糖尿病における血糖値の測定法の進歩
血糖値の管理はどのようにしていますか?
血糖自己測定機器の開発も進んでおり、
採血しないで血糖値を測定することももうすぐ可能になりそうです。
しかし、血糖値の自己管理は煩わしいものです、、、
非侵襲性血糖測定器の必要性
世界中には成人人口の6%に相当する、約2億人もの糖尿病患者がおり、年々増え続けているのですが、糖尿病予備軍をも含めればは、その数倍ものヒトがいると推移ていされています。
糖尿病患者や糖尿病予備軍では、高血糖や急性低血糖による危険を避けたり、糖尿病の病状の把握、さらには糖尿病の予防のために、毎日、頻繁に血糖値を測定する必要があります。
血糖値を把握するためには、糖尿病患者自身が簡単に自分で血糖値を測定できる血糖自己測定(SMBG)機器が必要です。
自己測定機器は、小型化し、小さな針で採血し、簡単に測定できるようにはなっていますが、頻回に採血する必要や、無痛とはいえない上に、使い捨ての針のコストなどから、採血せずに血糖値を測定できる非侵襲型計測器に対するニーズは非常に高まる一方で、
潜在市場は日本国内で1,000億円以上、全世界では3兆6,000億円以上と見積もられているのです。
非侵襲的血糖測定機の開発状況
非侵襲的血糖測定機の開発は世界各国で行われているのだが、1993年~2014年の間で米国登録特許が351件も出されているそうだ。
光学的測定法がリード
技術方式では光学的測定、電気化学的測定、物理的測定、その他の測定法などあるのだが、光学的手法や電気化学的手法を使った非侵襲的血糖値測定技術の開発が進んでおり、持続血糖測定(CGM)の可能性も高いのだそうだ。
侵襲性(観血的)血糖測定器を販売しているテルモは東京大学と共同で埋め込み式の血糖測定法の開発も行っている。これは、インスリン投与が不可欠な重症糖尿病患者や1型糖尿病患者が対象だが、
体内に埋め込んだ血糖測定器の測定値がインスリンポンプに送られ、血糖値の状態によって自動的にインスリンが投与されるというものです。
さらには、スマートホンを用いて総合的な生体情報の収集・管理において、非侵襲血糖測定をも組み込もうとする動きも高まっおり、糖尿病患者の利便性が向上すると同時に、
血糖管理の巨大市場が生み出される可能性あることから多くの企業の関心が集まっているのです。
血糖の測定部位
非侵襲的とはいうものの、血中のブドウ糖濃度を測定するのだから測定部位は、血管が近い体表部位が選ばれる。
体表から血中のブドウ糖濃度を測定する場合には、手指では毛細血管が発達していること、厚みがなく光が透過しやすいこと、衣服を脱がずに測定できることなどのメリットがあり、侵襲的測定法でも汎用される指先で測定する方法が一番実現性が高い。
しかし、血液だけで無く、涙や眼房水、唾液などの体液や、呼気などで血中のブドウ糖濃度を測定する方法も考えられており、コンタクトレンズに測定用のセンサーを組み込んだ測定器も考えられているという。
詳細はこちら ⇒ ウエアラブル端末の進歩で血糖値の管理は大きく変わる
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国内での非侵襲的血糖測定法の開発状況
2015年4月11日から13日まで、国立京都国際会館で第29回 日本医学会総会 (2015 関西)が開催されたが、日本原子力研究開発機構は、手のひらサイズの非侵襲血糖値センサーの開発を発表した。
日本原子力研究開発機構による非侵襲血糖値センサーは、中赤外領域のレーザー光を使う方法だ。
ブドウ糖は、中赤外光を強く吸収するが、水やアルコール以外の生体成分による吸収は小さいという性質が知られていたのだが、中赤外領域でのレーザー出力を高めることが技術的に困難だったことや、レーザー出力器の小型化がネックだった。
日本原子力研究開発機構は、指先サイズのYAGレーザー出力器の開発に成功し、これを励起する半導体レーザーやレーザーで励起される発振器と組み合わせにより、従来より10万倍の強さを持つ中赤外レーザーの作製に成功し、手のひらサイズ大の非侵襲血糖値センサーを作ることが可能になった。
測定はには指先に3秒程度、レーザーを照射する必要があるが、生体に当てても「痛くもかゆくもない」という。
試作機を用いて、血糖値の範囲が70~160mg/dLの健常者において、採血型の侵襲的血糖測定器との測定値を比較したところ、「臨床に必要な精度を得ることができた」と発表している。
さらに、今後の開発により、より血糖値の測定範囲での有効性を検証するとともに臨床試験に必要な手続きも進めるということで、非侵襲性血糖測定器の実現も間近のようだ。
血糖測定器を購入する場合には保険適用や医療控除も受けられますから、領収書は必ず保存しておいて下さい。
詳しく見る ⇒ 血糖測定器の購入では保険適用されるのか?
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