肥満の人が炭水化物を摂り過ぎると糖尿病になる

糖尿病は生活習慣病といわれ、ふだんの生活習慣が糖尿病の発症や進行に深く関わっています。

肥満も糖尿病はや高血圧、脂質異常症などとともに生活習慣病の代表例です。

肥満の人が炭水化物を摂りすぎると糖尿病になりやすいのです。

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肥満で炭水化物を摂り過ぎると糖尿病になる 

糖尿病も肥満も、高血圧や脂質異常と同様に生活習慣病と言われるものです。

生活習慣病とは、生活習慣が発症の原因に深く関わっていると考えられる病気の総称で、生活習慣とは、食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等で、生活習慣病の発症や進行に大きく関わっていると考えられます。

なかでも、

  • 糖尿病の人は肥満になりやすい
  • 肥満の人には糖尿病が多い

など、肥満と糖尿病の関係は良く言われることです。

肥満の定義

それでは肥満とは具体的にどんな体型をいうのでしょう?

肥満はBMIという指数で判断されます。

 

BMI(Body mass index)とは、「身長の二乗に対する体重の比」で体格を表す指数です。

 BMI = 体重kg /(身長m)2

男性、女性ともに、BMIが22の時に高血圧、高脂血症、肝障害、耐糖能障害などの発症が最も低くなるといわれており、

 BMI=22 が理想体型

といわれています。

日本人の2001年~2008年の平均身長、平均体重とBMIとの関係をみてみると、

  • 男性 : 171.8cm、68.8kg = BMI  23.3
  • 女性 : 158.7cm、」51.2kg = BMI 20.3

それでは、BMI25とはどの位の体重をいうのでしょうか、、、、

  • 男性 : 171.8cm、73.8kg = BMI  25
  • 女性 : 158.7cm、63.0kg = BMI 25

いかがですか?

ホットされましたか?

    自分のBMIを計算してみる ⇒ BMI 計算ツール

しかし、「BMI25は甘すぎる」、「男性でBMI23、女性22」との意見もあるのです。

肥満で炭水化物の摂りすぎは糖尿病になる

金沢医科大学の櫻井勝教授らのグループは、

 肥満(BMI25以上)の肥満男性が炭水化物を食べ過ぎると糖尿病のリスクが上昇する

との報告をしています。

この研究では、

  • 男性 : 33~55歳(平均年齢45.9歳)
  • 人数 : 2,000人
  • 仕事 : 工場勤務
  • 平均BMI : 平均BMI23.4

を対象にして、

  1. 10年間
  2. 食事内容
  3. 糖尿病の発症

を追跡調査したのですが、

  • 1日の総摂取エネルギーに対する炭水化物の割合

に注目して検討したのだそうです。

その結果、

全体としては糖尿病の発症リスクとの因果関係は認められなかった

 BMI25以上の男性では炭水化物が摂取エネルギーの65%を超えると、50~57.4%の人より糖尿病発症リスクが2倍

に跳ね上がることが分かったそうです。

日本人男性の食事摂取基準では、炭水化物は摂取エネルギーの50~65%とされていますから、65%は明らかに炭水化物の摂りすぎだといえます。


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ゆっくり食べることが重要

金沢医科大学の櫻井勝教授は、ゆっくり食べることで糖尿病を防ぐことができるとも報告しています。

  • 糖尿病でない35~55歳の男性2,050人

について、7年間にわたって、

 食べる速さと糖尿病発症との関連

を検討したのです。

食べる早さは、自記式食事歴法質問票(DHQ)という栄養学的な手法で、対象者に食べる速さを5段階で自己評価してもらい、

  1. かなり遅い~やや遅い : Slow群 239人
  2. ふつう : Medium群 921人
  3. やや速い~かなり速い : Fast群 890人

の3群に分けて、7年間に亘って追跡したのです。

その結果、

各群の糖尿病発数は、

  1. Slow群        : 13人
  2. Medium群 : 80人
  3. Fast群         : 84人

だったのです。

これを統計解析手法で、年間1,000人当たりの糖尿病発者数に換算したのが下記のグラフです。

肥満者が炭水化物を食べ過ぎると糖尿病のリスクが高まります

年間当たりの糖尿病者発生数は、

  1. Slow群        : 9.9人
  2. Medium群 : 15.6人
  3. Fast群         : 17.3人

と、同じ食事でも「早く食べれば糖尿病になりやすい」ということが明らかになりました。

その理由は、このサイトで以前にもお知らせしたように、

 食後血糖値を急激に上げると糖尿病になりやすい

ということです。

同じ食べ物でも、「糖尿病を防ぐにはゆっくり食べる」ことが重要なのです。

血糖を上げるのは炭水化物だけ

糖尿病は血中の糖(血糖)が上がる病気です。

血糖を上げるのは食物や飲み物ですが、血糖を上げるのは炭水化物だけです。

 炭水化物 = 糖質 + 食物繊維

肉や魚を食べても血糖値は上がりません。

炭水化物の摂りすぎは肥満と糖尿病の原因です

ただし、野菜でもイモやカボチャ、ニンジンなどには多くの炭水化物が含まれますから、要注意です。

炭水化物の量を減らすといってもゼロにする必要はありません。

  • 主食を食べない
  • 糖質ゼロ

というような栄養指導をする本もたくさん出版されていますが、炭水化物は我々の体にも必要ですし、日本人である我々が、

  • 白米を食べない
  • うどんは食べてはいけない

というようなことを長く続けられる訳はありません。

  1. 朝のパンを半分にする
  2. 夕食のご飯を半分にする

これなら貴方もできるのではないでしょうか。

  詳しく見る ⇒ スタンダード糖質制限のやり方

炭水化物を制限するのではありません。

貴方は炭水化物を摂り過ぎているので、標準量に戻すのです。

余分な血糖は脂肪に変換され体脂肪として蓄積されるのです

炭水化物を減らせば肥満も糖尿病も予防できるのです

食べ過ぎとと思ったときには、「食べるインスリン」も有効です。

 ⇒ 食べるインスリン


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