製薬会社で20年以上、新薬の研究開発に携わった経験をもとに、科学的根拠に基づいた糖尿病関連の情報をお伝えしています。
糖尿病治療では、日本糖尿病学会や厚生労働省も示しているように、食事療法と運動療法が基本です。
はじめに
糖尿病だからと、ケーキやシュークリームなどの甘いものを制限している人が多いと思います。
しかし、最近では糖質を減らしたスイーツも数多く販売されています。
お菓子メーカーのシャトレーゼも多数の糖質カットスイーツを販売していますが、糖尿病でもこれらの「糖質カットスイーツ」を食べても大丈夫なのでしょうか?
糖質50%カットのシュークリームも血糖値を上げた
甘いものは大好き。でも糖質やカロリーのことを考えると、我慢してしまう、という人も多いと思います。
シャトレーゼの糖質カットスイーツ
お菓子メーカーのシャトレーゼでは、病気や健康のために甘いものを楽しめないという人にと、10年以上も前から「糖質カットシリーズ」を販売しています。
糖質を控えていても、心を満たせるようにと、砂糖・小麦粉をエリスリトールや食物繊維、大豆粉などに置き換えた数多くのスイーツを販売しています。
シャトレーゼの「糖質50%カットのダブルシュークリーム」の糖質量・カロリーをコンビニのシュークリームと比較してみると、
・糖質量は、コンビニ商品より約58~65%低い
・カロリーは、コンビニ商品より約22~39%低い
と、確かに低糖質で低カロリーのシュークリームのようです。
糖質50%カットのシュークリームでも血糖値は上昇したが、
山梨大学の研究グループは、
糖尿病患者20人(平均年齢:61.4歳、平均HbA1c:8.6%)を対象に、
シャトレーゼの2つのシュークリームの食後血糖値を比較しました。
| 比較したシュークリーム | 糖質量 |
|---|---|
| 通常のダブルシュークリーム | 15.4g |
| 糖質50%カットシュークリーム | 10.7g |
参加者は、
昼食の2時間後にそれぞれのシュークリームを違う日に食べて血糖値を測定しましたが、どちらのシュークリームかが分からないようにして食べていただきました。
その結果、
糖質50%カットシュークリームでも血糖値の上昇が認められました。
ただし、血糖値が上昇する時間帯には違いがあり、
| 食べたシュークリーム | 前日に比べて血糖値が有意に高かった時間帯 |
|---|---|
| 通常のシュークリーム | 摂取後15~60分 |
| 糖質50%カットシュークリーム | 摂取後90~105分 |
血糖値の推移や、測定期間全体の血糖値の反応では2品の間に有意な差は認められませんでした。
しかし、研究グループは、糖質50%カットシュークリームでは、
・血糖値が上昇するピークが遅くなる
・血糖値の変動が緩やかになる
ことが確認されたと述べています。
まとめ
糖質50%カットシュークリームでも通常と同じように血糖値は上昇したものの、血糖値の上昇が緩やかになる可能性があるそうですから、少しは安心です。
また、糖質カットシュークリームでも通常のシュークリームと同程度の満足感が得られたそうですから、甘いものを楽しみながら食事療法を続けるための選択肢の一つとして良いのかもしれません。
参考資料
山梨大学医学部附属病院「糖質オフデザートを用いた糖尿病患者における食後血糖管理と食欲抑制効果の検証」臨床研究登録番号:jRCT1031250027。2026年10月7日、研究結果公開。
臨床研究等提出・公開システム(jRCT)







