食後高血糖(グルコーススパイク)は、糖尿病の発症や悪化を引き起こすだけで無く、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞などの原因になると考えられています。

しかし、食後高血糖は食べ方を工夫することで抑えられる可能性があります。
この記事では、食後高血糖を抑えるための食べ方について解説します。
#筆者は製薬会社で20年以上、糖尿病治療薬の研究開発に携わってきた医学博士のけんぞうです。現在もフリースタイルリブレを使いながら、食事や運動が血糖値に与える影響を検証しています。
食後高血糖を抑える方法は3つある
まずは、ご自身の今の生活で取り入れられそうなものを一つ選んでみてください。
食後高血糖を抑える方法は大きく3つあります。
1.食後に運動して血液中のブドウ糖を早く消費する
【今日からできるアクション】食後にお皿を片付けるついでに、その場で足踏みをしてみましょう。
食後に体を動かすと、筋肉が血液中のブドウ糖をエネルギーとして利用します。その結果、食後高血糖を改善することができます。食事後に短い運動をすることで食後高血糖を抑えることが出来るのです。実際に私は運動は食後高血糖を下げることを実証実験で確認しています。
2.食べ方を工夫して食後高血糖を抑える
【今日からできるアクション】食事の最初の一口を、ご飯ではなく野菜やおかずから食べてみましょう。
同じご飯やパンを食べても、食べ方によって食後の血糖値の上がり方は変わります。この「食べ方の工夫」についてはこれから紹介しますが「食べ方で食後高血糖を抑えられる」でもヒントをお上げしていますから参考にしてください。
3.ご飯やパンなど血糖値を上げやすい食品を減らす
【今日からできるアクション】まずはいつものご飯を、お茶碗の8分目に減らすことから始めてみましょう。
血糖値を上げるのは主に食品の炭水化物ですが、同じ炭水化物でも血糖値を上げやすい食品と上げにくい食品があります。血糖値を上げにくい食品はGI値が低い食品や食物繊維の多い食品ですが、詳しくは「食べ物で食後高血糖を抑える」で解説していますから是非あわせて参考にしてください。
食べ方で食後高血糖を抑えられる
今日から意識を変えるだけで、食後の血糖値はコントロールしやすくなります。
食後高血糖を抑えるために、まず見直したいのが「食べ方」で、4つの方法があります。

① 食べる順番を変えてみる
【今日からできるアクション】ベジファーストを意識して、食事の最初は必ず野菜から箸をつけましょう。
最も取り組みやすいのが、食べる順番を変えることです。ご飯やパンを最初に食べるのではなく、野菜やおかずを先に食べることで、糖の吸収をゆるやかにすることができます。最近ではベジファーストとして知られるようになりました。

私もフリースタイルリブレで検証「実証実験: ベジファーストで食後高血糖を抑えられるか」してみましたが、サラダを先に食べるだけで血糖値のピークが約10mg/dL低下しました。
| 項目 | 前日 | ベジファースト |
|---|---|---|
| 糖質量 | 117.1g | 124.2g |
| 最高血糖値 | 183 mg/dl | 191 mg/dl |
| 2時間後血糖値 | 140 mg/dl | 130 mg/dl |
サラダを加えたことで、前日より糖質量が多かったにもかかわらず、ベジファーストを取り入れたことで2時間後の血糖値がより低く(130mg/dl)抑えられていることが分かります。
わずか約10%の差ですが、体重を10%減らそうと思えば大変な努力が必要です。食べる順番を工夫するだけで食後高血糖を10%も下げることが出来るのです。
まずは「サラダ→おかず→ご飯」の順番を試してみてください。もう少し詳しく知りたい方は、「 食べる順番で食後高血糖は変わる」もご覧下さい。
② よく噛んでゆっくり食べる
【今日からできるアクション】一口食べたら、一度お箸を置いてみましょう。
早食いをすると、ご飯やパンなどの炭水化物が短時間で吸収されるため、血糖値が急上昇しやすくなります。よく噛んでゆっくり食べると、インスリンの分泌が血糖値の上昇に間に合いやすくなります。食事は「一回20回噛んで20分以上かける」ことを目標にすると良いでしょう。
さらに、詳しいことは「フリースタイルリブレで食後高血糖を検証」で紹介しているのですが、牛丼は食後高血糖を爆上げしたのです。

これは牛丼の糖質が多かったことばかりではないのです。
汁ダクでの早食いが大きく関与しているのです。
③ 空腹時間を長くしない
【今日からできるアクション】食事の時間が空きそうなときは、ナッツ類など適度な間食を準備しておきましょう。
長時間空腹になると強い空腹感から一気に「ドカ食い」をしてしまいがちです。「ドカ食い」や「一気食い」は一気に吸収され血糖値が急上昇してしまうのです。

そのためには、空腹時間を長くしすぎないことも大切で、きちんと三食(朝食、昼食、夕食)を摂ることです(糖尿病の食事回数)。また、仕事が忙しく夕食が遅くなりそうなときには、適切な間食を摂ることも有効です。太るから、と間食を控える人も多いのですが、 糖尿病で間食をしていいのです。間食について更に詳しく知りたい方は、「 糖尿病の間食タイミングはこちら」を参考にしてください。
④ 朝食を抜かない
【今日からできるアクション】朝が苦手な方は、ヨーグルトやゆで卵など、手軽なものから口にしましょう。
会社に遅れる、学校に遅れるなどと朝食を抜く人が多いようですが、「朝食を食べない子供は糖尿病リスクが高い」という調査結果や、 「朝食を食べない人は動脈硬化リスクが高い」いう報告もあるのです。
朝食を抜くと、夕食から昼食までの空腹時間が長くなり、体は栄養を吸収しやすい状態になるため、昼食後の血糖値は急上昇しやすくなります。昼食での食後高血糖を防ぐためには、朝食を抜かないことも大切なのです。忙しい朝でも、ゆで卵やヨーグルト、納豆などを少し口にするだけでも違うのです。
まとめ|今日からできるアクション
まずは、3つの中から一つだけでも今日から実践してみてください。
食後高血糖を抑える3つの方法のうち、この記事では「食べ方について工夫する」について解説しました。食事療法というと難しく感じるかもしれません。しかし、最初の一口を変えるだけでも食後高血糖は改善できる可能性があります。完璧な食事療法を目指す必要はありません。
- 食べる順番を変える
- よく噛んでゆっくり食べる
- 空腹時間を長くしない
- 朝食を抜かない
小さな工夫の積み重ねが、食後高血糖を抑え、糖尿病の予防につながります。
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食べ方を工夫することは重要ですが、それだけではありません。食べ物選びや運動も組み合わせることで、より効果的に食後高血糖を抑えられます。
最終更新日:2026年6月





