糖値に良い
血糖値が高い、、、糖尿病だ、、、という人は、
食べる順番
を意識しているはずです。
食後の血糖値の上昇は食べる順番で変わるからです。
詳しく見る ⇒ 食後高血糖は食べる順番で変わる
食後高血糖値をできるだけ上げないためには、
「野菜から先に」食べる、「ベジファースト」が効果的だといわれるのですが、
ベジファーストよりも効果的な食べ方があるというのです。
フジッコ(株)は、
食後血糖値の上昇を抑えるには、
食事の最初に蒸し大豆を食べる「大豆ファースト」が効果的
だとの検証実験の結果を発表しました。
「べジファースト」を超える「大豆ファースト」の有用性~
健康診断でも見つからない“かくれ高血糖”のリスクと対策~
詳しく見る ⇒ フジッコ・プレスセミナーリリース
この検証実験では、
- 健康な30~50代の健康な男女
を対象にして、
- ノーマル(塩おにぎり)
- べジファースト(野菜サラダ→塩おにぎり)
- 大豆ファースト(蒸し大豆→塩おにぎり)
の3つの食べ方と食後血糖値の変化を調べたのです。
- 塩おにぎり2個
- 野菜サラダ100g
- 蒸し大豆26g
大豆ファーストでは食後血糖値の上昇が抑制された
おにぎりの前に蒸し大豆を食べた大豆ファーストの群では、
食後高血糖値がノーマル群やベジファーストの群よりも抑制されたのです。
大豆ファーストでは満腹感がある
さらに、大豆ファーストの群では満腹感が、
ノーマル群やベジファーストの群よりも持続することも分かったのです。
フジッコの研究グループは、
- 大豆ファーストは少量で食後血糖値の上昇抑制効果がある
- 大豆ファーストは長時間に亘って満腹感が継続する。
- 大豆ファーストでは食物繊維の他に、蛋白質や大豆イソフラボンを摂取できる
としています。
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大豆は糖尿病に良い食べ物
今回の検証実験で、大豆は食後高血糖の上昇を抑制する効果がありましたが、
食後高血糖の上昇抑制効果は食物繊維
の影響によると考えられます。
食物繊維は糖質を包み込んで糖の吸収を穏やかにするのです。
アントニオ猪木さんが食前に大量のキャベルのキャベツの千切りを食べて糖尿病を克服したことは有名です。
しかし、
100g当たりの食物繊維
- キャベツ : 1.8g
- セロリ : 1.5g
- ゴボウ : 5.7g
- 大豆 : 17.1g
- 木綿豆腐 : 0.4g
- 納豆 : 5.9g
と、
大豆には食物繊維がキャベツの約10倍も含まれているのです。
キャベツの一玉は大きさによっても違うものの、栄養学では通常、
キャベツ1玉は1kgとされています。
一方、
パックに入った納豆の重量はおよそ50gです。
ですから、
キャベツ1玉の食物繊維 = 納豆2パックの食物繊維
という計算になります。
また、話は変わりますが納豆は血糖値を下げることも分かっています。
ベジファーストの真の意味は「先に食物繊維を食べる」ということなのですが、
その意味で大豆は非常に効率的なのです。
しかし、
大豆は炭水化物が多いから糖尿病には良くない食べ物だと思っていませんか?
乾燥した大豆100gの主な栄養素は、
当たりの含有量 単位:g)
- 炭水化物 : 29.5g
- 蛋白質 : 33.8g
- 脂質 : 19.7g
と、蛋白質が多いのです。
ですから肉食があまり一般的でなかった昔は、
大豆は畑の肉
といっていたのです。
その他にも大豆には、
- レシチン : 総コレステロールを低下させる
- オリゴ糖 : ビフィズス菌を増殖させる作用がある
- サポニン : 抗酸化作用、またコレステロールなど血中脂質の低下が期待できる
- イソフラボン : 骨粗しょう症の予防や更年期の不調を改善する
などの健康効果が期待できる成分が豊富に含まれているのです。
そして、
大豆コングリシンは肥満や糖尿病に良いでもお知らせしたように
東京大学大学の研究グループは、
大豆に含まれるβコングリシニンが脂肪分解を促すFGF21の分泌を促進する
ということを明らかにし、
大豆には糖尿病や肥満の予防効果がある
と発表しています。
さらに最近、
スペインの研究グループは、
という研究報告を発表し、
パン、米、卵などの半分を大豆食品に置き換えると糖尿病のリスクが低下する
と述べています。
日本人は昔から大豆食品をたくさん食べてきました。
あなたは大豆を食べていますか?
ベジファーストよりも大豆ファーストの方が実行しやすそうです。
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