梅干しは糖尿病を予防する
梅干しは最近は余り食べられなくなってしまった食品ですが、梅干しはお好きですか?
梅干しには糖尿病を予防する効果があるのです。
ご飯を食べるときに梅干しを一つ食べてください。
梅干しの健康効果
梅干しは昔から「体に良い」とされてきた日本の伝統的な健康食品です。
梅干は紀元前200年頃から、梅酢を作った後の副産物として利用されていましたが、黒焼きにして腹痛、虫下し、解熱、など漢方薬として用いられていました。
戦国時代にも、保存食としてだけでなく、傷の消毒、食中毒や伝染病の予防になくてはならないものだったそうです。
県立和歌山大学の宇都宮准教授を中心とする医者や生物学者が参加した「紀州梅効能研究会」は、梅や梅干しの健康効果について研究しています。
詳しく見る ⇒ 紀州梅効能研究会
梅には、インフルエンザ予防、胃がん予防、糖尿病予防(血糖値上昇抑制作用)、食中毒予防、動脈硬化の抑制作用、血液浄化作用、抗酸化作用など様々な健康効果のあることが、科学的なデータに基づいて、医学的に検証・解明されています。
梅干しは糖尿病を予防する
上に示したように、梅干しには様々な健康効果があることが判明しています。
これらの効果は、科学的、医学的根拠に基づくもので、研究論文として報告されています。
私達に興味深いのは、「梅には糖尿病の予防効果がある」ということです。
梅には糖吸収抑制作用がある
横浜市立大学医学部の山川教授らのグループは、
梅エキスには血糖低下作用がある
と報告しています。
研究グループによると、
梅エキスにはα-グルコシダーゼを阻害する物質が含まれる
として、特許(特許番号:第4403457号)も取得しています。
α-リダクターゼは、が)の働きを効果的に阻害する成分が含まれていることを見いだしました。この研究成果についても、特許を取得しました。
炭水化物は、小腸でα-アミラーゼで二糖類に分解され、さらにα-グルコシダーゼによりブドウ糖に分解されて吸収されます。
α-グルコシダーゼ作用を抑えれば、糖の分解や吸収を遅らせ、血糖の上昇を抑えることができるのです。
α-リダクターゼを抑制する物質は糖尿病治療薬として使われています。
糖尿病治療薬である、グルコバイ、ベイスン、セイブルなどは、α-リダクターゼ阻害薬なのです。
研究グループは、マウスを使った動物実験などで、梅エキスのα-グルコシダーゼ阻害活性を確認し、トリテルペンの一種であるオレアノール酸(oleanolic acid) を活性物質として単離することに成功し、糖尿病予防効果があるとして特許を取得したのです。
梅エキスには動脈硬化を予防し脂質代謝を改善する
さらに、梅エキスには抗動脈硬化作用と脂質代謝改善作用があることも示唆されています。
(1) 抗動脈硬化作用
梅肉エキスは血中のアディポネクチン濃度に対する作用が認められています。
アディポネクチンには抗動脈硬化作用があり、肥満やインスリン抵抗性に深く関与しています。
このことから、梅エキスは動脈硬化を抑制し、インスリン抵抗性を改善する効果も期待されるのです。
(2) 脂質代謝改善
梅肉エキス投与により血中総コレステロールが低下することが確認されています。
梅肉エキスには多くの ポリフェノール類が含まれ、脂質代謝を改善する効果が期待されています。
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梅干しには抗酸化作用がある
糖尿病の原因の一つには、「活性酸素」が関与しているのではないかということが明らかになっています。
詳しく見る ⇒ 活性酸素は糖尿病の原因
活性酸素は非常に酸化力の強い酸素で、通常は、細菌やウイルスの除去などの働きをしており、健康維持のために必要なものです。
しかし、喫煙、ストレス、不眠、紫外線などの影響で体内にたくさんの活性酸素が作られると、
- 老化
- シワやシミ
- 癌
- 糖尿病
- 高血圧
呼吸で取り入れた酸素の約2%が活性酸素になるといわれています。
通常は、体内の活性酸素は、Super Oxide Dismutase(SOD)という酵素によって除去されるのですが、喫煙、ストレス、不眠、紫外線などの影響で大量の活性酸素が作られると、体の細胞が酸化され、老化や癌、糖尿病、など多くの病気の原因になるのです。
梅干しのポリフェノールは活性酸素を除去する
赤ワインにはポリフェノールが含まれ、抗酸化作用があることは良く知られています。
植物は太陽の紫外線を浴びることによってつくられる活性酸素から身を守る防御システムとして抗酸化力の強いポリフェノールをたくさん含んでおり、赤ワインの原料であるブドウにはたくさんのポリフェノールが含まれていますが、茶、リンゴ、コーヒー豆、タマネギ(皮)、リンゴなど多くの植物や果実にポリフェノールが含まれ、4,000種類以上のポリフェノールがあるといわれています。
梅にもリグナンいわれる物質が含まれています。
リグナンはポリフェノールの一種で、
- 抗腫瘍活性
- 抗酸化活性
- 抗肥満活性
などの効果があることが科学的に立証されています。
特に、リオニシノールという物質は抗酸化活性が強く、細胞や組織の酸化を防ぎ、癌や生活習慣病の予防に効果があるとみられているのです。
糖尿病の予防は、「炭水化物の摂取を少なくする」のが最も効果があります
詳しく見る ⇒ スタンダード糖質制限食のやり方
炭水化物の摂りすぎを抑えるためには、
- 朝食のパンを半分にする
- 夕食のご飯を半分にする
糖尿病の予防にはこれだけでも効果があります。
そして、今日から梅干しを1個プラスしてみたらいかがでしょうか。
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